第64回 ビームダイナミックスWGミーティング・メモ
日時: 2011年12月15日(木) 14:00−17:30
場所: 3号館5F会議室
参加者(敬称略):羽島(JAEA)、宮島、本田(洋)、島田、原田、上田、土屋、遠藤、足立(伸)、坂中、佐藤(康)、中村(KEK)-メモ作成
1.cERLバンチ圧縮オプティクスの設計検討(2) 中村(KEK) → 発表資料
・35MeV cERLにおけるバンチ圧縮のオプティクス設計検討を引き続き行った。
・前回、R56=0.11mとなる第1アーク部のオプティクス設計とそれを用いたバンチ圧縮を行ったが、アーク部の分散関数が大きい場所でビームサイズが大きくなって入射部のパラメータによってはアパーチャに擦る可能性もあった。
・今回は、R56=0.15mとなる第1アーク部のオプティクスを設計してバンチ圧縮を試みた。アーク部出入り口でのalpha_yを3.2とすること で、R56=0.15mを満足するオプティクスを得て、加速空洞前のオプティクスとマッチングをとった。次に、これをもとにアーク部の2ファミリーの六極 電磁石と加速位相を最適化して、CSR wakeも考慮してバンチ圧縮を行った。初期のバンチ長は1-3ps、初期の運動量幅は0.002とした。
・1psでは163fs、2psでは140fsのバンチ長が第1アーク部出口で得られた。バンチ長はR56=0.11mと比べて長くなったが、エネルギー 幅が小さくなって分散関数が大きい場所でビームサイズが小さくなった。六極電磁石のK2値は、最大で200m^-3を越えた。
・今後は、R56=-0.15mとなる第2アーク部の設計を行う。
・(Q)新しいアパーチャは今回計算されたビームサイズの何σか?(A)チェンバーのアパーチャ(水平方向の半径)が35mmなので、初期のバンチ長 2psで5-6σである。(Q)縦方向の空間電荷効果は入っているか。(A)含まれていない。バンチ圧縮後に長い距離走るとその影響が出るだろう。(C) どのようにバンチ圧縮の過程をモニタしていくのかを考えておく必要がある。
2.Optical XFELの提案 島田(KEK)
・ERL実機光源のエネルギーが5GeVから3GeVに下がったため、輝度が相対的に下がる傾向にある。そこで、ミリ波のCSRを通した導波管をアンジュ レータの代わりに使用し、低いエネルギー(1-3GeV)で10keVのSASE-XFEL発振を検討してみた。
・ CSR波長5mmでK値を2と仮定して、いくつかの場合についてFELのゲインを計算した。SACLAに比べてピーク電流が1-2桁小さい分を低エミッタ ンス、低エネルギー、K値、周期数でカバーできると良い。輝度・フラックスの計算はまだ行っていないが、これまでの他の施設のパラメータから換算すると、 電流10mAでも高輝度が実現できる可能性はあるだろう。
・ CSRを超電導空洞のoptical cavityに蓄積する場合、材料にNb3Snを利用できれば高いQ値が期待出来る。他の材質は未検討である。他の項目についても調べる必要はある。
・ Coherent stackを理論的か実験的に証明する必要はある。理論的な作業は進行中である。
・ バンチ圧縮をするとゲインが上がりCSRも短波長まで発生できるが、低エミッタンスを維持しにくく超伝導空洞での寄生モードの発熱も大きくなる。できればバンチ圧縮無しで行いたい。
・(C)K値を2と仮定しているが、それが実現できるかを示すことが必要だ。マイクロ波アンジュレータが広まっていないのは、パワーが強くないとK値が十 分出ないせいではないか。(C)CSRであるとビーム自身の強度変動や安定度に左右されるので、可能であれば外部から安定なパワー加える方がいいのではな いか。(C)SASE-FELでない方がいいのではないか。
3.3GeV-ERL光源性能について 中村(KEK) → 発表資料
・エネルギーが5GeVから3GeVに変わって、光源性能について改めて調べる必要がある。具体的には、X線及び極紫外・軟X線領域での3GeV-ERL の輝度を計算した。また、性能向上に効果的なパラメータ(あるいはその組み合わせ)を調べた。
・ベータトロン関数は水平垂直共に5mとし、長さ5m、30m、200mの2種類のアンジュレータ周期(18mm、60mm)について輝度計算した。エネ ルギー幅は、0.002と0.0005でバンチ長2psと1psに対応する。規格化エミッタンスは、100mA(77pC@1.3GHz)で1.0, 0.5, 0.1mm mradを考えた。0.5mm mradは、100mAに対して現状のcERL配置とシミュレーションでおよそ達成可能な値である。この他に、規格化エミッタンスが0.1mm mradの場合、現実的な主ライナックのHOMによる発熱を考慮して電流が10mAと26mAについても計算した。また、コヒーレンス比についても評価し た。
・今回のパラメータ範囲では、光源の輝度はエミッタンス及びアンジュレータ長(周期数)に常に強く依存している。アンジュレータ長が長い(周期数が多い)場合、エネルギー幅を下げることで輝度は向上する。特に、高次光ほど増加が顕著になる。
・3GeV-ERLに向けての光源設計や各コンポーネントの仕様は、光源性能の向上を考えて決めていくべきであろう。入射器あるいは主ライナック以外で、 エミッタンスやエネルギー幅を改善できると、入射器と空洞への負荷は減る。実現可能な方法はないか。
・(C)入射器で0.1mm mradのシミュレーション論文はあるが、mergerがない場合であり、精密なレーザー波形整形なども前提だ。(C)入射エミッタンスを下げるために は、バンチャで加速することも1案だろう。また、コーネル大学とは異なる新しいスキームも必要ではないか。(C)エネルギー幅の観点からは、超伝導空洞で 1ps、100mAの加速が可能になるといい。(C)HOMロスを上げられない場合は、超伝導空洞でのエネルギー幅を補正するような空洞の可能性を検討す ることも1つだ。ただ、ビームローディングによるエネルギー変動や広がりへの影響も考慮する必要がある。(Q)長尺アンジュレータは分割するのか。(A) セグメントに分割して移相器と四極電磁石を配置することになる。広がる高次放射光がアンジュレータ等に当たらないように、そのコリメーターも必要になる。 (C)アンジュレータ周期については10mmまでは可能だが、K値が小さいのでエネルギースペクトルが重ならない。Multi-undulatorなどで 補うことになる。クライオアンジュレータや超伝導アンジュレータも1案である。
4.LCS-X線実験の衝突点周りについて 羽島(JAEA)
・基本的には、STFで来年行うLCS-X実験の装置を使うことを考えている。
・その仕様と配置に従うとすると、20°の角度で蹴って衝突点は1.2mほど外側にずらすことになる。20°の角度は、使用する共振器と他の要素との干渉 がないように設定された。完全なシケインではないので、4台目の偏向電磁石はなく、帰りの四極電磁石等も数は不足となる。
・通常のcERL運転では、このシケインを使わずにまっすぐに進むパスを残す方がいいだろう。
・(C)直線での衝突と思っていたので、早急の検討が必要になる。特にシールド壁の孔の位置は12月26日の打ち合せには業者に回答する必要がある。 (C)ビームサイズや分散関数などのオプティクスを確認する必要がある。(C)装置(電磁石、電源、架台等)がどこまでもらえるのか、仕様がcERLにも 合うのかを確認する必要がある。
次回予定
日時:2012年2月1日(水)14:00〜
場所:3号館7F会議室
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