過去のセミナー (2004年度とそれ以前)

更新日: 2008-05-30

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放射光セミナー
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(04-36) のお知らせ

題 目
薄膜磁性の時空間分解
講 師
雨宮健太氏 (東京大学大学院理学系研究科) 
日 時
2005年3月30日(水)13:30〜
場 所
PF研究棟2F会議室
講演要旨

薄膜磁性の時間変化および空間分布に関する最近の研究例を紹介し,挿入光源 の利用による発展への期待を述べる。例えば,エネルギー分散型表面XAFS法(数10 eVにわたるXAFSスペクトルを一度に得られる)を円偏光と組み合わせることによって ,分子・原子の吸着による磁気異方性の時間変化を追跡したところ,面内磁化から面 直磁化への転移過程において特異な磁気状態が示唆されたが,一度の吸着過程に対し てひとつの円偏光でしか測定出来ないために詳しい情報が得られない。一方,空間分 布に関しては,光電子顕微鏡等の発展によって面内方向の情報が,そして最近我々が 開発した深さ分解XMCD法によって深さ方向の分布がわかるようになってきたが,前者 は深さ方向に,後者は面内方向に平均化されており,それによって貴重な情報が失わ れている。これらの問題を解決するためには円偏光スイッチングや入射X線のマイク ロビーム化が有効と考えられ,より高度な時空間分解分析への発展が期待される。

 

(04-33) のお知らせ

題 目
First-Principles Study of Materials with Many-Body Wave Functions
講 師
常行 真司 氏 ( 東大大学院理学系研究科助教授 )
日 時
2005年3月11日(金)15:00〜15:40
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

 Prediction of structures and properties of materials from the knowledge of their chemical composition has been a longstanding problem in materials science. So far, many inventions with associated improvements have been made to simulate materials structures and properties quantitatively from first principles, i.e. starting from the Coulomb interaction between atoms and electrons without using empirical parameters. Density functional theory (DFT) is one of the most popular bases of the first-principles simulations, for which W. Kohn got the Nobel Prize in chemistry in 1998. A uniqueness of DFT lies in the fact that it deals with one-electron density distribution but not the many-body wave function of the electronic system. With DFT, after some approximations for practical use, we can obtain the electron density distribution in the ground state and forces acting on atoms in materials. Sometimes coupled with molecular dynamics method for treating motion of atoms, the theory has been successfully applied to simulations of electronic band structures, crystal structures, surface reconstructions, the structure of liquids or amorphous states, and so on.
Although its successes are so impressive, however, limitation of DFT, at least within the present approximation, has also been clarified: cohesive energy estimates for solids are overestimated, van der Waals interaction is not reproducible, activation barrier of chemical reactions is underestimated, and electronic excitation spectrum is not correctly calculated. It is also well known that the present DFT cannot correctly predict metal-insulator transition governed by electron correlation. To overcome these difficulties, various attempts have been made so far, some of which are not based on DFT but on the wave function theory (WFT): the variational Monte Carlo method (VMC), the diffusion Monte Carlo method (DMC) and the trans-correlated method (TC) are such examples. In this talk, I will briefly review these methods and propose that their combination will be a powerful tool to go beyond the present limitation of the first-principles simulation of materials.


(04-35) のお知らせ

題 目
オン・サイト有効クーロン相互作用の第一原理計算: 3d遷移金属への適用
講 師
中村 和磨 氏 (学振特別研究員、東大理・物理、常行研 ) 
日 時
2005年3月11日(金)15:40〜16:20
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

遍歴電子系及び強相関電子系の物性理解において、最も重要なパラメータである局在電子のオン・サイト有効クーロン相互作用Uを第一原理的に評価するための方法論開発を行った。これまで、Uの評価は実験や現象論的模型に基づいて経験的になされてきたが、本研究は密度汎関数法の枠内でこの値を非経験的に求めようというものであり、XPSやAuger等の実験と模型の間の溝を埋めようと試みるものである。本手法では、実験では得られにくいU値に影響する微視的因子を個別に抽出することが可能なので、これまで定性的にしか理解されてこなかったUのメカニズムを詳細に検討できる。更に、この方法論は原則的に全ての物質(遷移金属酸化物、有機分子性導体)に適用可能であり、パラメータとして現れる物質の個性を忠実、かつ系統的に考察することができる。
 本講演では、開発された手法を3d遷移金属 (Sc_Cu)のオン・サイト有効クーロン相互作用の評価に適用した場合の結果について報告したい。

 

(04-31) のお知らせ

題 目
ユニバーサルX線エリプソメーターの開発と応用
講 師
上ヱ地義徳氏(東京大学 新領域創成科学研究科)
日 時
2005年3月4日(金)13:30〜
場 所
PF研究棟2階会議室
講演要旨

我々はこれまでに放射光X線の偏光特性を活かした新しいX線計測技術を開拓すべくユニバーサルX線エリプソメーターの開発を行ってきた。ユニバーサルX線エリプソメー ターは、X線偏光子、回転型四象限X線移相子、X線検光子、からなり、任意の偏光の生成、透過X線を含む任意の回折X線の任意の偏光の解析を高精度に行える。これまでに、X線領域(7〜12 keV)でファラデー効果、結晶構造異方性に基づく直線二色性と直線複屈折(自然光学異方性)、円二色性と円複屈折(自然光学活性)のスペクトルの高精度な測定や偏光コントラスト像の観察に成功している。
 このように偏光性を積極的に利用する一方、X線透過型移相子を利用して、放射光X線から無偏光X線を取り出すX線偏光解消子(デポライザー)の開発を行った。偏光特性が解析を複雑にする測定法や偏光因子によるX線強度のロスが問題になる測定法で有用になると考えられる。
 本公演では、ユニバーサルX線エリプソメーターとX線偏光解消子の概要を紹介するほか、最近行った反強磁性体の円偏光DAFSや今後の展望についても紹介したい。



(04-32) のお知らせ
題 目
SLS・SPring-8におけるピクセル検出器開発の現状
講 師
豊川 秀訓氏((財)高輝度光科学研究センター ビームライン・技術部門 検出器チーム)
日 時
2005年3月4日(金)10:00〜
場 所
PF研究棟2階会議室
講演要旨

 高輝度光科学研究センター(JASRI)はSLS(Swiss Light Source)/PSIと共同でピクセル検出器の開発を行っている。2001年からSLS06読みだしチップ(44X78pixels,217umX217um)を用いてのsingle module detector(8X2chips,366X157pixels)の製作が始まり、S2003年には3X6モジュールを組み合わせた約1Mピクセルの大型検出器が完成した。
 SLS06チップでは5%程度の動作不良があったが、2004年12月にSLS-IIチップ (60X97pixels,172umX172um)の第1バッチが届き設計通りに動作している事が確認された。 2005年はSLS-IIチップを用いて実機の製作を行う予定である。
 セミナーでは、ピクセル検出器の動作原理の解説と及びSPring-8 BL44B2,BL46XUでのテスト実験の結果を紹介する。

 

(04-34) のお知らせ

題 目
The impacts of Synchrotron Radiation and Neutrons on Nano-Materials
講 師
Prof. Van de Voorde(ファンデボーデ) ( マックスプランク金属研究所 )
日 時
2005年2月28日(月)10:15〜11:15
場 所
PF研究棟2階会議室
講演要旨

現在、ヨーロッパでは、GENNESYSという名のもとに、放射光と中性子を用いてのナノ物質の研究を推進しようとするプロジェクトがあります。マックスプランク金属研究所のProf. Van de Voordeは、そのプロジェクトを進める中心的役割を果たしていると伺っています。
今回、姉妹研究所である物質・材料研究所を訪問された機会に物構研にも来訪されます。
この機会にProf. Van de Voordeからインフォーマルにお話を聞き意見交換する機会を設けました。当日は、他の委員会、会合が多く重なっていますが、ご都合をつけられれば、オープンミーティングですのでふるってご参加下さい。Prof. Van de Voordeが準備下さっている話の内容は以下のようなものです。

"The impacts of Synchrotron Radiation and Neutrons on Nano-Materials"

The lecture will cover the following items:
-Overview of the Nano Materials Research Activities in Europe
-Progress report on the new European initiative: GENNESYS"
 : The Study of Nano Materials using Synchrotron Radiation and Neutrons
-Plans for a GENNESYS - European Industry Consortium
-Future Vision of Synchrotron radiation and neutrons in the European
Research Landscape.
-Suggestions will be formulated for a World Dimensional GENNESYS.

 

(04-30) のお知らせ

題 目
「Vibrationally resolved photoelectron angular distributions for K-shells of CO and N2 molecules 」
講 師
Prof. Nikolai Cherepkov (State University of Aerospace Instrumentation, 東北大学 )
日 時
2005年2月28日(月)13:30〜14:30
場 所
PF研究棟2階会議室
講演要旨

Partial photoionization cross sections and the angular asymmetry parameter beta for the C and O K-shells of CO molecule have been calculated in the relaxed core Hartree-Fock approximation with a fractional charge of the ion, which was fitted from the condition to get an agreement with the experimental position of the sigma* shape resonance.  Vibrational motion was taken into account by averaging the dipole amplitudes over the inter-nuclear distances R with the vibrational wave functions of the initial and final states. A good agreement was found with the results of recent experiments. The similar calculations for the gerade and un-gerade K-shells of N2 molecule in the random phase approximation revealed a great influence of many-electron correlations on the symmetry and vibrationally resolved angular asymmetry parameter beta for the un-gerade K-shell, in a good agreement with the most recent experimental data from the Dr. Ueda's group. The existence of the correlational maximum in the partial photo-ionization cross section for the un-gerade K-shell predicted earlier by theory was also confirmed by this group.


(04-29) のお知らせ

題 目
「円偏光、直線偏光と光電子顕微鏡を組み合わせた表面界面磁性研究」
講 師
木下豊彦氏(東京大学物性研究所)
日 時
2005年2月22日(火)13:30〜
場 所
PF研究棟2階会議室
講演要旨

最近われわれはPFのいくつかのビームラインにおいて光電子顕微鏡実験を行って
いる。軟エックス線領域で磁性研究の主流となりつつある、磁気2色性と光電子顕微
鏡を組み合わせることで、強磁性体、反強磁性体の磁区観察が元素選択的にできるこ
とが大きなアドバンテージである。
磁気2色性ばかりでなく、結晶ひずみなどに由来する2色性も磁性研究に役立つこと
がわかってきた。また、欧米諸国ではポンプ&プローブ法による磁区の外部応答の動
的過程研究も行われるようになってきている。このような研究の現状をわれわれのア
クティビティを中心に紹介するほか、時間分解分光や高分解能観察へ向けての取り組
みなど、今後の課題についても紹介する。

 

(04-28) のお知らせ

題 目
「Present status and future prospects of Linac Coherent Light Source」
講 師
Prof. Keith Hodgson, Director, Stanford Synchrotron Radiation Laboratory
日 時
2005年1月24日(月)14:00〜15:00
場 所
PF研究棟2階会議室
講演要旨

SLAC-SSRLでは、長年X線FELを実現するというプロジェクト「LC LS」を推進してきたが、今回その建設予算が政府により認められて実現への一歩を 踏み出すことになった。SSRLのProf. Keith Hodgsonが来KEKの機会に、LCLSプロジェクトの現状と将来についてインフォ ーマルな形でお話をして頂く機会を設けましたので、ご参集下さい。


(04-27) のお知らせ

題 目
「時分割XAFSによる触媒反応メカニズムの研究 」
講 師
稲田康宏氏(放射光科学第一研究系)
日 時
2005年1月11日(火)11:00〜12:00
場 所
放射光研究棟2階会議室
講演要旨

 水分子は水素結合を介して凝縮し,水蒸気から水や氷となる。我々は軟エック
ス特に不均一系触媒において、反応メカニズムが原子レベルで理解されている系は殆どない。時分割XAFSは、そのような目的に最も適した唯一の手法であり、ミリ秒までの時分割DXAFSを用いて、銅担持ゼオライト触媒の酸化還元挙動とNO還元活性のメカニズムの解明に成功した。
 また、PF-ARのパルスX線特性を利用したナノ秒時分割XAFSに関する最近、及び近未来の展開についても触れる。

 

(04-26) のお知らせ

題 目
「水の電子状態と構造 〜軟エックス線分光による研究〜 」
講 師
小笠原寛人氏 (Research Associate, Stanford Synchrotron Radiation Laboratory)
日 時
2005年1月5日(水)13:30〜14:30
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

 水分子は水素結合を介して凝縮し,水蒸気から水や氷となる。我々は軟エック
ス線分光を用いて、これらの相での水分子の電子状態の研究を行った。水分子の
電子状態は相により大きく異なり、それは、液化、固化にともなう局所的な水素
結合の構造とその数の変化から説明されることを示す。
また、バルクに比べて水素結合が欠損している氷の表面の電子状態やその物性、
水や氷の内殻励起状態のダイナミクスなどについても触れたい。

コメント:
 SSRLの小笠原さんに、正月休みで帰国されている機会にセミナーをお願いしました。
ご自身のお仕事(http://www.stanford.edu/~hirohito/,
http://www-ssrl.slac.stanford.edu/structureofwater.html)に加えて、SSRL、LCLS
の現状についても触れていただく予定です。(足立伸一)



(04-25) のお知らせ

題 目
多バンドをもつスピン三重項超伝導体Sr2RuO4への元素置換による磁気ゆらぎの増強
講 師
菊川 直樹氏(日本学術振興会 海外特別研究員)
(School of Physics and Astronomy, University of St. Andrews, Scotland)
日 時
2004年12月27日(月)10:00〜
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

 層状ペロブスカイト構造をもつルテニウム酸化物超伝導体Sr2RuO4 は,その超伝導対称性がスピン三重項であることが決定的となった [1].
しかしながら,その対形成機構についてはまだ良くわかっていない.
Sr2RuO4 は量子振動測定から,3 枚のフェルミ面で構成されていることが明らかになっており,そのフェルミ面のネスティングに起因する反強磁性ゆらぎ, および弱い強磁性ゆらぎが最近の中性子非弾性散乱実験によって確認されている [2].
本研究では,f 電子系や銅酸化物高温超伝導体で議論されているように,Sr2RuO4 における磁気ゆらぎと超伝導との関わりについて調べるため,元素置換に着目した研究について報告する.
より具体的には,
(1) Sr(2+) をLa(3+) に置換し,電子ドープをおこなうことにより,リジッドバンド描像にしたがってフェルミ面は変化する.それにともない,主要バンドに起因する強磁性ゆらぎが増強される [3].
(2) Ru(4+) をTi(4+) に置換することにより,(1) でのLa(3+) 置換とは対照的に,副次的なバンドに起因する反強磁性ゆらぎを増強させ [4],さらには磁気秩序誘起まで確認できる [5].
今回の話をとおして,適切な元素を選ぶことにより,複数ある磁気ゆらぎを選択的に増強させることができるということをお伝えしたい.

なお,時間が許されれば,他のルテニウム酸化物Ca3Ru2O7 について,浮遊帯域法によって育成された結晶によって明らかにされた遍歴状態 [6]が,Sr2RuO4と同様,構成するフェルミ面から理解できるということを,量子振動測定,低温ホール効果,および比熱の結果にもとづいて報告したい.

[1] A.P. Mackenzie and Y. Maeno, Rev. Mod. Phys. 75 (2003) 657 .
[2] M. Braden, et al., Phys. Rev. B 66 (2002) 064522.
[3] N. Kikugawa et al., Phys. Rev. B 70 (2004) 134520.
[4] N. Kikugawa and Y. Maeno, Phys. Rev. Lett. 89 (2002) 117001.
[5] M. Minakata and Y. Maeno, Phys. Rev. B 63 (2001) 180504(R).
[6] Y. Yoshida et al., Phys. Rev. B 69 (2004) 220411(R).

 

(04-11) のお知らせ

題 目
Observation of Fragile-to-Strong Liquid-Liquid Transition in Deeply Supercooled Confined Water by Quasielastic Neutron Scattering
講 師
Prof. Sow-Hsin Chen
(Department of nuclear Engineering, Massachusetts Institute of technology)
日 時
2004年12月21日(火)11:00〜12:30
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

 Confining water in lab synthesized nanoporous silica matrices MCM-41-S with pore diameters in the range of 10 to 18 Å, we have been able to study the molecular dynamics of water in deeply supercooled states, from 350 K down to 200 K, including a range of temperatures inaccessible to bulk water.. Using two high-resolution quasielastic neutron scattering instruments available in NIST CNR and analyzing the data with a new relaxing cage model formulated by us, we determined the temperature variation of the average translational relaxation time and its Q-dependence. We find a clear evidence of an abrupt change of the temperature dependence of the relaxation time from a non-Arrhenius to an Arrhenius behavior at T = 225 K, which we interprete as the predicted fragile-to-strong liquid-liquid transition in supercooled water. Our more recent inelastic neutron scattering measurements of the librational density of states indicate that the transition is related to the structural change of the hydrogen-bond cage around the water molecule.

Collaborators: A. Faraone (MIT), L. Liu (MIT), C.-Y. Mou (NTU), C.-W. Yen (NTU)

 

(04-23) のお知らせ

題 目
磁性半導体の軟X線MCD
講 師
藤森 淳氏(東京大学大学院新領域)
日 時
2004年12月17日(金)13:30〜
場 所
PF研究棟2F会議室
講演要旨

 近年,半導体に磁性イオンをドープし強磁性となった磁性半導体が,スピン・
エレクトロニクスを担う材料として期待されている.特に,室温を越えるキューリー
点を持つ新物質が次々に発見され注目を集めている.セミナーでは,磁性半導体の概
観に続いて,軟X線MCD測定による研究について述べる。

 

(04-24) のお知らせ

題 目
Determination of crystal structures based on powder diffraction data
講 師
Prof.L.A.Aslanov (International Uniuon of Crystallography 副会長, Department of Chemistry, Moscow State University)
日 時
2004年12月9日(木)11:00〜12:00
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

 A major advance in recent years has occurred in the determination of crystal structures ab initio from powder diffraction data. Two approaches for determination of molecular crystal structures will be discussed and compared: simulated annealing and grid search which were developed by V.V.Chernyshev in laboratory of Structural Chemistry of Moscow University in close collaboration with Prof.H.Schenk (Amsterdam). A few examples will be considered including unexpected molecular structure of 2,4-dinitro-N-phenyl-6(phenylazo)-benzamide and related compounds. Spectroscopic methods produced incorrect starting model of molecular structure for mentioned compound but grid search built a real molecular structure. It was found that solution of the crystal structure depends on grid increment and grid search is more reliable than simulated annealing.

 

(04-21) のお知らせ

題 目
円偏光スイッチングを用いた磁気円二色性測定
講 師
室 隆桂之氏(高輝度光科学研究センター)
日 時
2004年11月30日(火)10:00〜
場 所
PF研究棟2F会議室
講演要旨

 SPring-8の軟X線ビームラインBL25SUにおける円偏光スイッチングを
利用した測定を、磁気円二色性を中心に紹介する。測定は、
"Twin helical undulators"によって交流的に反転される円偏光に
同期して行なわれる。昨年4月から1Hzスイッチングの共用がスタートし、
安定した利用実験が行われている。最近可能となった10Hzスイッチングを
用いた測定についても報告する。

 

(04-22) のお知らせ

題 目
新規ユビキチン結合タンパクと廃用性筋萎縮
講 師
渡辺 研 先生(国立長寿医療センター研究所 運動器疾患研究部)
日 時
2004年11月26日(金)14:30〜15:30
場 所
物構研 構造生物実験準備棟会議室
講演要旨

寝たきりなどの長期臥床や宇宙滞在では、筋肉や骨などの骨格系で廃用性の萎縮が起こることが知られている。我々は骨代謝研究の中で機能未知Znフィンガータンパクを同定し、その分子機能を調べるため、相互作用分子を検索したところ、ユビキチンおよびプロテアソームと結合ないし複合体形成をすることを見いだした。この新規ユビキチン結合タンパクは、炎症性サイトカインなどで発現誘導され、また、骨吸収を担う破骨細胞の分化過程や筋萎縮誘導時においても発現が上昇することがわかった。このタンパクの遺伝子変異マウスを作製し、生体での役割について検討を加え、この新規ユビキチン結合タンパクと廃用性筋萎縮に関する知見について解説したいと思います。

 

(04-20) のお知らせ

題 目
Femto-Second Studies of the Metal-Insulator Transition
講 師
Dr. Andrea Cavalleri(Materials Sciences Division, Lawrence Berkeley National Laboratory, U.S.A.)
日 時
2004年11月22日(月)14:00〜15:30
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

 Dr. Cavalleri investigates time-resolved analysis of phase transition and related phenomena along with the development of the ultra-fast optical measurements and structural analysis. For examples, the propagation of the strain wave generated in GaAs crystals by laser irradiation was analyzed by means of the x-ray diffraction having the time-resolution of within 10 psec; the photo-induced insulator-to-metal transition in VO2 was examined with the reflection spectra and x-ray diffraction with the time-resolution of within 100 fsec. The European Science Foundation awarded him the first" European Young Investigator Award". In the occasion of his visiting to Japan, we will have his lecture, in which the techniques having more superior time-resolution will be described.

 

(04-19) のお知らせ

題 目
円偏光スイッチングによる生体分子のVUV・SX自然円二色性の研究
講 師
中川和道教授(神戸大学 発達科学部)
日 時
2004年11月15日(月)13:30〜14:30
場 所
放射光研究棟2階会議室
講演要旨

 アミノ酸蒸着膜の自然円二色性NCDを、軟X線領域で測定することに成功した。SPring-8 BL23SUのヘリカル・アンジュレーターを用いて左右円偏光を0.1 Hzで、機械的にスイッチングし,ドレイン電流法で統計処理を加味した測定手法を用い、窒素K殻領域(408eV付近)と酸素K殻領域(540eV付近)とで測定を行った。                           右旋性アミノ酸のCDは左旋性フアミノ酸のCDと絶対値(吸収極大の0.2 %程度)が等しく、符号が反対であり、ラセミ体はCDを示さないことが分かった。実験で得られたCDピークのエネルギー位置は、AgrenグループによるE1M1機構にもとづく計算結果とは、完全には一致しなかった。Goulonらは硬X線領域の金属錯体のCDをE1E2機構で説明しており,軟X線でのCDの起源はまだ明らかでない。                          我々はまた、VUV領域でのNCD検出を、産総研つくばのTERASにおいて試みてきた。小貫型の直交遅延磁場型アンジュレーターを用いて、左右円偏光を機械的に3Hzでスイッチングし、ロック・イン・アンプで信号を読み出した。 測定の最短波長は現在130nmまで記録更新され、100nmを目指して鋭意前進中である。 TERASでの経験からは、アンジュレーターの周期数が大きくない方が分光には適しているとの感触が得られている。このあたりの経験についても議論したい。

(04-18) のお知らせ

題 目
Diffraction physics with polarized x-rays:Recent developments and current challenges
講 師
Dr. C. Detlefs (European Synchrotron Radiation Facility, Grenoble )
日 時
2004年11月4日(木)10:00〜11:00
場 所
放射光研究棟2階会議室
講演要旨

Although linear polarization analysis of the diffracted x-ray beam has become a routine method, especially in magnetic x-ray scattering, experimental conditions are still far away from perfection. This is even more true for the use of x-ray phase plates, which may be employed to change the polarization of the incident beam.
 This talk will discuss recent developments on the technical, experimental and theoretical side, and it will outline the remaining challenges that need to be addressed in the near future. To show an example where x-ray diffraction with polarization analysis significantly improved our understanding of a sample, I will present our recent results on NpO2.


(04-16) のお知らせ

題 目
「新しい構造解析手法」
講 師
坂田 誠 教授(名古屋大学大学院工学研究科応用物理学専攻)
日 時
2004年10月29日(金)14:00〜16:00
場 所
放射光研究棟2階会議室
講演要旨

位相問題にしろ構造の精密化にしろ、結晶構造解析で出会う多くの問題は、基本的に逆問題とみなすことが出来る。逆問題に対するアプローチとしては、仮説演繹法(構造解析では最小自乗法として広く採用されている。)以外にも、幾つかの方法がある。我々の研究室では、マキシマム・エントロピー法(MEM)と遺伝的アルゴリズム(GA)に着目して、結晶構造解析の新たな可能性を追求している。講演では、実際の応用に重点を置き、将来の可能性についても触れてみたい。


(04-17) のお知らせ

題 目
「Effect of light irradiation on ferromagnetism and photoinduced spin dynamics
in III-V-based ferromagnetic semiconductors」
講 師
大岩 顕氏(科学技術振興機構 さきがけ 専任研究員)
日 時
2004年10月22日(金)14:00〜15:00
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

The photoinduced magnetism in hole-mediated ferromagnetic semiconductors have given us the opportunities to study spin manipulation by light, incorporating spin dynamics and non-linear effects for developing the future spin devices. Magnetization rotation has been demonstrated without an external magnetic field in (Ga,Mn), by controlling the hole spins though the chirality of light polarization and the p-d exchange interaction [1,2]. Successively, the studies on the dynamics of photoinduced magnetization rotation have been performed by measuring the time-resolved polar Kerr rotation. Surprisingly the magnetization rotation takes place instantaneously at the optical excitation. This inferrs us the possibility to realize the ultra-fast magnetization reversal beyond the classical precessional rotation. The rotated Mn spins relax within about 100 ps. On the other hand, in the time domain longer than 100 ps, a precession of Mn spins was observed. This precession is initiated by an increase in hole concentration, which results in the change in magnetic anisotropy. Consequently the effective magnetic field due to the change in magnetic anisotropy causes torque on Mn spins. This is first demonstration of photoinduced magnetization precession driven by photo-generated carriers.

[1] A. Oiwa et al., Phys. Rev. Lett. 88, 137202 (2002).
[2] Y. Mitsumori et al., Phys. Rev. B 69, 033203 (2004).

 

(04-13) のお知らせ

題 目
「分子軌道トモグラフィー」〜高強度超短パルスレーザーによる気相分子の動的イメージング〜
講 師
板谷 治郎氏(科学技術振興機構 腰原非平衡ダイナミクスプロジェクト 研究員)
日 時
2004年9月27日(月)14:00〜15:00
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

近年の高強度超短パルスレーザー技術の進展により、高次高調波と呼ばれる真空紫外から軟X線領域にわたる広帯域でコヒーレントな超短パルス光を発生できるようになっています。高次高調波は、可視域のレーザー光では到達できないアト秒領域の超短パルス光源として、近年目覚ましい進歩を遂げています。その一方で、高次高調波は豊富な測定可能な物理量(スペクトル分解された強度・位相・偏光)をもっており、そのスペクトルを精密に測定することにより、原子や分子の電子状態に関して多くの知見を得ることが期待できます。
 今回の講演では、高次高調波のスペクトルから分子軌道を再構築する手法「分子軌道トモグラフィー」についてお話しします。高次高調波は、自由電子と束縛電子の波動関数のコヒーレントな重ね合わせによって、振動する双極子が誘起される過程によって発生します。興味深いことに、この振動双極子のスペクトルは、束縛電子の波動関数を空間的に射影したものと等価な情報を持っています。したがって、少しずつ異なった角度に配向した分子から高次高調波を発生させると、束縛状態の電子の波動関数の任意方向への射影が得られます。これは実は、断層画像撮影(Computed Tomography, CT)で行われている測定と数学的に等価であり、CTで用いられているアルゴリズムを適用することによって、分子内電子の波動関数の三次元形状を再構築できます。この手法の特徴は、分子軌道の形状をサブ・オングストロームの空間分解能かつサブ・フェムト秒の時間分解能で測定できることにあります。また、電子と光とのコヒーレントな関係に基づいているため、波動関数内の相対的な位相も原理的には測定可能であり、将来的には分子内での波動関数の流れを可視化する道を拓くことも期待できます。講演者らがカナダNRCにおいてN2分子を用いて行った実験の結果を交えて、強光子場中での光と電子とのコヒーレンスに関する最新の話題を提供したいと思います。

 

(04-14) のお知らせ

題 目
8の字アンジュレータ
講 師
田中隆次氏(SPring-8、理化学研究所X線超放射物理学研究室)
日 時
2004年9月22日(水)13:30〜14:30
場 所
放射光研究棟2階会議室
講演要旨

SPring-8BL27SUには「8の字アンジュレータ」と呼ばれる挿入光源が設置されている。これはある周期の垂直磁場と、その倍の水平磁場をある位相で組み合わせることにより、鉛直面に投影された電子軌道が8の字を描くようにしたものである。特徴としては、 (1)通常のアンジュレータに比べて軸上熱負荷が小さいのにも拘らず、同程度のフラックスが得られる、(2)高次光の次数により垂直・水平の直線偏光を使い分けることができる、(3)パワーの空間分布が非対称になる、などが挙げられる。本講演では、8の字アンジュレータの原理・長所・短所、及び既設8の字アンジュレータの性能・特徴などについて詳しく解説する。また、今後の改善点などについても述べる予定である。

 

(04-15) のお知らせ

題 目
SPring-8・BL27SU軟X線光化学ビームライン建設噺
講 師
大橋治彦氏((財)高輝度光科学研究センター ビームライン技術部門)
日 時
2004年9月22日(水)15:10〜16:10
場 所
放射光研究棟2階会議室
講演要旨

10年ほど前、新しい8GeVリングで軟X線、しかも直線偏光を使いたいと熱望するユーザがいました。高エネルギーリングでは光学素子上の熱負荷の点で軟X線直線偏光ビームラインは実現困難とされていましたが、この願いを叶える挿入光源として "Figure-8 undulator" が考案され、1998年に軟X線光化学ビームラインBL27SUは産声を上げました。初めて軟X線ビームライン建設に携わることになった若手スタッフは右往左往しながらも、多くの方々の支援を受けて、何とかBL27SUを立ち上げることができました。建設当初の様子を失敗談や当時の映像を交えつつ、ご紹介したいと存じます。また現在のBL27SUのパフォーマンスや、現在、新たに建設している4本目の軟X線専用ビームラインについても、簡単に触れることができればと考えております。

(04-12) のお知らせ

題 目
Watching proteins function with 150-picosecond time-resolved X-ray crystallography
講 師
Dr. Philip A. Anfinrud ( Laboratory of Chemical Physics/NIDDK, National Institutes of Health, USA )
日 時
2004年9月6日(月)13:30〜14:30
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

Proteins are engaged in a myriad of tasks that are essential to life. These tasks are carried out with exquisite selectivity and efficiency, the likes of which are extremely difficult to duplicate in artificial model systems. To gain a mechanistic understanding into how proteins execute their designed function, it is crucial to know how their structures evolve over time. We have developed the method of pico-second time-resolved macromolecular crystallography on the ID09B beam-line at the European Synchrotron and Radiation Facility, and used this technique to determine protein structures with 150-ps time resolution and < 2-? spatial resolution. We used myoglobin (Mb), a ligand-binding heme protein found in muscle, as a model system for probing protein-mediated ligand migration. In these experiments, pico-second laser pulses triggered CO dissociation from Mb and time- delayed X-ray pulses took "snapshots" of the protein structure. A series of snapshots were stitched together into a movie to unveil in atomic detail the correlated conformational changes that influence the rates and pathways of ligand migration. We studied both wild-type and the L29F mutant [1] of Mb. This mutation enhances the oxygen binding affinity by about an order of magnitude, and slows its rate of auto-oxidation by a comparable amount [2]. Moreover, it accelerates the expulsion of toxic CO from the primary docking site by nearly 3 orders of magnitude. A side-by-side comparison of wild-type and L29F structural dynamics unveils the origins for the dramatically different CO migration dynamics.

References
[1] - F. Schotte, M. Lim, T.A. Jackson, A.V. Smirnov, J. Soman, J.S. Olson, G.N. Phillips, Jr., M. Wulff, and P.A. Anfinrud, Science, 300, 1944 (2003).
[2] - T. E Carver, R. E Brantley, Jr., E. W. Singleton, R. M. Arduini, M. L. Quillin, G. N. Phillips, Jr., J. S. Olson, J. Biol. Chem. 267, 14443 (1992).

 

(04-10) のお知らせ

題 目
植物が創った太陽電池:光合成系の分子構築,機能,およびコヒーレント制御
講 師
橋本 秀樹氏(大阪市立大 大学院理学研究科 物理)
日 時
2004年7月23日(金)10:00〜11:00
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

光合成系は生命が38億年もの歳月をかけ,自然選択と言う圧力のもとで様々な試行錯誤
を繰り返した結果創成された,地球上における最高の光エネルギー変換機関です.実際に
光合成反応では,捕らえた光エネルギーを用いて太陽光発電を行っており,その意味から,
光合成系は自然が創造した太陽電池であると考えることができます.光合成反応の機能発
現には,蛋白質と言う反応場の中でクロロフィル(葉緑素)やカロテノイド(カロチン色
素)と言った,特定の環構造および共役鎖長を有した共役ポリエン化合物(光合成色素)
が空間的に規則正しく配列した,いわゆる超分子複合体が関係しています.生体による光
操作技術と言う観点から眺めた場合、この色素蛋白質超分子複合体は生命維持の目的のた
めに最適化されたバイオ・ナノ・デバイスと呼ぶことが提案されます.
 今回の講演では,光合成光アンテナ捕集系および光反応中心複合体の分子構築と機能,
さらには人為的に色素構造を改変し蛋白系に再構築した人工の色素蛋白超分子複合体の創
成とその単結晶X線構造解析について,講演者の研究成果も交えながら話題提供したいと
思います.10フェムト秒を切る超高速過渡吸収分光を適用することにより初めて見えた,
カロテノイドの中間励起状態の発見[1]に関する話題や,チャープ制御したフェムト秒パル
スを用いた光合成反応のコヒーレント制御に関する最新の話題を提供したいと思います.

[1] G. Cerullo, D. Polli, G. Lanzani, S. De Silvestri, H. Hashimoto, and R. J. Cogdell, Science 298,
  2395-2398 (2002).

 

(04-11) のお知らせ

題 目
Dynein and kinesin share an overlapping microtubule binding site
講 師
水野直子研究員(University of Texas Southwestern Medical Center)
日 時
2004年7月21日(水)9:00〜
場 所
構造生物実験準備棟、会議室
講演要旨

Dyneins and kinesins move in opposite directions on microtubules. The question of how the same track, microtubules are able to support movement in two directions remains unanswered due to the absence of details on dynein-microtubule interactions. To address this issue, we studied dynein-microtubule interactions using the tip of the microtubule-binding stalk, the dynein stalk head (DSH), which directly interacts with microtubules upon receiving conformational change from the ATPase domain. Biochemical and cryo-electron microscopic studies revealed that DSH bound to tubulin dimers with a periodicity of 80 %・corresponding to the step size of dyneins. The DSH molecule was observed as a globular corn grain-like shape that bound the same region as kinesin. Biochemical cross-linking experiments and image analyses of the DSH-kinesin headmicrotubule complex revealed competition between DSH and the kinesin head for microtubule binding. Our results demonstrate that dynein and kinesin share an overlapping microtubule binding site, and imply that binding at this site has an essential role for these motor proteins.

 

(04-09) のお知らせ

題 目
BSRF: The status, the upgrading and the research in the structure of proteins
講 師

Dong Yuhui教授(Beijing Synchrotron Radiation Facility, Institute of High Energy Physics)

日 時
2004年6月4日(金)13:30〜14:30
場 所
研究棟2階会議室
講演要旨

 Beijing synchrotron radiation facility (BSRF) started in operation in 1990. After the upgrading completed in 2003, totally 13 beamlines are provided to the users. The research fields cover physics, chemistry, electronic, materials, geo-science, biology and medical application. Now Beijing electron positron collider (BEPC) will upgrade to BEPCII, while BSRF will also improve. The research in the structure of protein in BSRF began right after the construction of the biological macromolecule crystallography beamline 3W1A. Besides the crystallography, other beamlines, such as XAFS (1W1A), SAXS(4B9B) and VUV-CD (3B1) also involved. More than 20 protein structures were determined and some research in the structure-function relationship of proteins are launched. 

(04-08) のお知らせ

題 目
Mesh計算によるCSRの解析
講 師

吾郷智紀氏(加速器研究施設、加速器理論グループ)

日 時
2004年5月20日(木)13:30〜
場 所
研究棟2階会議室
講演要旨

 CSRの初歩から始め、具体的な計算方法について講演する。FELやERLなどshort bunchの加速器では偏向磁石におけるCSR(Coherent Synchrotron Radiation)の影響が懸念される。   CSRによりbunch内に不均一なエネルギー変化が生じ、energyの広がりやemittanceの増加を引き起こす。真空パイプがない場合など、単純なモデルについては解析解が存在するが、現実的な計算は数値計算に頼らざるを得ない。
 本研究では真空パイプを考慮に入れたCSRの数値計算の手法を紹介する。Frequency domain において近軸光線近似を施したMaxwell 方程式を真空パイプの境界条件のもとに数値的に解くことで、CSRによるエネルギー変化を得ることができることを示す。ここでは真空パイプの断面積の形状は四角形で計算しているが、この手法は任意の形状の断面をもつパイプに適用できる。 

(04-07) のお知らせ

題 目
リソソーム性多酵素複合体とその欠損症における分子病態解析
講 師

伊藤孝司氏
(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 薬科学教育部附属医薬資源教育研究センター
 創薬生命工学(環境生物工学)分野)  

日 時
2004年5月18日(火)14:30〜15:30
場 所
構造生物実験準備棟会議室
講演要旨

 リソソーム病は、リソソーム酵素と総称される加水分解酵素やその補助因子の遺伝子変異が原因で酵素活性が欠損し、生体内基質の過剰蓄積と多様な臨床症状を伴って発症する遺伝性代謝異常症である。数種のリソソーム酵素は、相互に多酵素複合体を形成し協調的に分解代謝に関与しているが、各酵素の遺伝子変異が酵素間相互作用に影響し、疾患の臨床型の多様性を生み出す要因にもなっている。
 本セミナーでは、リソソーム内で糖鎖分解酵素複合体を構成するNeuraminidase-1, b-GalactosidaseおよびProtective protein/cathepsin Aと各々の遺伝的欠損症を取り上げ、これまで同定した遺伝子変異に基く発現産物の分子病態と臨床型との相関についての研究成果を紹介する。

(04-06) のお知らせ

題 目
Control of Lattice Dynamics by Femtosecond Coherent Anti-Stokes Raman Scattering
講 師
高橋淳一氏 (JSR CREST研究員、千歳科学技術大学)
日 時
2004年4月9日(金) 14:00〜15:00
場 所
物構研4号館2階輪講室1
講演要旨

Coherent anti-Stokes Raman Scattering (CARS)は2本の異なるエネルギーを持つ光 を試料に入射し、両者のエネルギー差に対応した素励起を共鳴励起することで、高強 度のラマン信号を発生させるものであり、レーザーが開発された初期の時代から代表 的な非線形コヒーレント光学分光手法として広く研究が行われてきた。近年、高強度 レーザーの進展はめざましいものがあり、CARSもまた、単に系中の素励起をプローブ するだけにとどまらず、より積極的に、大振幅のコヒーレント振動を発生し、系のマ クロなダイナミクスを変化させることで、新規な非線形光学現象を発生させるのに用 いることができる。我々はOPAから発生するシグナル光、アイドラー光を用いたフェ ムト秒CARSにより、固体のCARS分光を行ってきた。本セミナーでは以下の3つの話題 について述べる。

1.Multi-Step Coherent anti-Stokes Raman Scattering
入射励起光のエネルギー差をフォノン周波数に共鳴させるとフォノン高調波が
効率的に発生することを見出した。
2.Commensurate excitation of impulsive phonons
入射励起光のエネルギー差がフォノン周波数の整数倍の場合、フォノンとは非
共鳴であるにもかかわらず、フォノン高調波が効率的に発生することを見出した。
3.Phonon Parametric Amplification
SrTiO3は全てのフォノンがラマン禁制であり、ラマンスペクトルは2フォノン
の和ないし差で構成される。この系においてフェムト秒CARSを行うと、2フォノンバ ンドに対応したCARS信号の代わりに1フォノンに対応した信号が得られた。これは2フ ォノン状態からパラメトリック増幅により1フォノンが生成されたことを示してい る。また、ラマン禁制なフォノンに対応した信号が観測されたのは系に動的な対称性 の破れが発生し選択則が変わったためであると考えている。

 

(04-05) のお知らせ

題 目
SESAME, Synchrotron radiation for Experimental Science and Application for the Middle East
講 師
Professor Mahmoud Al-Kofahi(Al-Balqa Applied University, Jordan)
日 時
2004年3月18日(木) 16:00〜17:00
場 所
放射光研究棟2階会議室
講演要旨

The SynchrotronLight for Experimental Science and Application in the Middle East (SESAME) was established in 2001 under the auspices of UNESCO as an international scientific project to enhance science and its technological applications, and to promote peace in the Middle East region. It will have as it centerpiece a synchrotron light source originating from BESSY I, given as a gift by Germany. The upgraded machine, a 3rd generation 2.5 GeV machine, light source with an emittance of 25 nm.rad and 13 places for insertion devices, will provide light from the far infra-red to X-rays up to 20 keV energy and beyond. As of January 2004, the founding members of SESAME are: Bahrain, Egypt, Iran, Israel, Jordan, Pakistan, Palestinian Authority, Turkey and United Arab Emirates. The facility is located in Allan, Jordan, about 30 km North-West of Amman. Jordan is providing the site and funds for the construction of a new building on which the construction began in July 2003


(04-03) のお知らせ

題 目
Photoemission Electron Microscopy: PEEM and other tools to image catalytic surface reactions
講 師
Prof. Dr. Harm Hinrich Rotermund(Fritz-Haber-Institut der Max-Planck-Gesellschaft)
日 時
2004年3月4日(木) 11:00〜
場 所
物構研放射光研究棟2階会議室
講演要旨
This talk focuses on imaging of dynamic processes on surfaces, using light to illuminate the area of interest. The main emphasis will be on pattern formation during CO-oxidation on Pt surfaces. The most recent imaging techniques, mainly Ellipso-Microscopy for Surface Imaging (EMSI), based on an ellipsometry effect, and Reflection Anisotropy Microscopy (RAM) using different reflectivity properties of non-isotropic surfaces, expand the range of observable pressure conditions formerly only accessible by the Photoemission Electron Microscope (PEEM) by many orders of magnitude, thus bridging the pressure gap in imaging surface reactions. The underlying contrast mechanism of EMSI and RAM in comparison to that of a PEEM will be discussed.
Simple surface reactions like the CO-oxidation on single crystal Pt surfaces show a rich variety of pattern formation under specific reaction parameters. For a certain range of those control parameters, which are the partial pressures of the reactants and the temperature of the sample, self organization in form of pattern formation like spiral waves, target patterns, solitary waves and standing waves including chaotic behavior can be observed. These patterns have been successfully modeled using numerical simulations for the underlying reaction diffusion equations.
The interaction of a multitude of micrometer scale concentration waves and fronts on the surface complicate our understanding the underlying mechanisms for such pattern. Several ways of experimentally controlling these patterns, e. g. by micro-designed composite surfaces, or by impressing a feed back controlled locally varying temperature field onto the surface, will be discussed. Experiments with modified catalytic activity using stationary, inactive boundaries have therefore been designed to isolate individual features (for example single pulses) and interaction mechanisms in order to study them quantitatively [1]. Recently we have been able to dynamically change the surface catalytic activity in real time and space by focusing an addressable laser beam to differentially heat a Pt(110) single crystal surface [2]. Video sequences will demonstrate the great richness of spatio-temporal pattern formation during heterogeneously catalyzed surface reactions [3].

[1] M. Pollmann, H. H. Rotermund, G. Ertl, X. Li, and I. G. Kevrekidis, Phys. Rev. Lett. 86, 6038 (2001).
[2] J. Wolff, A. G. Papathanasiou, I. G. Kevrekidis, H. H. Rotermund, G. Ertl, Science 294, 134-137 (2001).
[3] J. Wolff, A. G. Papathanasiou, H. H. Rotermund, G. Ertl, X. Li, I. G. Kevrekidis, J. Cat. 216, 246, (2003)


(04-04) のお知らせ

題 目
物質構造科学の原点:鉱物標本展示会
講 師
田中雅彦氏(物質科学第二研究系)
日 時
2004年2月27日(金) 13:30〜(標本展示は、午前10〜午後5時)
場 所
物構研放射光研究棟2階206号室
講演要旨

天然に産する美麗な鉱物の結晶は古くから人間の目を引き興味を掻き立ててきました。なぜその美しい結晶の形が生成するのか?その理由を考察することが、構造物性、地球科学などの構造物質科学の源流のひとつとなったといっても差し支えないでしょう。
 田中が収集した天然鉱物の結晶標本の展示を行うとともに短いお話をさせていただきたいと思います。とは言いましてもそんなに系統的に集めている標本でもありませんのできれいに筋道だった話は難しいかと思いますが、「地球・惑星を構成する珪酸塩の結晶」にテーマを絞って実際の結晶試料をご覧に入れながらお話しようかと思います。
 科学的に最先端のお話ではありませんが、地球の主要構成物質である珪酸塩鉱物がどこにどのような形で存在するか(どんな風に採取するかも含めて)結晶構造にも触れながらをお話したいと思います。
結晶標本を眺めながら楽しんで聞いてもらえればと思います。

(04-02) のお知らせ

題 目
The Cornell ERL Project
講 師
Prof. Georg Hoffstaetter (Cornell University)
日 時
2004年2月18日(水) 14:00〜15:30
場 所
4号館1階セミナーホール
講演要旨
Synchrotron light sources based on Energy Recovery Linacs (ERLs) show promise to deliver X-ray beams with both brilliance and X-ray pulse duration superior to the values that can be achieved with storage ring technology. Cornell University, in collaboration with Jefferson Laboratory, has proposed the construction of a prototype ERL. This 100MeV, 100mA CW superconducting electron accelerator will be used to study and resolve the many accelerator physics and technology issues of this type of machine. Furthermore, a study that incorporates Cornell's CESR e+/e- ring into a 5 GeV ERL X-ray facility is under development. Such a facility is planed to be formally proposed after success of the prototype ERL.

 

(04-01) のお知らせ

題 目
Protein Structure-Function Analyses; The Road from Prediction to Confirmation
講 師
Prof. Zehra Sayers(Sabanci University, Faculty of Engineering and Natural Sciences)
日 時
2004年1月16日(金) 16:30〜18:00
場 所
物構研構造生物実験準備棟会議室
講演要旨
Understanding structure-function relationships provide insights for fundamental processes in biological systems, indicate directions for designing new molecules and engineering modifications. Methods for experimental structure determination and protein structure modeling have been rapidly developing over the last decade allowing prediction of structure-function relationships. We have been involved in structural analyses of low molecular weight metal binding proteins metallothioneins (MTs) with a view of developing new metal tolerance and metal scavanging systems in plants.
MTs are small, cystein rich proteins present in a wide range of organisms including fungi, plants and mammalian systems. Although the main function of this protein family is not yet known, they appear to be involved in heavy metal detoxification, and zinc and/or copper regulation.
A new MT gene sequence has been identified in Triticum durum (pasta wheat) genomic DNA, Analyses of the gene structure and the sequence of the putative protein indicate that T. durum MT (dMT) can be classified as a Type 1 MT with typical cystein rich motifs in N-and C-termini. dMT was overexpressed in E.coli as a GST fusion and in the presence of the fusion protein bacteria showed increased tolerance to Cd in the growth medium when compared with controls expressing only GST. Recombinant GST-dMT and dMT were biochemically characterized, and in parallel the 3-D structure of dMT was modeled using bioinformatics tools. Results indicate a high structural similarity with the mammalian MT-1 protein for the metal centers and the long hinge region connecting the metal centers, modeled separately, appears to be where possible protein-protein and/or protein-DNA interaction sites are located. These results are discussed in the light of small angle solution X-ray scattering measurements and possible function(s) MT in plants.

(03-21) のお知らせ

題 目
Present Status and Future Prospects of Shanghai Synchrotron Radiation Source
講 師
Prof. Xu Hongjie(Institute of Shanghai of Applied Physics 所長)
日 時
2003年12月22日(月) 13:30〜15:00
場 所
PF研究棟2F会議室
講演要旨
Xu Hongjie氏は、Institute of Shanghai of Applied Physics (旧 Shanghai Institute of Nuclear Research) のdirectorであり、上海放射光計画推進 の責任者として、上海放射光施設の実現に努力されています。
 最近、国内外の数名の方々から上海の計画を中国政府が認める(認めた)らしいとい う話を聞きました。Xu氏に直接確かめたところ、まだ正式に認められてはいないが、今月(12月)にも正式認可される 可能性が極めて高いとのことでした。
 今回、日本学術振興会の日中拠点大学交流事業のプログラムの一環として、Xu所長が KEKを訪問されるこの機会に、上海放射光計画の現状と将来についての紹介していただきます。

 

(03-19) のお知らせ

題 目
誘電応答関数、振動子強度スペクトル、散乱因子など━物性の一つの見方
講 師
井口道生氏(アルゴンヌ国立研究所名誉主任研究員)
日 時
2003年11月19日(水) 15:00〜
場 所
放射光実験準備棟2階輪講室
講演要旨

ある決まった物質について、あらゆる振動数の光、すなわちあらゆるエネルギ−の光子との相互作用を総合的に論じるのは、物性の一つの見方である。ただし、光の強度は充分に弱いとし、双極子相互作用を最低次の摂動で扱えばよいとする。単位の外部電場によって物質のなかに誘起される電気分極を含む電束密度を誘電応答という。電磁波の角振動数ωの関数としてε(ω)と書く。あるいは対応する光子のエネルギ− E = hw の関数と見てもよい。この関数は、実のωの値に対してでも、複素数値をとる。実部は光の分散、屈折を表わす。虚部は光の吸収の強さを表すもので、基底状態にある物質では正のωの値に対して正の値をとり、光吸収断面積、あるいは振動子強度スペクトル、散乱因子などと本質的に同じ量である。
 上のような基礎理論は古くから知れている。しかし、個々の物質に関するデ−タの検討と解釈は、30年位前に始まり、現在の問題でもある。放射光を利用して、赤外から可視、紫外、遠紫外、そしてx 線に亙る全領域のスペクトル、そのほか様々の物理量をを測ることができるようになった。さらに高速の電子のエネルギ−損失の分析も密接に関連した情報を与える。こうして得られたデ−タの検討と解釈には、分散式、総和則、その他の一般的な理論的な結果を利用するのが、有効である。
 デ−タ分析の例としては、金属アルミニウム、固体ケイ素、液体の水などがある。物質の密度の低い極限では、個々の原子、分子の性質をを考えることになる。さらに、固体の中の色中心、不純物などの点欠陥や液体のなかの溶媒和電子などについても、同じような取り扱いができる。

 

(03-16) のお知らせ

題 目
Time-Resolved Diffraction with Electron or X-ray Beam
講 師
Dr. Hyotcherl Ihee (Department of Chemistry, Korea Advanced Institute of Science and Technology)
日 時
2003年11月18日(火) 13:30〜14:30
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

I review and compare various time-resolved diffraction techniques, and discuss the general advantages of diffraction over spectroscopy in the study of structural dynamics in chemical and biological systems. Diffraction experiments can be distinguished by whether electron or x-ray is used and whether Bragg scattering or diffuse scattering is detected. The advantages and limitations of each diffraction experiment are discussed in light of atomic resolution, time resolution, practicality, the size of accessible molecules, and the phase of sample. Most time-resolved diffraction studies have been conducted by using x-rays rather than electrons, while most time-resolved electron diffraction has been so far confined to small molecules in gas phase or a thin film of simple metal. The feasibility of two new classes of experiments will be discussed: 1) time-resolved x-ray diffuse scattering (SAXS/WAXS) or powder diffraction on macromolecules and 2) the use of relativistic electrons for time-resolved electron diffraction. The first is to overcome the fact that routine production of well-diffracting crystals is the pre-requisite and bottleneck for time-resolved macromolecular crystallography. The second is to extend the applicability of electron diffraction beyond small molecules in gas phase and to achieve femtosecond time resolution.

 

(03-20) のお知らせ

題 目
An insight into ADP/ATP translocation :The structure of mitochondrial ADP/ATP carrier at 2.2 resolution
講 師
Eva Pebay-Peyroula 氏
(Institut de Biologie Structurale, Grenoble)
日 時
2003年11月13日(木) 14:00〜
場 所
物構研構造生物実験準備棟会議室
講演要旨

Specific transport through the inner mitochondrial membrane is achieved by carriers which form a large transport family: MCF for mitochondrial carrier family. The exchange of ADP and ATP is of particular significance, as may be illustrated by the fact that human beings daily consume their own weight of ATP. Therefore, regeneration of ATP in mitochondria needs an efficient machinery able to import ADP and to export ATP. This transport is achieved by a membrane protein, the ADP/ATP carrier. We have solved the bovine carrier structure at a resolution of 2.2 by X-ray crystallography in complex with an inhibitor, carboxyatractyloside. The structure consists of six a-helices that form a compact transmembrane domain. At the surface oriented towards the space between inner and outer mitochondrial membranes, the protein has a deep depression. The RRRMMM motif, the signature of nucleotide carriers, is located at the bottom of the pit, and spans over the thinnest part of the protein. In combination with earlier biochemical results and our structure we suggest that transport substrates bind to the bottom of the cavity and that translocation results from a transient transition from a 'pit' to a 'channel' conformation.

 

(03-14) のお知らせ

題 目
MMX錯体と電荷移動錯体の光誘起相転移におけるコヒーレンス
講 師
米満 賢治氏(分子科学研究所理論研究系 助教授)
日 時
2003年11月11日(火) 13:30〜14:30
場 所
物構研4号館2階輪講室1
講演要旨

光照射により相転移を起こし、平衡条件では実現しにくい状態を創ったり、相転移中の集団運動の様子が詳細に調べられたりするようになってきた。ここでは擬1次元電子格子系の最近の話題に関連し、コヒーレンスが転移を記述するときに重要な概念になると思われる例について、我々が行った理論研究を紹介する。
 ハロゲン架橋の複核白金錯体では電荷密度分布と格子変位の異なる電子相が存在し、構成要素や圧力の変化、光照射により転移する。パイエルス・ハバードモデルを使い、電子間斥力と電子格子相互作用の競合により基底状態と光励起状態の多様性を生むことを示す。光照射により電荷密度波相から電荷分極相へは転移しやすいのに対し、逆は起こりにくい。これを光励起状態やコヒーレンス回復力の違いから説明する。交互積層型の電荷移動錯体であるTTF-CAは降温で中性相から強誘電的なイオン性相に転移する。光誘起イオン性中性相転移が以前から知られており、転移に必要な光密度に有限な値(閾値)があることや、集団的な相境界運動が実験で観測されている。これらを拡張パイエルス・ハバードモデルで再現し、光照射によるイオン性相からの転移と中性相からの転移がいかに異なるかを説明する。コヒーレンスを制御することにより、平衡条件では常温高圧下で現れる常誘電的なイオン性相を低温常圧下で実現しうることを示す。


 

(03-15) のお知らせ

題 目
XAS at the ESRF: Activities on BM29 and ID24
講 師
Dr. Sakura. Pascarelli ( ESRF )
日 時
2003年11月7日(金) 15:00〜16:00
場 所
放射光研究棟2階会議室
講演要旨

I will introduce the two EXAFS beam lines of the X-ray Absorption and Magnetic Scattering Group, BM29 and ID24.
A large portion of beam time on these two beam lines is dedicated to XAS studies in extreme conditions. I will show some recent results in this field. In particular, I will focus on a study on the pressure dependence of ion hydration in aqueous solutions performed on BM29 using a Paris Edinburgh Press and on a study of the evolution of the electronic structure and of the intramolecular distances in solid halogens as a function of pressure, performed on ID24 using a Diamond Anvil Cell.
Another important field of application of ID24 is dedicated to in-situ studies on heterogeneous catalysts. I will show an example of "in-situ" time resolved XAS study devoted to elucidate the correlation between the activity and selectivity of the catalyst and the structural modifications around the metal center.

 

(03-17) のお知らせ

題 目
セラミド選別輸送分子装置
講 師
花田賢太郎氏(国立感染症研究所・細胞化学部)
日 時
2003年11月5日(水) 13:30〜14:30
場 所
構造生物実験準備棟会議室
講演要旨

脂質の生合成と選別輸送は、膜生合成に不可欠の細胞機能である。しかし、細胞内脂質選別輸送の分子機構はどのタイプの脂質分子に関してもほとんど全く不明のままである。主要膜リン脂質の一つであるスフィンゴミエリン(SM)の生合成では、小胞体で合成されたセラミドがゴルジ体に移行してSMへと変換される。われわれは、セラミドの細胞内輸送が欠損したCHO細胞変異株(LY-A株)を分離・解析し、「小胞体-ゴルジ体間セラミド輸送の主経路はATPおよび細胞質依存性である」ことなどを明らかにしてきた。そして、LY-A株を相補する因子を機能的回復cDNA探索法によって同定した。CERTと命名した本遺伝子産物は、約70 kDaの細胞質タンパク質であり、1) Pleckstrin homology (PH)ドメイン、2) おそらく小胞体との相互作用に関わるドメイン、3) 脂質転移を司ると推測されるSTARTドメインという三つのドメインから形成されている。精製組み替え体を用いた解析などから、このSTARTドメインはセラミドを脂質膜から特異的に引き抜き、膜間転移させる活性を持つことを明らかにした。また、CERTのPHドメインは、ホスファチジルイノシトール4リン酸を認識してゴルジ体にターゲットする活性を有するが、LY-A細胞由来のCERTは、PHドメイン中にミスセンス変異が起こり、ゴルジ体ターゲット機能が損なわれていた。これらの結果から、タンパク質の選別輸送形式である小胞輸送機構とは全く異なる形式でセラミドの選別輸送は行われていることを提唱している。

 

(03-18) のお知らせ

題 目
X-ray absorption, X-Ray Magnetic circular dichroism and molecular magnetism
講 師
Emeritus professor M. Verdaguer(Chimie Inorganique et Materiaux Moleculaires, Unite CNRS 7071 Universite Pierre et Marie Curie, Paris)
日 時
2003年11月5日(水) 13:30〜
場 所
物構研4号館2階輪講室1
講演要旨

The lecture first defines molecular magnetism, a scientific discipline which conceives, designs, synthesizes, characterizes and uses molecular magnetic materials with new but predictable magnetic properties.
Then the lecture points out how X-ray absorption spectroscopy, thanks to its specificity (chemical selectivity, orbital selectivity and no constraints on the state of the samples) can be useful to solve problems in molecular magnetism and in particular in bimetallic molecular assemblies : (i) local structure (EXAFS at K edge) ; (ii) local electronic structure of the absorber and nature of the chemical bonding(K and L2,3 edges) ; (iii) local magnetic properties of the absorber (XMCD at K and L2,3).
The lecture uses examples chosen in the chemistry of bimetallic Prussian blue analogues (room-temperature vanadium-chromium magnets and photomagnetic cobalt-iron analogues), high spin molecules (CrNi6 and  CrMn6) and cobalt-iron magnetic magnetic nanowires.

(03-12) のお知らせ

題 目
グリコサミノグリカン糖鎖の生合成と機能発現
講 師
菅原一幸氏(神戸薬科大学・薬学部・教授)
日 時
2003年10月24日(金)14:00〜15:00
場 所
構造生物実験準備棟会議室
講演要旨

プロテオグリカンは線虫、ハエなどから哺乳動物に至るまで普遍的に分布し、また、ほとんどすべての組織に発現し、個体発生や形態形成に重要な分子である。特に、その糖鎖部分であるグリコサミノグリカン(GAG)鎖が機能発現に必須で、種々の増殖因子や形態形成因子との特異的相互作用がそれらの分子のシグナル伝達を調節していると考えられている。遺伝病や遺伝子撹乱によってGAG鎖の生合成に異常を来たすと、形態形成異常、発ガン、発生や発達に異常が起り、シグナル伝達の撹乱の結果と思われる。
 我々は、こうした重要な機能をもつグリコサミノグリカン鎖の機能とその機能発現の基本となる生合成のメカニズムを解析してきた。最近、我々はこれまで報告されてきたヘパラン硫酸以外に、ある種のコンドロイチン硫酸にも種々のヘパリン結合性増殖因子との特異的相互作用を見い出し、シグナル伝達の調節の可能性を指摘している。また、これまで中枢神経系で神経軸索伸長の阻害因子として認識されていたコンドロイチン硫酸が、その構造によっては神経突起伸長促進活性をもつことを見い出した。一方、ヘパラン硫酸とコンドロイチン硫酸の機能発現の調節に深く関与する生合成のメカニズムについても、これらの糖鎖のこれまで不明であった重合のメカニズムに関する新たな知見を得た。ここでは、GAGのこうした機能(1-3)と生合成のメカニズム(4-6)に関する最近の知見を論じる。
参考文献:
(1) Mizuguchi et al. (2003) Nature, 423, 443-448.
(2) Sugahara et al. Curr. Opin. Struct. Biol. (2003) in press.
(3) Hikino et al. J. Biol. Chem. (2003) in press.
(4) Sugahara and Kitagawa (2003) IUBMB Life, 54, 163-175.
(5) Kitagawa et al. (2003) J. Biol. Chem., 278, 23666-23671.
(6) Kim et al. (2003) J. Biol. Chem., 278, 41618-41623.

 

(03-13) のお知らせ

題 目
非平衡ダイナミクス分野開拓を目指して
講 師
腰原伸也氏(東工大学大学院理工学研究科物質科学専攻教授、 KEK物構研客員教授)
日 時
2003年10月24日(金)15:30〜17:00
場 所
物構研放射光研究棟2階会議室
講演要旨

我々は高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所と共同で、「非平衡ダイナミクス」分野の研究を本年度より推進しようとしています。本分野は「固体内の電子状態や磁気的(スピン)状態さらにはその空間分布が、結晶のメゾスコピックな動的構造変化(非平衡状態)と強く結合した材料(非平衡強相関材料)を用いて、既存材料にはない新規な光電的機能の可能性を開拓すること」
を目的としており、その物質開拓のために必要な原子レベルの動的構造観測技術(分子動画技術)の開発を行うことが重要なテーマとなっています。この研究の中で高エネルギー加速器研究機構のPF-ARは、上記技術開発と物質開拓を行うための主要な研究拠点となる予定です。セミナーでは、本研究分野がどのようなサイエンスを目指しているのかについて紹介させていただきます。

 

(03-11) のお知らせ

題 目
X-ray Non-Reciprocal Directional Dichroism and X-ray Non-Reciprocal Diffraction
講 師
有馬孝尚氏(筑波大学物質工学系助教授) 
日 時
2003年9月18日(木)10:00〜12:00
場 所
物構研4号館2階輪講室1
講演要旨

In a magnet without the space inversion symmetry, a novel magneto-optical effect has been predicted; optical constants could be modulated by the reversal of propagation direction of an electromagnetic wave. We have recently succeeded to detect the x-ray 'non-reciprocal directional dichroism' in a polar magnet GaFeO3 at around Fe K edge at BL-1A of Photon Factory.
The x-ray dichroism is ascribed to the k-dependent term of atomic anomalous scattering factors. The k-dependent atomic scattering factor should also appear in x-ray diffraction process, even if the system would have the inversion symmetry. I will also give some preliminary results on the possible x-ray 'non-reciprocal' diffraction.  (Japanese will be used in the seminar.)


(03-10) のお知らせ

題 目
結晶構造に基づくRalA-Sec5相互作用の解析
講 師
深井周也氏
(東京工業大学大学院生命理工学研究科生命情報専攻)
日 時
2003年8月20日(水)15:30〜16:30
場 所
構造生物実験準備棟会議室
講演要旨

 Sec6/8複合体は,Sec3, 5, 6 , 8, 10, 15, Exo70,84から構成される八量体のタンパク質複合体である.開口放出の際に,小胞が原形質膜と融合する部位を制御することによって,細胞の極性の形成に関与している.具体的には,小胞膜と原形質膜との融合が実際に始まる前の段階で,小胞と原形質膜とを緩く繋ぎ留める(tethering)働きを担っていると考えられている.Sec6/8複合体は,Sec5サブユニットを介して,smallGタンパク質のRalとGTP依存的に相互作用する.Ralとの相互作用は,上皮細胞における上皮成長因子受容体の輸送、および繊維芽細胞でのfilopodiaの形成に関係することが報告されている.2.1Å分解能で決定したRalAとSec5のRal結合ドメインとの複合体の結晶構造と,その構造に基づいて行ったIsothermal titration calorimetryを使った相互作用の解析の結果を発表する.

 

(03-09) のお知らせ

題 目
X-ray Absorption Spectroscopy: From Biology to Archaeology
講 師
Prof. Farideh Jalilehvand(University of Calgary, Calgary, Canada)
日 時
2003年5月29日(木)15:30〜16:30
場 所
物構研4号館2階輪講室1
講演要旨
Synchrotron-based X-ray absorption spectroscopy (XAS) is an element specific, non-destructive technique revealing the local structure around an absorbing atom, even in low concentration. The X-ray absorption near edge structure (XANES) provides information on the oxidation state, electronic configuration and bonding of the absorber, and has recently been explored for speciation in natural samples of some environmentally important elements, such as sulfur. The extended X-ray absorption fine structure (EXAFS) yields bond distances, type and number of coordinating atoms.
For modeling the active site in the sulfite oxidase family of enzymes, three Mo(V,VI) monodithiolene complexes were characterized by XAS methods. By comparing with XANES and EXAFS data of chicken sulfite oxidase, the Mo(VI) complex, [MoO2(SC6H2-2,4,6,Pri3)(bdt)]1- (bdt= benzene-1,2-dithiolate), was found to be an accurate structural analogue of the oxidized site of this enzyme.
Sulfur speciation is essential to connect the effects of sour gas exposure to the sulfur metabolism in plants. Analyses of sulfur XANES spectra of fresh, intact plant leaves from several locations in California and near a sour gas source in Alberta, show different types of sulfur species, from cysteine -SH groups to sulfate, in the leaves.
 Sulfur XANES was also used to find the origin of a severe conservation problem for wooden marine-archaeological artifacts, first expressed as sulfate salt formation on soft wood for the 17th century Swedish shipwreck Vasa in the Vasa Museum, Stockholm. We could conclude that a large amount of sulfur had accumulated in reduced forms, mostly elemental sulfur, and was being oxidized to sulfuric acid in the moist wood, causing wood deterioration.1

1 M. Sandstroem, F. Jalilehvand, I. Persson, U. Gelius, P. Frank and I. Hall-Roth, Nature 2002, 415, 893-897.

 

(03-08) のお知らせ

題 目
Fe-57核共鳴準弾性散乱を用いた鉄錯体のダイナミクス
講 師
春木理恵氏(物構研、日本学術振興会特別研究員)
日 時
2003年5月8日(木)15:00〜16:00
場 所
放射光科学研究施設研究棟2階会議室
講演要旨
放射光核共鳴準弾性散乱における拡散運動の取り扱いについて議論し、陽イオン交換膜Nafion中にドープされた鉄(II)イオンの放射光核共鳴準弾性散乱測定を行った。放射光核共鳴準弾性散乱とは、原子の運動を伴った放射光核共鳴励起過程によるものであり、近年の放射光技術の発達により可能となってきた。本研究ではNafion中に側鎖として存在するスルホン基に囲まれた領域に閉じ込められた鉄イオンのダイナミクスを調べることを目的とした。Nafion中の鉄イオンのダイナミクスは、260Kまではメスバウアー分光によって確かめられているが、応用上重要な室温での測定は無反跳分率が極端に下がるため不可能であり、これまで測定されていない。それに対して放射光核共鳴散乱では測定対象の温度に制限はなく、室温での測定も可能である。測定された核共鳴散乱スペクトルの解析には、無限大のポテンシャルの壁を持つ球形の領域内で拡散運動を行う粒子というモデルを考え、この粒子による核共鳴吸収の表式を調べた。その結果、球ポテンシャルの半径がある一定値以上では、核共鳴散乱スペクトルに対する壁の影響は考慮しなくてよいことが判明した。その一定値は、Fe-57の第一励起状態では約2Åとなる。一方、これまでの実験結果によると、ここで用いたNafionの試料における球形の領域の半径は、5 Å程度であると推定されている。したがって、Nafionの場合の壁の影響を無視することができ、鉄イオンが自由な拡散運動をしているとして取り扱うことができることが予想された。実験の結果、室温でのNafion中の鉄(II)イオンは溶液中の鉄イオンと同程度に自由に拡散していることが判明した。さらに詳しい解析のために、短い時間領域での拡散運動が核共鳴散乱スペクトルにどのような影響を与えるかを調べた。拡散運動を表すのに一般的に用いられている拡散方程式は、長い時間領域での近似式であり、短い時間領域での拡散運動を正しく記述することは出来ない。これに対して、ランジュバン方程式は拡散する粒子の運動を、長い時間領域においてだけでなく、短い時間領域においても拡散運動の固有時間というパラメータを用いて正しく記述することが出来る。したがって、この方程式から導かれた解を利用して、Nafion中の鉄イオンの核共鳴散乱スペクトルを詳しく解析した。その結果、通常の拡散方程式の解を用いた場合のフィットに比べて、スペクトルの裾の部分でのフィットに改善が見られた。この解析より、Nafion中の鉄イオンの拡散運動の固有時間が求められた。また、このときの拡散係数は普通の拡散方程式を用いた場合と比較して15%ほど大きい値となった。これらの結果から、核共鳴散乱スペクトルにおいて詳細な議論を重ねていくことで、短い時間領域における粒子の拡散運動を解明することが出来ることが明らかになった。また他の溶液中の鉄錯体に対する核共鳴散乱の応用についても紹介する。

 

(03-07) のお知らせ

題 目
二連光パルスによる量子波束のアト秒位相制御
講 師
佐藤幸紀氏(東北大名誉教授)
日 時
2003年4月25日(金)15:00〜16:00
場 所
放射光科学研究施設研究棟2階会議室
講演要旨
光による量子波束のコヒーレント制御は、光電場の位相に同期させて物質波(量子波束)の波としての位相を操作する技術である。二連のレーザーパルスで生成した二つの量子波束の干渉の結果を、パルス間の遅延時間の関数として観測する手法、即ちWavepacket Interferometory(WPI)は、コヒーレント制御の最も基本的な手法であり、量子波束を構成する固有状態の確率密度が光電場の位相に同期して変動するRamsey干渉が観測される。本研究では、二連の同様な紫外線レーザーパルス(時間幅300フェムト秒、中心波長254.3nm)を用いて、HgAr分子の電子励起状態(A状態)に生成する二つの核波束の遅延時間(相対位相)を約10アト秒の精度で操作することにより、ほぼ100%に近い変調コントラストを有するRamsey干渉を観測した。また、波束干渉のシミュレーション計算によって、分子に書き込まれる波束モードが遅延時間に依存して著しく変化する様子を視覚化した。Ramsey干渉に関しては、二つの量子波束の干渉と見る視点(Time-domain picture)と光干渉の結果を分子の光遷移というスペクトルフィルターで見ているとする視点(Frequency-domain picture)とがあり、両視点の関係についても議論する。更にこの二連光パルス制御が、波束の量子回転ゲート或いは位相シフタとして機能するかどうかについても議論する。

 

(03-06) のお知らせ

題 目
低線量放射線生物影響研究のためのマイクロビーム細胞照射装置の開発
講 師
小林克己氏(物構研 物質科学第二研究系)
日 時
2003年4月22日(火)13:30〜14:30
場 所
物構研 4号館2階 輪講室1
講演要旨
低線量放射線の生物影響の理解は社会的な要請となっている。放射線のエネルギーは荷電粒子の運動エネルギーとなって最終的には細胞中の分子に与えられる。細胞に対する線量は通過する荷電粒子の数と考えることが出来る。低線量になると細胞を通過する粒子の数が少なくなるので、個々の細胞がうける粒子トラックの数、即ち放射線量は均一ではなく、ポアソン分布の特徴を顕著に示す様になる。細胞集団の平均として細胞あたり1トラックの線量を受けたとき、全くトラックが通過していない細胞は全体の37%になる。平均線量がこれ以下になると、トラックが通過した細胞に対して通過していない細胞が圧倒的に多くなる。このような低線量状況下で細胞集団の応答を観測していたのでは、低線量放射線の生物作用のメカニズムを解明することは出来ない。放射線照射された細胞とされてない細胞を明確に区別して、それぞれの生物応答を調べる必要がある。このような動機から、米国および英国では粒子放射線を用いて、細胞を個別に認識してそれぞれに決まった線量の放射線を照射する装置(マイクロビーム照射装置)が開発され、少しずつ報告が出始めている。それによると、照射された細胞の近傍にいる、照射されていない細胞にも放射線の効果が顕れることが明らかになった(Bystander 効果)。このような現象はマイクロビーム細胞照射装置によってのみ調べられる。われわれは、通常の環境ではアルファ線よりもガンマ線などの光子放射線(それによる二次電子)にさらされる機会の方が多いということに着目し、低線量光子放射線の生物効果を調べるために放射光X線マイクロビームによる細胞照射装置の開発を提案し、一昨年には所長留置、昨年からは科研費で製作を開始した。その装置の概要と最初のデータを紹介する。

 

(03-05) のお知らせ

題 目
X-ray Detector Development at the Swiss Light Source (SLS) 
講 師
Prof.Eric.F.Eikenberry
  ( Swiss Light Source, Paul Scherrer Institute )
日 時
2003年4月15日(火)15:00〜17:00
場 所
放射光科学研究施設研究棟2階会議室
講演要旨
An important application of synchrotron light is determining the structure of large molecules by x-ray crystallography. The intensity and collimation of 3rd generation sources are steadily improving the quality of x-ray diffraction data, and leading to the solution of ever more difficult structures. However, recording these data optimally places increasingly severe demands on the x- ray detector. Storage phosphors, and more recently CCD detectors, have been widely used for macromolecular crystallography, but their limitations in speed and data quality have become apparent. To address these limitations, a large area all-silicon single-photon counting pixel detector is being developed at the SLS. The detector is of modular design, with the final detector having at least 2k x 2k pixels covering an area of ca. 40 x 40 cm . More than 12 modules have been constructed, each consisting of an 80 x 34 mm monolithic silicon sensor with a 2 x 8 array of custom CMOS readout chips bump-bonded to it. The readout chips have a 44 x 78 array of 217 x 217 m pixels each with a 15-bit counter. Experiments with protein crystals carried out at the SLS demonstrated the suitability of a prototype detector for demanding experiments in which the fine phi-sliced mode of data collection is used. To improve the yield, speed and dynamic range of the detector, the readout chip has been redesigned in a 0.25 m CMOS process. Preliminary tests of this chip show that it works well and should be able to count up to 10 x-rays/s/pixel.

 


題 目
Present status of the Shanghai Synchrotron Radiation Facility
(SSRF)
講 師
Prof. Xia Shaojian, SSRF, Shanghai
日 時
2003年3月24日(木)15:00〜16:30
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨
後日掲載予定。

(03-03) のお知らせ

題 目
X線パルス・セレクターによる分周されたX線パルス列の生成とサブ・ナノ秒分解X線回折実験の現状
講 師
足立伸一氏 (理研播磨研究所)
日 時
2003年2月26日(水) 15:00〜16:00
場 所
物構研 4号館2F輪講室1
講演要旨
高速回転するメカニカル・シャッターを利用して、蓄積リング中の1個の電子バンチから得られる放射光を切り出す試みは1980年代から行なわれてきた(1)。近年ESRFとJuelich研究センターが共同開発したメカニカル・シャッター(X線パルス・セレクター)は蓄積リングのRF信号を基準クロックとして回転し、バンチ間隔が数百ナノ秒以上あいている条件で、約1kHzに分周されたX線パルス列を安定に取り出すことができる(2)。セミナーでは、昨年Spring-8に導入したX線パルス・セレクターの動作テストの結果と、それを用いたサブ・ナノ秒分解X線回折実験の現状について紹介する。

(1) LeGrand et al. (1989) Nucl. Instr. and Meth. A275, 442.
(2) Wulff et al. (1997) Nucl. Instr. and Meth. A398, 69.

 

(03-02) のお知らせ

題 目
時間分解型X線回折と今後の展開
講 師
弘中陽一郎氏 (東京工業大学応用セラミックス研究所助手)
日 時
2003年2月19日(水) 11:00〜12:30
場 所
物構研 4号館2F輪講室1
講演要旨
フェムト秒TWレーザーを用いたレーザー誘起X線源を利用して行ったポンプ・プローブ型の時間分解X線回折実験の結果を示すと共に、時間分解型X線回折実験の課題と今後の展開について述べる。時間分解型X線回折によりどのようなデータが得られるかを半導体の光吸収過程を〜50psで捕らえたデータを基に述べ、さらに結晶の高圧相転移研究への展開について述べる。

 

放射光セミナー (03-01) のお知らせ

題 目
シアリダーゼ異常とシグナリング障害
講 師
宮城妙子氏(宮城県がんセンター、生化学部長)
日 時
2003年2月5日(水) 14:00〜15:00(多少変更の可能性あり。)
場 所
物構研、構造生物実験準備棟会議室
講演要旨
 細胞の増殖、分化、がん化に際して、糖鎖結合シアル酸量が鋭敏に変化する。シアル酸量調節の大切な一端を担っているシアリダーゼの研究を通じて、この酵素が細胞の分化やがん化に深く関わっていることが明らかになってきた。とくに、形質膜に局在するシアリダーゼについては、各種のヒトがんで、異常に高発現しており、アポトーシスの抑制に関わっている こと、トランスジェニックマウスにインスリン抵抗性糖尿病の発症が見られることなどがわかってきた。
 本講演では、形質膜シアリダーゼの発現異常とそのシグナリング障害への関与機構について考察したい。

 

放射光セミナー (02-23) のお知らせ

題 目 プラズマX線レーザーによる散乱実験 −スペックル、パラメトリック散乱など−
講 師 並河一道氏(東京学芸大学教育学部教授)
日 時 2002年12月19日(木) 14:00〜15:30
場 所 物構研放射光研究棟2階会議室
講演要旨 日本原子力研究所の光量子科学研究センターでは、レーザー・プラズマから X線レーザーの放射をSASEモードで実現している。このX線レーザーの発生の原理を簡単に紹介し、ビームの特徴を、放射光、ERLと比較する。その特徴を生かした利用研究の例として、最近の、スペックルによる誘電体分域構造に関する実験と継続中の可視レーザー光で誘導されるパラメトリック散乱の実験を紹介する。

 

放射光セミナー(02-22) のお知らせ

題 目 Ultra-fast photo-induced phase transformation in TTF-CA by time-resolved X-ray diffraction
講 師 Doctress Marie-Helene Lemee-Cailleau
日 時 2002年12月16日(月) 14:00〜16:00
場 所 物構研4号館2階輪講室1
講演要旨 The emergence of ultra-fast X-ray diffraction paves the way for direct structural investigation of the nature of photo-induced phase transformation. Thus, it is now possible to record complete diffraction patterns with appropriate time resolution using the pulse structure of synchrotron sources, giving an outstanding opportunity to directly observe the photo-induced structural changes and symmetry breaking. In that frame, we will present the structural evidence of the photo-induced phase transformation in molecular charge-transfer insulating materials from a neutral paraelectric phase to a metastable ionic one, on the 100 picosecond time-scale. The X-ray diffraction data show that light directly triggers a self-organized ferroelectric long-range order. This observation provides a new way for optically coherent control of phase transition. In addition this gives new directions in the use of ultra-fast time-resolved crystallography,
in particular with the development of femto-second X-ray sources which will make possible the study of precursor phenomena, such as coherent phonons and nano-domain formation.


放射光セミナー(02-20) のお知らせ

題 目 超高速X線非線形分光の理論
講 師 田中 智氏(大阪府立大学総合科学部助教授)
日 時 2002年12月13日(金)15:00〜16:00
場 所 物構研4号館2階輪講室1
講演要旨  最近の超短X線パルス発生実験技術の進歩により、パルス幅はアト秒領域に達している。すでに、時間分解X線回折や時間分解EXAFSの実験がなされ、可視光レーザー・パルスにより誘起された分子構造・結晶構造の時間変化が観測されている。更なるX線の短パルス化、コヒーレンスの向上、強度の向上により、超高速X線非線形分光の分野が切り開かれようとしている。可視光レーザー・パルスと比較して、X線パルスが原理的にはそのパルス幅を3桁も短くできるのに加えて、X線エネルギーを特定原子に共鳴することで選択的に原子を励起できるサイト選択性を利用すれば、1分子内での電子(または励起子)の原子間移動の様相を実時間スナップ・ショットとして観測することができる。可視光領域における超高速分光法により、コヒーレント振動波束が観測されているが、X線を用いることにより、アト秒オーダーで運動するコヒーレントな電子波束を直接観測することができる。さらに、X線パルスを使ったquantum  controlにより、分子内での電子波束の制御も夢ではない。
 これまでX線領域における非線形分光の定式化がなされていなかったが、我々は最近非線形応答関数による一般的定式化を行ったので、それを紹介した後、具体的な計算例として、ニトロ・アニリン分子のX線ポンプ・プローブ分光、1次元分子の時間分解共鳴X線発光スペクトル、コヒーレントX線ラマン散乱分光を紹介し、この新しい分光法が分子内電子(励起)移動を調べるための有力なプローブとなることを明らかにする。

放射光セミナー(02-21) のお知らせ

題 目 不安定状態の時分割構造解析の現状
講 師 大橋裕二(東京工業大学理工学研究科物質科学専攻 教授)
日 時 12月4日(水)16:00〜17:00
場 所 放射光実験準備棟2階輪講室
講演要旨  最近、放射光源を利用して分子の励起状態を含む不安定な状態の構造を解析する手段が開発されてきた。とくにレーザー光で励起直後の結晶に放射光のパルスX線を同期させて時分割測定が行われ、ピコ秒オーダーの解析例が報告されている。一方、新しい検出器の開発により測定時間を飛躍的に短縮して、ミリ秒からマイクロ秒オーダーの構造解析を目指す研究が進められている。放射光の強力な光源とフォトンカウンティグの新たな検出器MSGCとの組み合わせが有望である。この2つの方向の現状を紹介し、今後の放射光利用の方向を提案したい。

 

放射光セミナー(02-16) のお知らせ

題 目 Some Aspects of the SR Investigations for Industry, Biology and Medicine in the Kurchatov Synchrotron
講 師 Vladimir .G. Stankevich 教授
(ロシア国クリチャトフ研究所放射光施設長)
日 時 2002年12月3日(火)13:30〜14:30
場 所 物構研4号館2階輪講室1
講演要旨 The Kurchatov Synchrotron radiation Center consist of two storage rings with energy 2.5 and 0.45 GeV . The scientific program for 2002-2004 is giving priorities to material science, medicine and technology. The program and  examples of the SR investigation new materials, radiation damage of constructional materials, microscope element analysis of the dehydrated bio-liquids for medical diagnostics, and deep X - ray lithography are presented.

放射光セミナー(02-19) のお知らせ

題 目 「ERLとFELのコヒーレンス−有用な「コヒーレンス」と無用な「コヒーレンス」の区別と使い分け−」
講 師 宮原恒あき氏(東京都立大学大学院理学研究科教授)
日 時 2002年11月22日(金)16:00〜18:00
場 所 放射光研究棟2階会議室
講演要旨 「コヒーレンス」は、通常、単色性を前提とした上で1次空間コヒーレンスについて語られることが多い。しかし「短パルス」を問題にすると、本来6次元位相空間で定義された光子の素性が顔を出す。すなわち、空間の4次元と(周波数、時間)の2次元がデカップルできる近似が成立しなくなる。そもそも、1電子の放射を考える と偏向電磁石からの放射はアンジュレータ放射よりはるかに短パルスである。すなわち電場の時間依存性は、正(符号は逆にもとれるが)の鋭いピークとともに、その前後に負の長いテールを引く構造を持つ。この鋭いピークと比較するとアンジュレータからの1電子による光は、数100倍から数1000倍も長くなるのが普通である。
 多数の電子がバンチとして集団をなす場合は、それぞれの電子がつくる場の干渉性が問題になり、それがFELとERLの差異をもたらす。一方、光子統計は2次以上のコヒーレンスに関するから独立な概念であり、非常に強力(ボーズ縮重度が大きい)な光であるにもかかわらず、全くのカオス光である場合も存在する。
 また原理的な問題として、種々のコヒーレンスは、観測次第で多様に見えることも明らかにする。また、そうであるがゆえに、個々の実験的研究において、コヒーレンスを変調する過程(分光器はそもそもコヒーレンスを変形する)が、装置だけでなく、物性の中にも存在する事を示す。更に、どのようなコヒーレンスが有効に利用でき整合性がとれるのか、また、逆にどのようなコヒーレンスが実験とミスマッチをおこして有効に利用できないかについても論ずる。

放射光セミナー(02-18) のお知らせ

題 目 その場光電子分光と光電子顕微鏡による磁性材料の研究
講 師 小野寛太氏( 物構研 物質科学第一研究系 )
日 時 2002年11月13日(水)15:30〜16:30
場 所 物構研4号館2階輪講室1
講演要旨 我々は、次世代の高密度磁気記録媒体への応用を視野に入れて、磁性材料の研究を行っている。ナノ・スケールになった磁性体の研究を行うために、放射光光電子分光装置と分子線エピタキシー装置、レーザMBE装置とを超高真空中で接続した”その場光電子分光”装置の開発を行い、ハーフ・メタリック強磁性体の研究を行った。また、ナノ・スケール磁性体の磁区構造を観察・制御するために、光電子顕微鏡による磁区観察とマイクロ磁気シミュレーションによる解析を行ったので報告する。

 

放射光セミナー (02-17) のお知らせ

題 目 ESRFの磁気散乱グループ(ID20)の現状
講 師 Dr. Luigi PAOLASINI ( ESRF, France )
日 時 2002年11月8日(金)14:00〜15:00
場 所 放射光研究棟2階会議室
講演要旨  The beam-line ID20 is optimized for the study of electronic and magnetic properties of solids, in particular magnetic, charge and orbital ordering. The versatility of this beam- line makes it unique in the conception and implementation of new ideas for experiments.
 The very recent developments in coherent magnetic scattering, orbital ordering and magnetic surface experiments by the scientists of this beam-line are just a few examples. A new experimental hutch with a second diffractometer designed to support a 10T super-conducting split-coil cryomagnet will be available for user experiments in 2004.

 

放射光セミナー (02-15) のお知らせ (開催時間並びに開催場所が変更になりました。)

題 目 Production and application of hard x-ray nanometer beams
講 師 Dr. Stefanno Lagomarsino
(Istituto di Fotonica e Nanotecnologie − CNR, Roma,Italy )
日 時 2002年10月21日(月)14:00〜15:00
場 所 PF研究棟2F会議室
講演要旨 X-ray wave guides are optical elements for hard x-rays capable to produce x-ray beams below 100 nm with a gain (in one dimension) of the order of 100. The basic principle is a resonance effect which takes place in a three-layer structure under grazing incidence conditions. The outgoing beam is coherent and allows phase contrast microscopy and micro-diffraction with high spatial resolution. In the seminar the basic principle will be illustrated together with few applications. In particular will be presented strain measurements with high spatial resolution in materials for microelectronics and structural characterization of biomaterials.

放射光セミナー (02-12) のお知らせ

題 目 「放射光粉末法による精密構造物性の研究」
講 師 高田昌樹氏(名古屋大学大学院工学研究科)
日 時 2002年9月24日(火) 15:00〜16:00
場 所 物構研4号館2階輪講室1
要旨

近年、新しい超伝導体MgB2をはじめ、ナノテクノロジーのキー・マテリア ルであるフラーレン関連物質、巨大磁気抵抗効果を示す強相関係物質等、様々な新奇構造及び物性を示す物質の創製が盛んに行われている。それらの物質科学研究の基盤 をなすものとして、“物質の物性と関連した構造”を明らかにする構造物性の研究の役割は、その物質の示す新奇な物性の起源を明らかにするだけでなく、さらに新たな性質を持つ物質創生を展開していく上で、重要である。その様な構造研究の手法の中 で、X線粉末回折法は、X線結晶構造解析の基盤技術として、多くの研究者によって利用されてきた。近年では、高温超伝導体の構造解析に代表されるように、リートベル ト法等の解析ソフトの発達に伴い、物質科学、特に新物質創生の研究において、その重要性はますます増している。そして、放射光の登場により、実験室系とは比べものにならない高い角度分解能と、強い強度が実現され、粉末回折法による電子密度レベ ルでの精密な構造物性研究という新しい構造研究の展開が生まれつつある。
我々は、新奇物質の物性と構造の精緻な関係を明らかにするためには、単なる原子配列としての構造情報だけではなく、原子の結合形態の情報を含む物質の電子の分布までの精密な構造情報が必要と考え、物性と関連した電子密度レベルでの精密構造の研 究、すなわち「精密構造物性」の研究のための実験および解析手法の開発を行ってき た。解析手法としては、マキシマムエントロピー法(MEM)を用いた電子密度解析法 を1995年にMEM/Rietveld 法1)という粉末X線回折データを用いる新しい精密構造解析 法に発展させ、金属内包フラーレンの構造解析に世界で初めて成功した1)。その後、 MEM/Rietveld法により放射光粉末回折データからフラーレン、ゼオライト化合物、特異な結合形態を示す金属間化合物、軌道整列を起こしたマンガン酸化物等の様々な物 質の電子密度レベルの構造を明らかにし、この方法が、精密構造物性の研究に、非常に強力な手段であることを示してきた2)。そして、これらの研究を通して、放射光を用いた粉末回折法が、物質の精密構造情報を提供できる強力な手段であることを示し た。講演では、金属内包フラーレン、マンガン酸化物、超伝導体MgB2等の他、水素吸 蔵金属、集積型錯体ネットワーク物質の最近の研究成果を含めて、放射光粉末回折デー タを用いた精密構造物性の研究の一端を紹介する。


1)M.Takata,et al., Nature 377 (1995) 46;M.Takata, E.Nishibori, M.Sakata, Z.
Kristallogr. 216 (2001) 71
2)M.Takata, et al., Phys. Rev. Lett., 78 (1997) 3330; E. Nishibori,,et
al.,Chem. Phys. Lett., 298(1998)79;
K.Hasegawa, et al., Jap. J.Appl. Phys. 38 (1999) 65; M.Takata, et al.,J.
Phys.Soc.Jpn Letters., 68 (1999) 2190;
M.Fujimori, et al.,Phys.Rev.Lett. 82(1999)4452; M.Takata,et al., Phys. Rev.
Lett. 83 (1999) 2214;
K. Kirihara, et al.,Phys. Rev. Lett. 85 (2000) 3468., C.-R.Wang, et
al.,Nature, 408 (2000) 426.
C.-R.Wang, et al., Angew. Chem. Int. Ed. 40(2001)397, E.Nishibori et al. ,
Angew. Chem. Int. Ed. 40(2001)2998.
E.Nishibori et al. , J. Phys.Soc.Jpn Letters.,70 (2001) 2252.

 

放射光セミナー (02-14) のお知らせ

題 目 「低次元電子格子系の光誘起構造相転移における 非線形性と巨視的振動現象」
講 師 岩野 薫(物構研)
日 時 2002年9月18日(水) 13:30〜
場 所 PF研究棟2階会議室
要旨

最近PF将来計画に関係して「光誘起相転移」が関心を集めている。本講演ではその具体例(ポリジアセチレン、TTF-CA、スピンクロスオーバー錯体など)についてごく簡単なレヴューを行い、どういったところにサイエンティフィックな興味があるかを論じるとともに、筆者自身の理論的研究(内容は題目の通り)をお話ししたい。
なお、「非線形性」とは吸収光子数に対して光誘起相の割合が非線形(しきい値特性も含める)に増大することを意味し、本現象が本質的にcooperative phenomenaであることを示す。

放射光セミナー (02-13) のお知らせ

題 目 「次世代光源とX線光学素子」
講 師 平野馨一氏(物構研)
日 時 2002年9月13日(金) 13:30〜
場 所 PF研究棟2階会議室
要旨

現在、世界各地で次世代X線光源の計画が進められており、PFでもERL(Energy Recovery Linac:エネルギー回収型線形加速器)に特長を持たせた蓄積リングとの複合計画が検討されています。これらの次世代光源には、低エミッタンス、高輝度、高コヒーレンス、短パルスといった優れた特徴があり、ビームラインのX線光学素子にはこれらの特徴を損なわないものが最低限要求されます。検討すべき課題は、(1)熱負荷対策、(2)コヒーレンス保存、(3)パルスの伝搬特性・制御など多岐に#h0213わたりますが、講演では基礎的な事柄に話を絞り、全体を概観する予定です。

放射光セミナー (02-10) のお知らせ

題 目 「微小管のモーター・タンパク質ダイニンの運動機構」
講 師 豊島陽子氏(東京大学大学院総合文化研究科 助教授)
日 時 2002年8月29日(木) 14:30〜15:30
場 所 構造生物実験棟会議室
要旨 ダイニンはキネシンと同じく微小管上を動く分子モーターであるが、ミオシンと構造的に類縁関係のあるキネシンとは異なり、AAA ATPase モチーフを6つもつ、巨大なタンパク質である。我々は、再構成運動系においてダイニンの運動を観察することを中心に、1分子の運動計測や、機能ドメインの限定などを行っている。ダイニン分子の運動特性や、サブドメインの構造と機能などについて紹介したい。

放射光セミナー (02-11) のお知らせ

題 目 「世界の放射光将来計画−PFII検討世話人会での話題より」
講 師 岩住俊明氏(物構研)
日 時 2002年8月28日(水) 13:30〜
場 所 放射光研究棟2階会議室
要旨 次世代X線光源として検討が進んでいるSASE-FEL・ERL・MARSとは何か、得られる光の特徴は何か、既存光源とは何が違うのか、そのような光源の実現により可能となる新しいサイエンスは何かなどについてPFII世話人会で話題になったことを紹介します。また、現在機構全体の将来計画としてどのような案が出ているのか、それらとPFの将来計画との関連・位置付けはどうなっているのかなどについても触れる予定です。

放射光セミナー (02-09)のお知らせ


題目 「Complete spectra in double photoionisation: a new technique and early results」
講師  Prof. John H.D. Eland  (Physical and theoretical chemistry laboratory, Oxford University)
日時 2002年6月25日(火) 13:30〜14:30
場所 物構研放射光研究棟2階会議室


要旨
  To get a complete view of the process in which a single photon ejects two valence electrons from an atom or molecule, it is necessary to detect and measure the two photoelectrons from each event in coincidence. This can now be accomplished by a new two-electron time-of-flight technique based on the development of a pulsed vuv lamp and a long magnetic bottle electron energy analyser. The electrons are gathered from essentially the whole solid angle of ejection without any angular or energy discrimination. For a full physical view of the process the angles of electron ejection should also be measured, which is not possible at this stage, but from the point of view of spectra the experiment is complete.

放射光セミナー (02-08) のお知らせ


 題目 「パラレル機構を用いた三次元座標測定機」
 講師 平木雅彦氏(物質科学第二研究系)
 日時 2002年5月17日(金) 13:30〜14:30
 場所 物構研放射光研究棟2階会議室


要旨
工業製品の複雑化, 高精度化に伴い, 「短時間」で「複雑な形状」を「高精度」に測定する必要性が生じている. そこで, 計算機と測定機を組み合わせて,三次元形状を有する機械部品の測定を行う三次元座標測定機が開発されている.現在多く用いられている三次元座標測定機は, 測定機を構成している部品の重さによるたわみ・ねじれなどの影響を抑えるために大きく重くなる傾向にあり, 可動部の慣性力も非常に大きなものとなるため測定時間を短縮することは困難となる.以上のような三次元座標測定機は, 産業用マニピュレータのように各アクチュエータが直列に繋がっている リアル機構に相当する.一方, 複数のアクチュエータが並列にエンドエフェクタに繋がっているパラレル機構は, エンドエフェクタを全てのアクチュエータで支持する機構であり,負荷が各アクチュエータに分散されるため剛性が高く,また, 可動部の慣性を小さくできるため高速な運動が可能となる.我々は, 三次元座標測定機に応用するためにパラレル機構の測定精度向上の研究を行っており, これまでに試作したパラレル機構, 測定精度向上のための校正および実験結果について発表する.

 

放射光セミナー (02-07) のお知らせ


 題目 「リソソームへ! 〜細胞内物質分解を制御するメンブレン・トラフィック〜 」
 講師 吉森 保氏(国立遺伝学研究所 細胞遺伝研究部門 教授) 
 日時 2002年4月26日(金) 13:30〜14:30
 場所 物構研構造生物学実験棟 セミナー室


要旨
 リソソームは、細胞内最大の分解の場として内外の物質消化にあたっている。リ ソソームが機能を発揮するためには、分解すべき物質をリソソームまで輸送する仕組 みが必要であり、そのために細胞外から取り込んだ栄養源や情報伝達物質等を運ぶエ ンドソーム系と細胞自身のオルガネラや細胞質を輸送し分解させるオートファジーの 2種類のメンブ レン・トラフィックが存在する。各々の輸送機構は、栄養物消化や新陳代謝など基本 的な細胞機能を担うだけではなく、「何を」「いつ」「どのくらい」リソソームに運 ぶか(あるいは運ばないか)という制御を行うことで、発生・分化や細胞増殖などの高次の生体機能にも寄与していることが明らかになりつつある。我々は、これらのメ ンブレン・トラフィックが生体において果たす役割の理解を目指し、未知の部分の多 いその分子機構の解析を行っている。これまでにエンドソーム系についてはAAA 型ATPaseであるSKD1が新しい輸送制御因子であることを示し、オートファジーについ ては酵母オートファジーに必須なApg蛋白質群の哺乳動物ホモログを手がかりに分子解剖を進め、その特異な膜動態や他のオルガネラとの連携を世界に先駆け明らかにし てきた。また細胞内異常蛋白質蓄積病とオートファジーの関係を示す知見も最近得ている。セミナーではこれらの成果を概説したい。

放射光セミナー (02-06) のお知らせ


 題目 「Photoionization of N2 molecule calculated in the Random Phase Approximation」
 講師 Prof. N.A.Cherepkov (物構研外国人客員教授)
 日時 2002年4月26日(金) 15:30〜16:30
 場所 物構研放射光研究棟2階会議室


要旨
 The results of the new most detailed calculations of photoionization of N2 molecule in the Random Phase Approximation will be presented, with the emphasis on the K-shells and the 2s_g shell. The vibrational motion in the initial state is taken into account by averaging over internuclear distances. Correlations between all valence shells are included in the calculations for the 2s_g shell. The results of calculations are compared with the latest experimental data for different partial cross sections, and for the angular distributions of photoelectrons from fixed-in-space molecules obtained by different groups. For the 2s_g shell the comparison with the results of first complete experiment performed at Photon Factory will be presented. Three-dimensional angular distributions of photoelectrons predicted on the basis of this complete experiment will be demonstrated.

放射光セミナー (02-05) のお知らせ


 題目 「Arginine kinase structure; Revisiting classical questions in enzymology」
 講師 Professor Mohammad Yousef (Institute of Molecular Biophysics, Florida State University)
 日時 2002年4月17日(水) 13:30〜14:30
 場所 物構研放射光研究棟2階会議室


要旨
 Arginine Kinase (AK) is a member of the guanidino kinase family thatplays an important role in buffering ATP concentration in cells with high and fluctuating energy demands. Thethree-dimensional crystal structure of arginine kinase transition state analog complex has been refined at 1.2A resolution with an overall R-factor of 12.3%. The current model providesa unique opportunity to analyze the structure of a bimolecular (phosphagenkinase) enzyme in its transition state. This atomic resolution structureconfirms in-line transfer of the phosphoryl group and the catalytic importance of the precise alignment of the substrates. The structure of the substrate free "open" form has been solved at 2.35 A and compared to the transition state analogue of the "closed" form. Systematic analysis of the domain movements quantitatively described the structural changes and revealed substrate induced domain motions in AK.

放射光セミナー (02-04) 開催のお知らせ

 題目 「新規Rab effector蛋白質Granuphilinとその関連蛋白質の開口放出 経路における役割」
 講師 群馬大学、生体調節研究所、遺伝子調節部門 泉 哲郎教授
 日時 4月2日(火) 13:30〜14:30
 場所 物構研構造生物実験棟セミナー室

要旨
すべての細胞に共通する、ゴルジ装置以前の輸送経路やエンドサイトーシス経路と異なり、開口放出経路、特に多細胞生物の細胞間連絡に重要な調節性分泌経路は、組織・細胞特異的なオルガネラを有している。すなわち、細胞自身の生存のためではなく、個体・組織レベルの機能維持のために必要な生体分子を、刺激に応じて分泌するための貯留小胞を発達させている。代表的なものとして、神経細胞のシナプス小胞、内・外分泌細胞の分泌顆粒、メラノサイトのメラノソームなどがあげられる。これらの細胞では、他の細胞では見られない、オルガネラ特異的な蛋白質群が、その輸送・
形成に関与している可能性がある。私たちは、最近、膵β細胞に特異的に発現する新規遺伝子産物Granuphilin を発見した。Granuphilin は Rabphilin3 と機能ドメイン構造が類似し、N端にzinc finger motif、C端にCa2+やリン脂質と結合する C2domainを2つ持つ。私たちは、GranuphilinがRab27aに結合し、そのエフェクター蛋白質として、インスリン分泌に関与することを見出した。さらにGranuphilinと一部配列の類似する、一連の蛋白質Exophilinsを見出し、そのうちのひとつが、Rab27aと結合し、メラノサイトのメラノソームの開口放出に関与する知見を得た。これらの知見
は、Rab27aが、細胞特異的に異なるエフェクター蛋白質と結合し、顆粒様オルガネラの調節性分泌機構に関わっていることを示唆する。本セミナーでは、膵β細胞のインスリン分泌顆粒の開口放出におけるGranuphilin/Rab27a複合体の機能を中心に、Granuphilin類似蛋白質Exophilinsの機能についても簡単に触れたい。




 


物構研セミナー

(04-13) のお知らせ

題 目
「Critical and Glassy Dynamics in Non-Fermi-Liquid Heavy-Fermion Metals」
講 師
Prof. D.E. MacLaughLin (カルホルニア大学リバーサイド校教授)
日 時
2005年2月1日(火)14:00〜15:00
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

Landau's Fermi-liquid paradigm breaks down in a number of strongly-correlated electron metals, thereby raising a host of questions concerning the resulting non-Fermi-liquid(NFL) phenomena. Nuclear and muon spin relaxation experiments in f-electron heavy-fermion NFL metals indicate that structural disorder can be a major factor in NFL behavior. Low-field muon spin relaxation rates are strongly correlated with the residual resistivity, becoming very weak in ordered NFL compounds. This low-frequency spectral weight buildup in disordered NFL systems is similar to that observed in spin glasses above the glass temperature, suggestive of quantum spin-glass behavior.

 

(04-12) のお知らせ

題 目
「Interface structure of photonic multilayers prepared by plasma enhanced chemical vapor deposition 」
講 師
Dr. Hyeonjae Kim(a Visiting Research Fellow, Mitsubishi Chemical Science and Technology Research Center)
日 時
2005年1月13日(水)10:30〜11:30
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

 The structures of substrate/layer, layer/layer, and layer/air interfaces in optical multilayers made using plasma enhanced chemical vapor deposition (PECVD) have been probed for the first time using neutron reflectivity and X-ray reflectivity. The basic principle of the reflectivity will be discussed and the benefit of using both of the reflectivities will be emphasized.
From the point of view of optical applications the interfaces are extremely sharp, sharper than is often achievable with the self-assembly of block copolymers or deposition techniques in which the polymer layers contact while in a fluid state. The average interface width, aI, between layers made from different precursors is about 40 Angstrom (16 Angstrom rms). The layer/layer interfaces are generally 2-3 times broader than the layer/air interfaces. Polymeric fluorocarbon films deposited on a Si substrate using PECVD with octafluorocyclobutane (OFCB) monomer show uniform scattering length density with depth except for a region of molecular thickness immediately adjacent to the substrate. Films made from deuterated benzene show uniform density throughout the film thickness.

参考文献
H. Kim, M. D. Foster, H. Jiang, S. Tullis, T. J. Bunning, C. F. majkrzak, Polymer 45 (2004) 3175.

 

(04-07) のお知らせ

題 目
「Observation of quantum interference arising from a superposition of macroscopically distinct tunneling states for protons in the KHCO crystal from 14 to 300 K」
講 師
Dr. F. Fillaux (LADIR-CNRS, rue H. Dunant, 94320 Thiais, France. )
日 時
2004年12月7日(火)10:00〜
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

We propose a theoretical framework for macroscopic quantum entanglement based on the crystal symmetry and the Pauli principle. Scattering functions calculated for neutron diffraction by entangled double-lines of protons in one dimension, or entangled grating structures in two dimensions, or entangled sublattice of protons in three dimensions compare favorably with observations. Some consequences to paradoxes at the heart of quantum mechanics are discussed: non locality, theory of measurement, boundary between quantum and classical worlds, Schršinger's Cat, etc.

 

(04-10) のお知らせ

題 目
Current Status of Materials Science Research at Research and Development Centre for Materials Science and Technology, Batan
講 師
Dr. Syarofie Ridwan
( Research and Development Center for Materials Science and Technology, BATAN )
日 時
2004年11月30日(火)16:00〜
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

Research and Development Center for Materials Science and Technology (RDCMST), instead of Materials Science Research Center after the reorganization of Batan establihed at January 2001. The main activity of the center is to carry out the research and development of materials science. For that, the center have equipped with some neutron facilities and supported by others non-neutronic facilities. In this presentation it will be described about the Organization Structure of Batan,Organization Structure of RDCMST, Human Resources at RDCMST, Facilities and Current Research Activities. However, in this occasion it will be discussed mainly about current research activities at Advanced Materials Science Division, related to the magnetic, superionic and superconductor materials.

 

(04-09) のお知らせ

題 目
「短寿命核を用いた超高感度NMRと物質科学」
講 師
三原 基嗣 氏(大阪大学大学院理学研究科)
日 時
2004年11月25日(木)14:00〜15:00
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

短寿命核を物質中にイン・プラントし、β線検出によりNMRを観測するβ-NMR法は、放射線検出のため、通常のNMRにくらべて格段に感度が高い。この特徴を活かして、物質内部の様子を微視的に探る、あるいは不純物拡散などの動的挙動を直接的にとらえるためのプローブとして短寿命核を有効に利用できる。また、イン・プランテーションによるために、プローブと対象物質の化学的性質によらず、結晶格子中に様々な元素を導入することができる。実験上は、核スピン偏極した短寿命核の生成が大変重要であるが、近年の不安定核物理の発展により、プローブとして利用できる核種はどんどん増えつつある。一方、計算機の発達によって、新しい物性材料が理論的に予測、設計されるようになってきており、β-NMR法が、このような新規物質の開発研究に有効に活用できる可能性を持っている。講演では、β-NMRの原理、実験手法を述べ、最近の研究から、金属結晶中希薄不純物の電子状態、半導体中不純物の動的挙動などについて紹介し、今後の展望について議論したい。

 

(04-05) のお知らせ

題 目
Revealing the Nature of Double Band Superconductivity in MgB2 with Neutrons
講 師
Dr. Robert Cubitt  ( ILL, France )
日 時
2004年10月20日(水)13:30〜14:30
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

Small-angle neutron scattering (SANS) measurements of the vortex lattice in single crystal and powder samples of MgB2 - a two band superconductor, are presented. SANS is a powerful method allowing us to measure directly the distribution of vortex separations and hence the anisotropy of the penetration depth, γλ. Single crystal results show the expected rise of γλwith applied field as the weaker, almost isotropic, p-band is suppressed. Results from the powder samples do not show as significant a rise in γλ with field. We believe this originates from 'averaged' properties of the penetration depth experienced by vortices in each multi-crystallite powder grain.

(参考文献)
1)Experimental Evidence for Anisotropic Double-Gap Behavior in MgB2, PRL 90 (2003) 157002.
2)Effects of Two-Band Superconductivity on the Flux-Line Lattice in Magnesium Diborid.
 

 

(04-06) のお知らせ

題 目
中性子光学
講 師
清水裕彦氏 (理化学研究所イメージ情報研究ユニットリーダー)
日 時
2004年10月13日(水)13:30〜16:00
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

中性子は電荷を持たないハドロンであり、物質研究にとって大変有用なプローブである。しかし、シンクロトロン放射光等の光子源に比べて桁違いに強度が低い。この難点を克服する直接的な解決方法は大強度中性子源の建設であるが、依然として絶対強度では光子に遠く及ばず、更なる大強度中性子源は今のところ見込めない。一方で中性子の利用効率を向上させるというもう一つの可能性が存在する。我々は、中性子利用効率の向>上を達成するための基礎的研究全般を「中性子光学」と位置づけて研究を展開してきた。中性子は電気的に中性であるが故に、ビーム光学的技術の多様性も少なく系統的な研究が難しい分野であったが、1990年代後半には磁気相互作用及び物質界面での屈折現象を積極的に利用する屈折光学系が現実のものとなり、新たな可能性が生まれた。これを端緒として、2000年から全国規模での中性子光学及びその応用研究が開始され、屈折集光系を用いた中性子散乱が稼働する段階に入った。これまでの研究の成果の全貌を概観し、更なる可能性を紹介するとともに、その応用について議論したい。

 

(04-4) のお知らせ

題 目
The recent research progress of ions self-irradiation effects and related phase transformations in nanostructues
講 師
朱 志遠 教授(中国科学院 上海応用物理学研究所 副所長)
日 時
2004年8月3日(火)16:00〜17:00
場 所
4号館2F輪講室1
講演要旨

The recent experimental research progress of nanostructures under ions irradiation will be reported.
The molecular dynamics computation predicted that ion irradiation could also join single-walled carbon nanotubes[1]. Employing carbon ion irradiation on multi-walled carbon nanotubes, we find that the various molecular junctions of amorphous nanowires are formed by welding from crossed carbon nanotubes during the process. It demonstrates that ion-beam irradiation could be an effective way not only for the welding of nanotubes but also for the formation of nanowire junctions[2].
A simple way for the transformation of CNTs to nanocrystalline diamond has been developed[3]. Structural phase transformation from multi-walled carbon nanotubes to nanocrystalline diamond by hydrogen plasma post-treatment was carried out.
Single crystalline diamond nanorods with diameters of 4~8 nm and with lengths up to 200 nm have been successfully synthesized by hydrogen plasma post-treatment of multi-walled carbon nanotubes[4].

[1] A.V.Krasheninnikov et al, Phys. Rev. B66 (2002) 245403
[2] Z.X.Wang et al. Phys.Lett. A324(2004) 321
[3] L.T.Sun et al. Appl. Phys. Lett., Vol. 84, No.15 (2004) 2901
[4] L.T.Sun et al. Advanced Materials accepted 2004

 

 

(04-03) のお知らせ

題 目
Excitations in One-Dimensional and Quasi-One-Dimensional Spin Liquids
講 師
Professor Goetz S. Uhrig (Institut fur Theoretische Physik, Universitat zu Koln, Germany )
日 時
2004年6月30日(水) 10:00〜11:00
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

Low-dimensional quantum antiferromagnetism is characterized by the weakness or even absence of long-range order. Thus one has to deal with so-called spin liquids. The elementary excitations of such systems have mostly spin S=1; they are triplons [1]. We calculate the dispersion of such triplons and the resulting spectral functions of dimerized spin chains [2], of spin ladders [3] and of coupled spin ladders. The results are relevant for inelastic neutron scattering and inelastic light scattering and for optical absorption.
   In particular, we show how the result for a one-dimensional system can be extended to a quasi one-dimensional systems by perpendicular couplings. The magnetic structure factor S(ω) observed in striped cuprate superconductors [4] is explained in this way. A crossover is found from magnon-like to triplon-like excitations as function of energy.

 [1] K.P.Schmidt, G.S.Uhrig, Phys.Rev. Lett.90, 227204 (2003)
 [2] K.P.Schmidt, C.Knetter, G.S.Uhrig, Phys.Rev.B, in press, cond-mat/0307678
 [3] C.Knetter, K.P.Schmidt, M.Gruninger, G.S.Uhrig, Phys. Rev. Lett.87,
   167204 (2001);
    K.P.Schmidt, C.Knetter, M.Gruninger, G.S.Uhrig, Phys.Rev.Lett 90,
   167201 (2003)
 [4] J.M.Tranquada et al., Nature .429, 534 (2004)

 

(04-02) のお知らせ

題 目
量子計算に関する研究の現状
講 師
木戸 義勇氏(物質・材料研究機構 ナノ・マテリアル研究所 副所長)
日 時
2004年3月12日(金) 15:30〜16:30
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨

現在、インターネットでよく使われているRSA暗号は現在の計算機では現実的な時間内で解くことが出来ませんが、1千キュービット程度の量子計算機が完成すると、この暗号を解くことが可能となり、人類の安全に大いに役立つと期待されています。そこで、我々は目先の数キュービットを対象にするのでなく、巨大な数のキュービットを扱う事を念頭に、長期的な視野で量子演算に関連する物質開発と、計測技術開発を行っていますので、その一端を紹介致します。

(04-01) のお知らせ

題 目
Physics of Carbohydrate Complexes in 2D and 3D Systems
講 師
Dr. Motomu Tanaka(Emmy Noether Project Leader of Biophysics, Dept. Phys., Tech. Univ. Munich, Garching, Germany)
日 時
2004年1月21日(水) 13:30〜14:30
場 所
4号館2階輪講室2
講演要旨
Surfaces of plasma membranes are rendered with glycocalix, which are oligo- and polysaccharide chains adjacent to glycolipids, peptidoglycans, and glycoproteins. They are serving as stabilizers to retain plasma membrane structures as well as <repellersc to keep a certain distance between neighboring cells. They take stable conformation via relatively weak (generic) forces, such as electrostatic interaction, hydrogen bonding, and long-range van der Waals interaction. Here, I introduce several physical methods to study the impact of molecular structures in their generic interactions in various length scales (phase transition, 2D/3D structures, viscoelasticity) at the interface. In addition, I will highlight our recent challenge toward the control of bio-specific functions through controlled self-assemblies of functional carbohydrate clusters.
(講演は日本語で行われます。)

(03-04) のお知らせ

題 目
パーキンソン病をめぐる最近の話題
講 師
望月 秀樹先生(順天堂大学医学部脳神経内科 老人性疾患病態・治療研究センター)
日 時
2003年12月17日(水) 13:00〜14:00
場 所
4号館2階輪講室1
講演要旨
パーキンソン病はアルツハイマー病に次いで頻度の高い神経変性疾患であり,根本的治療がなく、高齢化社会に伴い大きな問題になっています。一方で家族性パーキンソン病の原因遺伝子も解明され,それにより弧発性のパーキンソン病の発症機序がある程度推測され将来的な治療法の開発も進んでおります。これら最近の話題について講演をしていただきます。

 

(03-03) のお知らせ

題 目
リンダウで開かれるノ−ベル賞授賞者の会
講 師
井口道生氏(アルゴンヌ国立研究所名誉主任研究員)
日 時
2003年11月20日(木)15:00〜
場 所
放射光研究棟2階会議室
講演要旨

ドイツの南西の端にあってスイスとオ−ストリアにも接する、ボ−デンゼ−(Bodensee)という湖がある。英語ではLake Constanceという。その沿岸は風景が奇麗で、気候が穏和なことで著名な観光地である。この湖の東岸に近い島にあるリンダウ(Lindau)で、毎年7月の最初の週に、表記の会が開かれている。テーマは物理、化学、生理学または医学というノ−ベルの遺言で指定された三つの分野を次々に巡る。第53回の2003年の会のテ−マは生理学または医学であった。2004年のテ−マは物理となっている。この独特の会の目的は、十数名のノ−ベル賞受賞者に500人程度の学生との交流、教育をして頂くことである。
ここでいう「学生」は、学部または大学院の学生のほか、助手、ポストドックを含む。受賞者による30分の講演のほか、学生との自由討論、それにいろいろな社交の機会もある。その一つは会の終わりの金曜日に、参加者全員が船で、湖の西側のマイナウ(Mainau)という島へ行く遠足である。この島は美しい城と庭園があり、スヱ−デン王室のベルナドット家の所有だったが、今は財団組織が管理しており、ノ−ベル賞受賞者の会の運営もこの財団の仕事である。そもそもこの会は当主のレナルト・ベルナドッテ伯爵(Count Lennart Bernadotte)の発案によって、戦後ドイツのの文化的な荒廃からの復興のために始まったけれども、今は主催者が国際化に努めたので、ヨ−ロッパ諸国を始め、アメリカ、インド、中国などからの参加もほぼ定常的になっている。2003年には、始めて文部科学省の正式な援助が出て、20名の日本人学生が参加した。参加した学生に、強い印象と感銘を与えることは当然である。私は幸いにも主催者の一人と親しいので、すでに7回ゲストとして出席して、優れた学者から多くを学んだ。  この会の詳細についてはwww.lindau-nobel.de、マイナウについてはwww.mainau.deというweb siteを見ればよい。なお、ノ−ベル賞の歴史、授賞者、その業績などについては、www.nobel.seにあるe-Nobel Museumをご覧になることを勧める。