オーストラリアのグループがインスリン受容体の構造解析に成功 〜BL-5Aを用いた結晶構造解析〜 2006年9月20日 オーストラリアCSIRO (Commonwealth Scientific and Industrial Research organization) のグループは,細胞表面に存在しインスリンの「受入れ窓口」であるインスリン受容体の細胞外ドメインの構造を明らかにすることに成功し,成果が2006年9月14日発行のNature誌に発表されました。この受容体は1969年に発見され,1985年にアミノ酸配列が決定されましたが,現在までの長い間,立体構造がわかっていなかったものです。構造決定にはPFのBL-5Aで取得した3.8Å分解能のX線回折データが重要な役割を果たしました。この成果によって,インスリンがどのように身体の中で働いているかという理解が飛躍的に進むのはもちろん,糖尿病やガンの治療にも新たな道が拓けることが期待されます。 詳しくはCSIROプレスリリースをご覧ください(lightsources.orgにも掲載されています)。 Neil M. McKern, Michael C. Lawrence, Victor A. Streltsov, Mei-Zhen Lou,
Timothy E. Adams, George O. Lovrecz, Thomas C. Elleman, Kim M. Richards,
John D. Bentley, Patricia A. Piling, Peter A. Hoyne, Kellie A. Cartledge,
Tam M. Pham, Jennifer L. Lewis, Sonia E. Sankovich, Violet Stoichevska,
Elizabeth Da Silva, Christine P. Robinson, Maurice J. Frenkel, Lindsay
G. Sparrow, Ross T. Fernley, V. Chandana Epa and Colin W. Ward: Structure
of the insulin receptor ectodomain reveals a folded-over conformation.
Nature, 443, 218-221 (2006).
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