書き換え型光ディスク(DVD-RAM, DVD±RWなど)の
高速書き換え原理を放射光を用いたXAFSで解明 

2004年10月4日


 独立行政法人 産業技術総合研究所のAlexander V. Kolobov(アレキサンダー・コロボフ)主任研究員のグループは,PFのBL-12CおよびSPring-8のBL01B1を用いて,書き換え型光ディスクの代表的な記録材料Ge2Sb2Te5相変化薄膜材料の結晶構造(消去状態)と,アモルファス構造(記録状態)をXAFSにより解析し,光ディスクの高速書き換えの原理を明らかにしました。記録状態のアモルファス相と消去状態の結晶相での高速書き換え(相転移)は,ゲルマニウム原子が結晶内部で「アンブレラ・フリップ・フロップ」(傘が開いた状態と強風によって裏返った状態のような構造を行き来すること)により生じるため,わずかなエネルギーで簡単に記録状態と消去状態間を行き来できることが明らかになりました。

この研究成果は2004年10月(オンライン版は9月12日)発行のNature Materialsで発表されたものです。

Alexander V. Kolobov, Paul Fons, Anatoly I. Frenkel, Alexei L. Ankudinov, Junji Tominaga and Tomoya Uruga : Understanding the phase-change mechanism of rewritable optical media. Nature Materials, 3, 703-708 (2004).

詳しくは,産業技術総合研究所のプレスリリースをご覧ください。

 

 





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