富田耕造博士(産業技術総合研究所生物機能工学研究部門グループ長)が

つくば奨励賞を受賞

2007年8月2日


 産業技術総合研究所生物機能工学研究部門グループ長の富田耕造博士が今年度のつくば奨励賞を受賞されました。富田博士は、DNAの情報なしにリボ核酸(RNA)が合成される例外的な仕組みをSPring-8のBL41XUをはじめ、PFのBL-5A、AR-NW12を用いて解明されました。今年3月のPFシンポでご講演いただきましたが、すべてのtRNA の3'末端に普遍的に存在するCCA 配列(位置74,75,76)を付加するCCA 付加酵素が鋳型なしでどのようにCCA 配列付加反応の開始、伸長、終結を行うかを膨大な結晶構造解析データをもとに原子レベルの映画として示していただきました。CCA配列はアミノアシルtRNA 合成酵素による3'末端へのアミノ酸付加、リボゾーム上でのペプチド形成反応に重要な役割を果たしており、富田博士の今後の研究のますますのご発展を期待します(表彰式は2007年9月28日につくば国際会議場にて執り行われる予定です)。

 

本研究で得られたCCA付加酵素、tRNA、基質との三者複合体の構造の一例

 


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