担当者:
間瀬一彦
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masepost.kek.jp
BL-11Dは真空紫外から軟X線領域の光を用いて固体及び固体表面の光電子分光を行うために設計されたビームラインでしたが、光電子分光実験装置がアンジュレータ光源のビームラインBL-13Aに移設されたことに伴い、2010年からは光学素子評価用ステーションとして利用されております。また、小型の持ち込み装置であれば、光学素子評価用装置の下流に設置してBL-11Dを利用いただくことも可能です。BL-11Dに設置されている斜入射回折格子分光器は広いエネルギー領域をカバーできるような設計として、等間隔直線刻線の球面回折格子を用いた可変偏角型分光器(負固定入射長―正固定出射長)を採用しています。回折格子は4つまで搭載可能ですが、現在は高エネルギー用の G1(R=55.21m)と低エネルギー用のG3(R=22.945m)の2つが搭載されています(いずれも刻線密度は2400 l/mm)。図1はBL-11Dの光学系の概略図です。入射スリット(S1)を通過した光は集光鏡(Mf)、平面鏡(Mp)、回折格子(G)を経て出射ス リット(S2)に至ります。このとき、エネルギースキャンがMp, G双方を回転させることで行なわれることがBL-11Dの特長です。この部分のより詳しい概念図を図2に示します。
図 1:BL-11Dの光学系の概略図。数値は光源からの距離。
図 2:BL-11DのMp-G部分の概念図。
光学系 | 入射スリット+集光鏡+平面鏡+球面回折格子+出射スリット |
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エネルギー領域 | 200〜900eV (G1), 60〜245eV (G3) |
分解能 | E/ΔE ~ 2000(G3, Slits 200μm×100μm時) |
ビームサイズ | 1 mm (H)×0.1 mm (V) |
ビーム強度 | ビーム強度 1.2×1010 光子/秒(G3、Slits 200μm×100μm at 130eV, 450 mA時、図3参照) |
図3
図4には、回折格子や多層膜の反射率などを測定できる光学素子評価装置の概念図を示します。
図4.回折格子や多層膜の反射率などを測定できる光学素子評価装置の概念図。
図5.持ち込み装置例(左)と接続部(右)。
[1] Photon Factory activity Report 1997 #15 (1997) A101.