世界初・室温でのアイスナノチューブの構造を
BL-1BにおけるX線回折実験により解明

2005年1月4日


東京都立大学の真庭豊(まにわ・ゆたか)助教授,および独立行政法人・産業技術総合研究所の片浦弘道(かたうら・ひろみち)主任研究員らのグループは,PFのBL-1Bを用いた高精度のX線回折実験により,単層カーボンナノチューブ内に吸着した水の構造を詳細に調べることに成功しました。アイスナノチューブの融点はその直径に依存して大きく変化することを見いだし,世界で初めて,27℃という極めて高い融点のアイスナノチューブが単層ナノチューブ内に成長していることを発見しました。

単層カーボンナノチューブの直径が細いほど,アイスナノチューブの融点が高くなると言う,これまでに知られていた法則とは反対の関係を見いだしました.また,減圧下で加熱することにより,ナノチューブ内の水が一気に気化するナノジェット機構の存在が明らかになり,これは次世代インクジェット等への応用も期待できます。

この研究成果は2005年1月11日発行のChemical Physics Letters(オンライン版は2004年12月15日)に発表される予定です。

Yutaka Maniwa, Hiromichi Kataura, Masatoshi Abe, Akiko Udaka, Shinzo Suzuki, Yohji Achiba, Hiroshi Kira, Kazuyuki Matsuda, Hiroaki Kadowaki and Yutaka Okabe : Ordered water inside carbon nanotubes: formation of pentagonal to octagonal ice-nanotubes. Chem. Phys. Lett., 401, 534-538 (2005).

詳しくは,産業技術総合研究所のプレスリリースをご覧ください。

 

 



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