BL-12A 軟X線2m斜入射分光器・光学素子評価装置

担当者:柳下 明
5660(PHS:4449)
akira.yagishita@kek.jp


1.概  要

本ビームラインは,光学素子評価装置が常駐する準専用ビームラインとして建設されたものである。横方ベントプレーン鏡を使用した前置集光鏡を経て,評価装置用に設計された擬似ボダール型式の高純度軟X線分光が設置されている。分光器と評価装置との間には,他の目的の実験を行うための十分なスペースがあり,以下の3種類の実験がほぼ同比重で行われることが見込まれている。
  1. 光学素子の評価,開発
  2. 軽元素XAFS,EXAFS,XANES等の分光実験(中程度の分解能)
  3. 光化学反応,放射線生物,その他照射効果の実験

図1 BL-12Aの鳥瞰図


図2 BL-12Aの光学系の概念図

 

2.性  能

回折格子    :ブレーズ型グレーティング(刻線数 600本/mm 曲率半径 2 m)
エネルギー範囲 :30 eV 〜 1000 eV
ビーム取り出し角:2.25 mrad (H) × 0.34 mrad (V)
光子数     :〜1012photons/s (100 μmスリット使用時)
分解能     :Δλ= 0.84 Å (600 /mm,100 μmスリット使用時)
集光方式    :前置集光鏡 横方可変ベント平面鏡
         後置集光鏡 トロイダル鏡
ビームサイズ  :上記集光方式にて,現状では約2 mm × 2 mm

図3 後置鏡のドレインカレントでモニターした出力スペクトル

測定条件は,回折格子:600 本/mm ,スリット幅:50 μm ,後置鏡のコート材: Au ,入射角 2°(斜入射)であった.


 

3.付属装置

PC9801RA(ソフト:PF98計測システム,前置集光鏡駆動プログラム)
計数用NIMモジュール一式
光学素子評価装置

図4 光学素子評価装置の概略図

真空槽全体が回転軸を光軸に一致させて 90°回転するので偏光を選ぶことができる.1)

 


4.実験例

図5 Sc/Cr 多層膜偏光子を用いて測定した 400 eV における直線偏光度の観測角依存性.

M0のあおり角で観測角を変化させた.この測定結果により,直線偏光度が 0.998 以上に光軸調整されている.

 

図6 Mo/B4C 多層膜でコーティングした回折格子の s 偏光に対する回折効率

θは入射角を示し,グラフの横軸は出射角−θの値を示す.ただし入射角,出射角とも斜入射側から測った角度で表示している.p 偏光では2桁以上回折効率が低いので,この多層膜回折格子は偏光フィルターの機能を合わせ持つ.2)

5.参考文献

1) S. Mitani et al.: Rev. Sci. Instrum. 60, 2216 (1989).
2) S. Ishikawa et al.: Appl. Opt. 41, 763 (2002).

 

6.その他

ビームの高さ:≒ 1225 mm 出口フランジ:ICF-114
実験ステーションの位置:一般実験用 約 30 〜 34 m
            光学素子評価装置 約 36 m 地点より後方

 


Last modified: 2005-05-09