電磁式アングルバルブ選定の手引
このページはPFスタッフ向けに書いてあります
電磁アングルバルブの現状
現在、電磁アングルバルブ(圧空を必要としないもの)の選択に関して混乱が生じておりますので、豊島、菊地、加藤で調整及びテストした内容について皆様にお知らせいたします。
今後の購入または、現在使用中のものについては使用法の参考にして頂ければ幸いです。
- 1.特徴
- 封止は内蔵のバネによりO−リングを押しつけて行う。OPEN時は動作コイルに通電しマグネットを引き上げる。
高真空用のベローズシールと、安価な低電圧用のO−リングシールのものがある。
- 長所
- 圧空が不要で、取り付けが簡単。従って、停電などで圧空が抜けた場合でも保持できることから、二重のセイフティーとして磁気軸受ターボ分子ポンプ(TMP)の背圧側封止などに多用している。
- 短所
- 動作コイルが大きく重い。電力消費が大きく熱くなる。
動作電圧の許容変動範囲が狭い。(電圧が低いといつの間にかスルスルと閉まってしまう。)
- 2.現状
- 実験ホールで使用されている物で確認しているのは、低真空用(フジ精機)、高真空用(バルザース、ライボルト、VAT)で外国製の製品が主。
- 昨年から外国製品のモデルが変更となり従来の220V保持から230V保持に変更(200Vの日本では220Vのものは問題がなかった。230V保持のものは電圧変動によっては閉まってしまうものが発生する。)それゆえディーラーとしてはトラブルを避けるため、リクエストがなければ売らなくなっている。
- 様々な対応が考えられているが今一つの状態!
各社の特徴と対応
- 1.フジ精機
- 200V仕様であり、電圧面では問題なし。ただし軸シールの低真空用では開閉時に、シール部から漏れたり、芯ブレを起こしやすい事から封止性に問題があるものが発生したために、以前は多用していたが現在はかなりベローズシールのものと交換している。(オープン時に真空の力を借りる真空パイロット式はパイロット配管内の真空漏れに気づかない事が多く、RPの真空が上がらない原因となる可能性がある。)ダイオードブリッジを介しての直接接続でショート時は問題あり。ステータス×。
- 2.バルザース(伯東)
- 従来品(黄/黒バルブ)のうち、220V仕様は問題なし。115V保持は、開かない又は突然閉まるといった状態で使用に耐えない。(もし間違って買ってしまったら、回路室にストックされている100−115V変換トランスでも使用して下さい。)
新モデル(黄/青バルブ)は230V仕様ですので、問題があり伯東はトラブルを避けるため売りたくないとの事です。しかし、すでにいくつかはPFに入ってきており、今のところ問題は生じていないが、不安は残ります。新モデルの発売に伴い従来品在庫はありません。ただし40KFのものについては従来品が入ってきます。
- 3.VAT(アールデック)
- 従来品200V仕様(黒い頭の部分が大きいもの)は問題なし。
新モデルは230V仕様で問題あり。OEM品でケーブル途中に弁当箱状のドライブボックス(**〜***V対応)で対応可。但し、OPEN時にバルブ付近のコネクターを抜き差しするとCLOSE状態のままとなる。ステータスは読めない。
- 4.ライボルト(ライボルト)
従来品は100〜230V対応で問題なし。LED表示によりステータス表示可。又24VDCによりリモート駆動/表示可能)