PF研究会
「ナノテクノロジーと高分解能電子分光」
ナノテクノロジーの急速な発展は物質科学に大きなインパクトを与えています。カーボンナノチューブやカーボンナノホーン、半導体量子ドット、磁性ナノ構造、超分子、65nm以下テクノロジーノードでのULSI用新材料、など新しいナノ構造物質が数多く見出され、その応用が期待されています。しかし、ナノだからこそ出現する新しい機能がどのような電子状態の変化によってもたらされたか、その電子状態がナノ構造とどのように関係あるか、などについては未だ不明な点が多いのが現状です。我々は、これらのナノ構造や表面・界面の電子状態を解明するには、高輝度アンジュレータ放射光を用いた高分解能電子分光が最適であると考えています。
そこで本研究会では、高分解能電子分光によってナノ領域の物質科学においてどのような研究が可能になるか、またナノテクノロジー側から見るとどのような研究のニーズがあるのか、新しく計画されているVUVビームラインはフラックスと分解能をどの程度両立出来るのか、などについて、議論していきたいと考えております。今回は、量子ナノ分光、固体分光1,2,表面化学の4ユーザーグループの利用者(物理、化学、電気など)が集まるとともに、ナノテクノロジー側から産業界の研究者に講演して頂き、ナノテクノロジー研究者、放射光利用研究者、instrumentation側という3者が集まって、新しいナノ研究の展望について真剣な議論を行いたいと考えています。電子分光としては、光電子分光、XAFS、PEEM、MCDなどを主な対象としており、現在検討されている新ビームライン(30-300eV,
分解能1万で1013ph/s、可変偏光)についても議論を行います。是非、多くの方々のご参加をお願いいたします。プログラムの詳細なども随時掲載いたします。
開催日:平成15年12月19日(金)、20日(土)
場 所:講演会場:高エネルギー加速器研究機構 4号館セミナーホール
ポスターセッション会場:研究本館 レクチャーホール
地図はこちら。
提案代表者:尾嶋正治、小野寛太、藤森 淳、高桑雄二、近藤 寛
(PF懇談会4ユーザーグループの合同開催)
交 通:
車 常磐自動車道「桜土浦」インターより東大通りを筑波山方面へ20分
電車 JR常磐線「ひたち野うしく駅」よりバスで「つくばセンター」へ25分、
「つくばセンター」より「高エネルギー加速器研究機構」へバスで20分
バス 東京駅より「ニューつくばね号」で「高エネルギー加速器研究機構」下車(約1時間30分)
東京駅より「つくば号」で「つくばセンター」下車(約1時間)、
「つくばセンター」より「高エネルギー加速器研究機構」へバスで20分
詳しくは「KEKまでの交通」をご覧下さい。
旅費のサポートはできる限り行ないます。
参加申込み:参加申込は随時受け付けておりますが、 宿舎、旅費のサポートをご希望の場合は
11月28日(金)までにお願い致します。
講演者の方も参加申し込みフォームよりお申し込み下さい。
実験中のため、部屋はツインに限らせていただきますので、ご了承下さい。
詳細はKEK内共同利用者宿泊施設をご覧下さい。
KEK周辺宿泊施設についてはこちらをご覧下さい。
懇親会:12月19日の夜に施設内のレストラン「くらんべりぃ」にて懇親会を予定しております。
ふるってご参加下さい。参加をご希望の方はフォームにて12月8日(月)までに
お願い致します。
ポスターセッション:ポスターセッション参加者を募集しておりますので、ふるってご参加下さい。
参加ご希望の方は12月8日(月)までにフォームにてお申し込み下さい。
パネルのサイズは縦180cm×横120cmです。
Proceedings発行:講演の際に使われるOHPファイルをKEK Proceedings 2003として製本いたします。
予稿を12/8までに藤森(fujimori@k.u-tokyo.ac.jp)まで御提出ください。
予稿の参考例はこちらをご覧下さい。
プログラム案(20件発表)
【12月19日(金)】
0) 13:00〜13:10 開会挨拶(尾嶋正治)
セッション1:Instrumentation関連(座長1:高桑)
1) 13:10〜13:30 小野寛太(PF)新ビームラインの位置づけ
2) 13:30〜14:00 雨宮健太(東大理)ビームライン設計
セッション2:カーボンナノテクノロジー(座長2:近藤)
3) 14:00〜14:30 久保佳美(NEC基礎研究所)カーボンナノホーン燃料電池の開発と放射光解析
4) 14:30〜14:50 石井広義(都立大理)カーボンナノチューブ の高分解能光電子分光
---コーヒーブレーク:ポスターセッション:約30件---
セッション3:磁性ナノテクノロジー(座長3:藤森)
5) 15:30〜16:00 田中厚志(富士通研究所)高密度磁気記録デバイスとナノテクノロジー
6) 16:00〜16:20 中辻寛(東大物性研)磁性ドットのXAS/MCD
7) 16:20〜16:40 岡林潤(東大工)磁性ナノ構造/半導体の光電子分光
8) 16:40〜17:00 佐藤宇史(東北大理)高温超伝導体のARPES:ナノスケールのゆらぎ
9) 17:00〜17:20 横谷尚睦(東大物性研)強相関系のナノ領域フェルミオロジー
10) 17:20〜17:40 組頭広志(東大工)強相関酸化物ナノ構造のPLD+in situ PES
セッション4:Siナノテクノロジー(座長4:尾嶋)
11)17:40〜18:10 臼田宏治(東芝研究開発センター)極限微細MOSLSIの動向と極薄ゲート絶縁膜の開発
----懇親会----
【12月20日(土)】
セッション4:Siナノテクノロジー(座長4:尾嶋)続き
1) 9:00〜 9:20 坂本一之(東北大理)Si表面初期酸化、MAX-II事情
2) 9:20〜 9:40 遠田義晴(弘前大理)Si初期窒化のリアルタイム 光電子分光
3) 9:40〜10:00 高桑雄二(東北大多元研)Ti表面初期酸化:ナノ構造光触媒への応用
4) 10:00〜10:30 下村勝(静岡大)半導体表面吸着ナノ構造の光電子回折
セッション5:放射光新技術(座長:小野)
5) 10:20〜10:40 島田賢也(広島大放射光)HiSORにおけるナノ物質の高分解能光電子分光
6) 10:40〜11:00 近藤寛(東大理)時間分解光電子分光
7) 11:00〜11:20 関山明(阪大基礎工)バルク敏感光電子分光
8) 11:20〜11:40 奥田太一(東大物性研)放射光励起STM
9) 11:40〜12:00 間瀬一彦(物質構造科学研究所)コインシデンス分光
10)12:00〜12:10 ポスター賞の表彰、まとめと閉会挨拶(藤森)
ポスターセッション(研究本館 レクチャーホール)
1. 6軸低温試料マニピュレータ 相浦義弘(産総研)
2. 希薄ドープYBa2Cu3Oyの角度分解光電子分光 八木創(東大理)
3. 希薄ドープ高温超伝導体Bi2212の光電子分光 田中清尚(東大理)
4. 高温超伝導体Bi2212における不純物効果:角度分解光電子分光 寺嶋健成(東北大院理)
5. LaRh3B2の高分解能角度分解光電子分光 飯田雄亮(東北大院理)
6. Laser MBE法で作製したLa1-xSrxMnO3薄膜のin-situ共鳴光電子分光;温度依存性 近松彰(東院工)
7. In situ放射光光電子分光によるLaFeO3/SrTiO3ヘテロ界面の電子状態評価 小林大介(東大院工)
8. In-situ共鳴光電子分光によるLa0.6Sr0.4FeO3/La0.6Sr0.4MnO3界面の電子状態 橋本龍司(東大院工)
9. La1-xSrxFeO3薄膜のin-situ光電子分光 和達大樹(東大理)
10. Pb, Sn二元金属吸着Si(111)表面の内殻準位光電子分光 榛葉蔵人(名大院工)
11. Si(557)表面の内殻光電子分光 沖野泰之(東大理)
12. 放射光光電子分光とX線吸収分光によるHfO2/Hf-silicate/Siのバンドオフセットと化学結合状態
豊田智史(東大院工)
13. InSb表面上に成長したα-Sn薄膜の内殻光電子分光 鈴木俊宏(東北大院理)
14. Au(111)表面上のPd薄膜における表面準位 鴨志田敦史(東大物性研)
15. フラーレン内包カーボンナノチューブの光電子分光 塩沢秀次(都立大院理)
16. 室温強磁性体ZnGeP2:Mnのin situ光電子分光による研究 石田行章(東大理)
17. 光電子顕微鏡(PEEM)を用いた光電子の空間・運動量・エネルギー同時分光とHiSORにおけるPEEMプロジェクトの現状 小嗣真人(HiSOR)
18. 放射光光電子顕微鏡による反強磁性を示す基板と反強磁性薄膜の界面における磁性の変化〜NiO基板上のCr薄膜の磁区構造観察〜 遠山尚秀(千葉大自然)
19. Fe/Au(001)の内殻吸収磁気円ニ色性 神戸喬史(広大院理)
20. 'ハーフメタル'強磁性体Co2MnGeの電子構造 宮本幸治(広大院理)
21. c(2×2)CuMn/Cu(001)表面二次元合金の磁性 朝直俊介(広大院理)
22. XAS and XMCD study of Co and Mn nanoclusters on Si(111)-7x7 surface,
T. Xie(広大院理)
23. 広島大学放射光科学研究センターにおけるスピン分解光電子分光装置 伊折数幸(広大院理)
24. X線光電子回折法によるPt単結晶表面におけるNO分子の構造解析 島田透(東大院理)
25. エネルギー分散型NEXAFSを用いたPt(111)上のCO酸化反応の機構解明 中井郁代(東大院理)
26. Au(111)表面上におけるチオフェンの膜成長およびX線照射反応 南部英(東大院理)
27. フッ素化銅フタロシアニンの内殻電子励起による選択的結合切断 奥平幸司(千葉大工)
Last modified
2003-12-12
by pfw3-admin@pfiqst.kek.jp
|