低速陽電子実験施設
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高エネルギー加速器研究機構
物質構造科学研究所 フォトンファクトリー
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SPF
Slow Positron Facility
Institute of Materials Structure Science
High Energy Accelerator Organization
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最近の成果
- 全反射高速陽電子回折(表層構造分析の理想的な回折テクニック)の開発
日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」)先端基礎研究センターの河裾厚男研究主幹のグループと高エネルギー加速器研究機構(以下「KEK」)物質構造科学研究所の兵頭俊夫特定教授、一宮彪彦名古屋大学名誉教授 らのグループの共同研究および共同利用研究(研究代表:原子力機構・深谷有喜研究副主幹)により、KEKの高強度低速陽電子ビームを高輝度化して、TRHEPD (Total-Reflection High-Energy Positron Diffraction, 全反射高速陽電子回折)法 の高度化を実現しました。この手法をシリコン結晶の(111)表面 に適用して、その表面超高感度性を実証しました。
Appl. Phys. Express 7 056601 (2014).
- 反射高速陽電子回折法によりシリセンの構造決定に成功
当低速陽電子実験施設では、日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」)先端基礎研究センターの河裾厚男研究主幹のグループおよび東京大学物性研究所の松田巌准教授の共同研究、および共同利用研究(研究代表:原子力機構・深谷有喜研究副主幹)において、結晶最表面の原子配置を精度よく決定できる反射高速陽電子回折法を用いて、銀単結晶表面上に形成したシリコンの原子1層からなる"シリセン"の構造を調べました。その結果、炭素原子1層からなる平面状のグラフェンと異なり、凹凸のある構造(バックリング構造)であることを初めて実験的に確認しました。
本成果は、KEKにおける高強度・高輝度・エネルギー可変単色陽電子ビームが、結晶最表面の原子配置に極めて敏感であり、かつ、十分な強度と品質をもっていることを実証するものでもあります。
Phys. Rev. B 88, 205413 (2013) .
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