新日本製鐵(株) 先端技術研究所・主幹研究員の木村正雄(きむら・まさお)さんが、日本金属学会第65回功績賞を受賞されました。この賞は、「金属学または金属工業技術の進歩発達に寄与する有益な論文を発表し、かつ将来を約束されるような新進気鋭の研究者、技術者であって、工業技術部門については満45歳以内の金属学会員」に授与されるものです。
今回の受賞は、「材料の製造過程あるいは使用環境下における構造変化の "その場 " 観察技術の開発と応用」に関する業績が高く評価されたものです。具体的な評価ポイントは以下のとおりです。
1)X線および放射光利用のその場観察手法への取り組みにおいて、(A)高温・ガス雰囲気・湿潤環境といった実環境での観察、(B) 材料のナノオーダ表面や界面での反応観察、を実現した点が独創的かつ先端的であり、従来の大気・バルク観察では未解決であった多くの重要課題を解決することに成功したこと。
2)高エネルギー物理分野の放射光という観察手法を、先駆けて金属系工業材料へ活用し、その有用性を示してきたこと。
新日本製鐵(株)はKEKと平成元年より共同研究契約を締結し、放射光を利用した研究を進めています。受賞対象となった研究成果の大半はPFで実験・研究が行われたもので、PFでの放射光利用研究が企業研究に大きく役立っていることが、金属学会においても高く評価されました。
贈呈式は、3月27日に日本金属学会2007年春期(第140回)大会(千葉工業大学津田沼キャンパス)において行なわれました。
<関連サイト>
社団法人 日本金属学会
|