例として、硬X線XAFSビームラインBL-12Cの概観を示します。導入されている機器は各ビームライン毎に若干異なりますが、基本的な構成は同じです。
図1. BL-12Cの様子。ビームラインの光学系等を動作させるモーターコントローラ等が並んでいる。
図2. BL-12Cのハッチ内、光学ベンチ周辺の様子。サンプルステージや測定用のイオンチェンバー等が見える。
- 特徴
- 光源から出た光をサンプルに導くまでに、分光器や種々のミラーを経ます。実験ハッチの入り口まではビームパイプおよびミラーチャンバー内は真空となっています
- サンプルやX線検出器等は鉄等でできた実験ハッチ内に置かれます(これらは大気中に設置します)
- X線検出器として、通常の透過法測定で使用するイオンチェンバー(電離箱)の他に、蛍光法測定のための19素子SSDが設置されています
- サンプルを冷却しながら測定するためのクライオクーラーが設置されています
サンプル冷却用にクライオクーラーが、9A, 9C, 12C, NW10A に設置されています。
図3. クライオクーラー。
- 特徴
- 10 K 程度から室温まで制御可能です
- 室温から20 K 到達まで約30分程度です
- ± 1.5 K 程度の温度安定性を示します
希薄試料測定用に半導体検出器(Solid State Detector, SSD)が用意されています。ハンディタイプの単素子SSDは持ち運び可能です。多素子SSDは 9A, 12C, NW10A に設置されています。
図4. ハンディタイプの単素子SSD。
図5. 19素子の多素子SSD。
- 特徴
- 透過法では測定が困難な希薄試料の測定が可能です
- シンチレーションカウンターに比べて高いエネルギー分解能を持ちます
- 測定の際の機器の設定などがやや手間がかかります
- 高価でデリケートな機器であり、取り扱いには注意を要します
