放射光研究施設で実験を行うには。[English Version]

このページは放射光研究施設・田中雅彦が作成しました。ご意見などございましたらmasahiko.tanaka.pf@kek.jp までお寄せください。( Last modified: 11 July, 2002 )

注意:ホームページ作成時には注意を払ったつもりですが対応しきれていない所,間違いなど有ると思います。 お気づきの方は是非ご指摘ください。

□はじめに

  高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所放射光研究施設は、(陽)電子蓄積リングから放出さ   れる放射光を用いて研究を行うための共同利用実験施設です。共同利用実験に関しては詳細な資料が用   意されていますが、ここではそれらをまとめ、初めて共同利用実験申請を出す方を対象に放射光研究施   設で実験するための手続きについて説明します。また実験を行うに当たっては折りに触れ様々な書類を   提出しなければなりません。放射光実験に慣れた方のチェックリストとしても使えるようにしたつもり   ですのでご利用ください。   放射光研究施設は海外の研究者も利用できますので問い合わせなどありましたら連絡先、ホームページ   等紹介してあげていただけるようお願いいたします。また海外の研究者が実験責任者になるには日本人   のContactPersonが必要になりますのでそのときは是非協力していただけるようお願いいたします。   放射光共同利用実験に関するより詳しい情報、資料が必要な方は以下にお問い合わせください。     □連絡先     〒305 茨城県つくば市大穂1−1     文部科学省高エネルギー加速器研究機構     TEL:0298−64−1171     TEL:0298−64−5200     〒305 茨城県つくば市大穂1−1     文部科学省高エネルギー加速器研究機構     管理部研究協力課共同利用第二係     TEL:0298−64−5126(ダイアルイン)     〒305 茨城県つくば市大穂1−1     文部科学省高エネルギー加速器研究機構     物質構造科学研究所事務室     TEL:0298−64−5635(ダイアルイン) □実験課題の申請の準備   □利用できるビームライン、実験装置     2002年10月現在利用できる実験ステーションは約70あります。これらについては放射光実験施     設共同利用応募資料にまとめられています、共同利用第二係に連絡をとって手に入れてください。     また放射光研究施設ホームページにも説明がありますのでそちらも参照してみてください。実験計     画、利用するステーションが決まりましたら、実験ステーションの担当者や、PFを使い慣れてい     る人に連絡して申請前に一度相談にのってもらうのが良いでしょう。   □実験申請課題の種類
種類 課題の性格 期間 制限事項
G型(一般) 一般的な放射光利用実験 2年  
P型(予備実験・初心者実験) G型あるいはS型を申請するための予備実験放射光の未経験者による予備的な実験 1年 6日間以内
S1型(特別) ビームライン改良・大型装置の整備を伴うプロジェクト研究 3〜5年 PFシンポで報告
S1型(特別) 技術的困難度が高く、かなりの努力と経費,および長期のビームタイムを必要とするが,成功すれば高い評価の得られる実験。 3年 PFシンポで報告
U型(緊急かつ重要) 次回の審査委員会を待てないほど緊急でかつ採択済みの課題に優先して実施する価値のある極めて重要な課題   PFシンポで報告
    申請できる課題の種類は上記のものがあります。それぞれ実験するにあたって条件等ありますので
    自分の実験計画を考慮に入れて十分調査検討のうえ出す分野を決定してください。

□実験課題の申請

  □申請方法

    □高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所放射光研究施設共同利用実験申請書を一部提出
     してください。
    □申請書はPFホームページからダウンロードするか、機構管理部共同利用第二係、
     あるいは物質構造科学研究所事務室に請求してください。
    □正本一部を機構管理部共同利用第二係に郵送で提出してください。FAXでの申請は受けつけら
     れませんので注意してください。
    □S型、U型の場合は書式が異なりますので注意してください。
    □P型の場合は提出前に必ずビームライン担当者と打ち合わせしてください。

    □申請書記入にあたっては共同利用実験課題募集要項,共同利用実験公募要項、共同利用実験応募
    資料、申請書記入要領等をよく読んで誤りの無いようにお願いいたします。

  □申請の時期

    □G型、P型は年2回、締め切り日は原則以下の通りです。
     前期:11月初旬(次の 4月から有効期間開始)
     後期: 5月初旬(次の10月から有効期間開始)
    □S2型も年2回、締め切り日は原則以下の通りです。
     3月中旬、9月中旬
    □U型,S1型随時受け付け

  □申請書の郵送先

    〒305 茨城県つくば市大穂1−1
    高エネルギー加速器研究機構
    管理部研究協力課共同利用第二係

    TEL:0298−64−5126(ダイアルイン)

  □申請書の内容についての注意(本ページ作成者からのアドバイス)
   申請の内容については十分検討のうえ記載していただいていると思いますが,一点だけ最近の傾向に
   ついてご注意させていただきます。研究の目的では,例えばどのような試料についてのどのような物
   性を明らかにするためどのような実験するのか,などかなり具体的な記述をしてください。そうでな
   いと研究計画の練り上げが不十分と判断され不採択になることが多いようです。

□審査

  □申請のあった実験課題は、ビームライン担当者の意見(主に技術的評価)、レフェリーの評価(学術
   的評価、3人で5段階評価、2.5以上なら原則採択される)をきいた後、放射光共同利用実験審査
   委員会(PF−PAC,今回からは分野ごとに分科会を設ける)で審査し放射光実験施設協議会及び
   運営協議員会での議論を経て、所長が採否の決定をします。
  □S型の審査に当っては、評定者(5人)等を対象に口頭説明を行っていただき、採択のうえは、毎年
   PFシンポジウムで進行状況を報告していただき、PF-PACで評価します。
  □審査に当たって、放射光共同利用実験審査委員会は、必要に応じて実験責任者から説明を聴くことが
   あります。
  □決定の結果については、実験責任者又はContact Person in Japanにお知らせします。 

□採択

  □課題が採択された時の手続き

    共同利用実験課題申請が採択された時には以下の書類の提出が必要となります。これら書類は実験
    責任者がまとめて物質構造科学研究所事務室宛て郵送ください。
    これらの書類はPFホームページ内に掲載されています。ダウンロードしてご使用
    ください(Post Script およびMS−Word形式)。
                                       提出する人
    □様式9−2:共同利用実験者等登録兼外来放射線作業従事者願      実験責任者
    □様式10: 放射線業務従事者認定証明書兼放射線作業従事承諾書    実験者ごと
    □承諾書:  共同利用実験者承諾書                  実験者ごと

□マシンタイム決定から実験のための出張

  □マシンタイムの決定
    マシンタイムの配分を受けるにはマシンタイムの開始3ヶ月ほど前送られるビームタイム要求書
    を提出します。これをもとに各ビームライン担当者が配分計画を建てPF内部で検討された後ビー
    ムライン配分委員会で決定されます。

  □実験に来るにあたっての提出書類
    マシンタイムの配分が決まったら出張手続、共同利用宿舎の予約のためホームページに
    アクセスしてください。
    また化学薬品持ち込み届けも必ず提出してください。されていない場合は実験停止もありえます。

    □出張依頼旅費申請
     予算の関係で出張扱いにできる人数はあらかじめ決まっています最新情報にご注意ください。
     提出は出張の2週間前までです。

    □化学薬品持込届
     実験に来る場合には必ず持参して提出してください。持ち込む”薬品”が無い場合でも”なし”
     あるいは測定試料を書いて提出してください。提出先は放射光事務室等です。

□実験のための来所

  □フィルムバッチ
   実験するために来所する時には必ずフィルムバッチを必ず持参してください。もし忘れると”絶対”
   に実験ホールに入れてもらえませんので取りに戻ることになります。

  □PFに到着したら

    □事務室
     まず物質構造科学研究所事務室に行ってカウンターの上の共同利用者到着記録に名前を書いてく
     ださい。次にカウンターの上のレターケースに入っている宿泊許可証を取って宿舎を確認してく
     ださい。
    □監視員室
     実験ホール入り口の監視員室で所属と名前を伝えてIDカードと放射線モニターを受け取ってく
     ださい。もしその年度初めての来所なら安全講習ビデオを見ます。
    □以上の手続きが済んで,実験ホールに入って実験を開始することができます。

  □実験中
    実験中は安全に対して細心の注意をはらってください。また共同実験者控え室、各種実験準備施設、
    ネットワーク用端末、共通備品等はモラルをもって利用していただけるようお願いいたします。

  □実験終了
    □ビームタイム利用記録
     実験がが終了したらビームタイム利用記録を記入提出してください。提出場所は放射光研究棟一
     階廊下のレターケースです。
    □整理整頓
     実験終了後は利用した実験ステーションのまわりを整理整頓してください。
    □終了届
     計画していた実験が完全に終了したら、終了届を提出してください。

□その他の手続き

  □共同利用実験組織の変更等
    共同利用実験組織の変更等を行うには以下のような書類の提出が必要です。これらの書類は放射
    光研究施設事務室で受け取れます。また書類の提出先も放射光研究施設事務室です。
手続き 承諾書 様式3 様式9−2 様式10
実験課題採択時  
実験者の追加    
実験課題採択時  
職名の変更      
実験者の削除      
    承諾書:  共同利用実験者承諾書
    様式3:  共同利用実験者登録抹消願
    様式9−2:共同利用実験者等登録兼外来放射線作業従事者願
    様式10: 放射線業務従事者認定証明書兼放射線作業従事承諾書

    ◎は共同利用研究者各自が、○は実験責任者が提出します。
    書式のダウンロード

  □毎年手続きが必要なもの
   放射線関連の書類は年度ごとに提出が必要です。以下の書類は毎年、4月に提出してください。
   これらの書類が提出されていないと実験ホールに入ることができませんので忘れずに手続きする
   するようお願いします。

    □様式9−2:共同利用実験者等登録兼外来放射線作業従事者願
    □様式10: 放射線業務従事者認定証明書兼放射線作業従事承諾書
    書式のダウンロード

□申請課題の終了

  □終了届
   計画していた実験が完全に終了したら、終了届を提出してください。
  □PF関連出版連絡票
   PFでの実験によって論文が出版された場合は,PF関連出版連絡票および別刷り3部を提出してく
   ださい。
  □学位論文出版票
   PFでの実験によって学位論文が出版された場合は,学位論文出版票と可能なら論文一部を提出して
   ください。

□資料
  □放射光共同利用実験公募要領
  □放射光実験施設共同利用実験応募資料
  □放射光実験施設共同利用実験応募申請書記入要領
  □放射光共同利用実験施設共同利用の手引き
  □Guide for overseas experimenters of PF
  □Guide for filing an application for synchrotron radiation experiments
                           at the Photon Factory
  □(高エネルギー加速器研究機構)ユーザーの手引き


□今後のPF運転予定

   □運転予定表


□関係WWW Site
  High Energy Accelerator Research Organization(KEK)
  Photon Factory Home Page
  各種書式ダウンロード


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