ミュオン物性グループ

ミュオン物性Gメンバー

ミュオンという量子ビームで物質内部を探る—電子や光と同じように物質と相互作用するミュオン(ミュー粒子、ギリシャ文字μで表記)は、物質の状態を原子のレベルで調べるのに大変好都合な粒子です。しかも、ミュオンを使った計測手法は、従来の方法では決して得られないような情報をもたらしてくれます。それは物質・生命科学にとって光(X線)、電子線に次ぐ新しい「顕微鏡」ともいえます。

現在、東海村にある実験施設では世界最高強度のミュオンビームが利用可能であり、これを活かして基礎物理から物性物理学、材料科学、さらには生命科学まで様々な研究分野において研究の進展が期待されています。ミュオン物性グループでは、特に物性物理学の研究を担う意欲的な大学院生を求めています。

【主な研究分野】

銅酸化物および鉄系超伝導体の磁性と超伝導

la1111h.jpg 鉄系超伝導体LaFeAsO1-xHxにおいて水素置換キャリアドープにより新たに見つかった磁気相。

同じ物質の中で、磁性と超伝導が共存・競合する様子を詳しく調べることで、高温超伝導のメカニズム解明の手がかりを得る研究を行っています。



遷移金属化合物における幾何学的電子相関

pyro.jpg 正四面体のネットワークと見なせるパイロクロア格子

例えば頂点を共有する正四面体のネットワークからなる結晶構造で、頂点にある原子どうしの反強的相互作用(スピン・軌道・電荷といった自由度をお互いに逆向きに揃えようとする相互作用)が引き起こすフラストレーション、重い電子状態等の微視的起源に迫る研究を行っています。


格子間水素が引き起こす新奇物性

naalh4.jpg
水素吸蔵物質NaAlH4の中での格子間水素の状態

物質に取り込まれた水素は、ppmといったわずかな量で電気抵抗などさまざまな巨視的物性を大きく変化させることがありますが、他の方法では計測が困難な希薄濃度の水素について、水素のシミュレーターであるミュオンを物質に注入してその電子状態を調べることにより、水素が物性を変化させるメカニズムの解明を目指します。


摩擦と潤滑

我々のくらしの中でありふれた現象である摩擦の微視的な起源を探るため、ミュオンが持つユニークな観測時間窓を武器に、ソフトマターが示す動的な性質を幅広い時間領域にわたって研究しています。

tribology.jpg 摩擦現象のさまざまな階層

メンバー

氏名役職専門分野
門野 良典教授物性物理学
小嶋 健児准教授物性物理学/粒子検出器エレクトロニクス
幸田 章宏研究機関講師物性物理学/高圧物性
岡部 博孝特別助教固体化学
竹下 聡史特任助教物性物理学
 総研大併任教員 

【担当実験装置】

ミュオン物質生命科学実験装置

D1 (J-PARC MLF)

【リンク】

ミュオン科学研究系 http://www2.kek.jp/imss/msl/MSL_index.html

μSRグループ http://msl-www.kek.jp/musr-g/