1. 放電が無いことの確認
オフラインでも確認可能です。
・TOF_MCPからのシグナルを直接オシロで測定
電源からMCPin-out間に正常に電圧がかかることを確認。
TOF_MCPの電圧(in-out間)を100Vステップで最大定格までゆっくり上げていく。
最大定格(2stageの場合は2kV)まで上げてシグナルが無ければ大丈夫です。
真空度の悪化、シグナルの検出等があった場合はすぐに電圧を下げてください。
放電があると判断した場合(特に真空度の悪化)、時間をおいて再度確認を行ってください。
・CMA_MCPもTOF_MCPと同様に確認する。
2. 正常なシグナルがみられることの確認
オンライン時に行う。(他の光源がある場合は別)
・TOF_MCPからのシグナルを直接オシロで測定
TOF_MCPの電圧(in-out間)を100Vステップで最大定格までゆっくり上げていく。
シグナルが検出できていれば大丈夫です。
シグナルが来ない場合は、電場条件(TOF-in、Drift電圧)等を確認する。
リンギングが大きい場合には浜ホト技術資料p13図23のようにMCP-outとアースのできる
だけ近いところに1000pF程度のコンデンサを接続しておくとリンギングを緩和できる。
・CMA_MCPもTOF_MCPと同様に確認する。
3. クロストークがないことの確認
オンライン時に行う。(他の光源がある場合は別)
・TOF_MCPからのシグナルを直接オシロで測定
CMA_MCPの電圧(in-out間)を100Vステップでシグナルの検出できる電圧まで上げる。
この間、TOF_MCPのシグナルに変化が無ければ大丈夫です。
真空外の配線を見直してみても改善が無ければ真空内でクロストークが起こっている。
この場合、クロストークによるシグナルが真のシグナルに比べて無視できる大きさ(1/3以下)
でない限り、装置を取り出す必要がある。
・CMA_MCPもTOF_MCPと同様に確認する。
4. シグナルとリンギングの比
シグナルとリンギングノイズの比は、もちろん小さい方がよいが、シグナルが一番大きいリン
ギングに比べて3倍以上あれば大丈夫なそうです。
5. ディスクリレベルの設定
ディスクリレベルはシグナルとリンギングノイズの中間をカットするように設定する。
具体的には、プリアンプ後のシグナルとリンギングノイズがそれぞれ15mV,5mVの時、
10mVにディスクリレベルを設定する。
リンギングノイズがきちんと切れてないと、シグナル1カウントに対して(数〜十数nsずつ遅れて)
数カウントするので、特にイオンではピークが分かれたり、ブロードになることが予想できる。
6. ノイズが無いことの確認
入射光をきってみて、イオン・電子ともカウントが〜0であることを確認。
数カウントある場合は、真空計等のゲージが影響してないか確認。