担当: 高橋嘉夫(東京大学大学院・理)
所内担当: 木村正雄,丹羽尉博
丹羽尉博5444(PHS:4942)
yasuhiro.niwa@kek.jp
本ステーションではX線領域の単色放射光を用いた、集光ビームによる放射光蛍光X線分析(SXRF)を主に行っています。
放射光蛍光X線分析は、検出下限の低いまた感度の高い局所領域非破壊元素分析法として、生物や岩石・環境試料の分析、物質材料の評価に使われています。
ビームタイムは主に放射光蛍光X線分析実験に配分されており、Kirkpatrick-Baez型集光光学系を用いたマイクロビーム実験およびポリキャピラリー集光素子を用いた集光ビーム利用実験(元素マッピングなど)が定常的に実施できるステーションです。
分光器は光源より9.5mの地点に設置されたビーム出射位置固定型2結晶分光器です。ハッチは光源より13mの地点にあり、ハッチ内には、1×1.5mの定盤を備えています。
BL-4Aは2014年度から“マイクロビームX線分析応用UG運営ステーション”として運用されています。
光学系 | 出射位置固定型2結晶分光器:Si(111)。 |
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エネルギー領域 | 単色X線。6 keV - 17 keV(マイクロビーム利用時には15keV程度) |
分解能 | 2結晶分光器ΔE/E~10-4 |
ビームサイズ | 5 µm×5 µm マイクロビーム利用時。30 µm×30 µm ポリキャピラリー利用時。 |
放射光を励起光源とした蛍光X線分析装置であり、環境試料、生医学試料、岩石試料、各種材料中に含まれるZ>10(実用的にはZ>15)以上の元素の元素分析・状態分析・微小領域分析を行うことができます。単色X線集光光学系(KB集光、ポリキャピラリー集光)を選ぶことができます。
3.2 主要な測定モード
1)マイクロビーム利用分析
2結晶分光器をモノクロメータとして用いたKirkpatrick-Baez型集光光学系による微小領域分析が可能です。
ビームサイズ:約5 µm角。分析領域:最大2 cm×1 cm。雰囲気:大気中。X線強度:108 photons/s (@10 keV)。利用可能エネルギーは、分析対象元素濃度によりますが、 6 keV – 15 keV程度です。
蛍光X線スペクトル測定(スポット分析)と元素マッピング、およびXANES測定が可能です。
2)ポリキャピラリー集光利用分析
2結晶分光器をモノクロメータとして用いた、Poly-capillaryによるビームサイズ30 µm径(focus)-100 µm径(defocus) の集光ビームが得られます。X線強度:1010 photons/s 2結晶分光器(@10 keV)。エネルギー範囲: 6 keV~17 keV。微小領域のXANESが行えます。
蛍光X線分析、XANES分析装置一式(半導体検出器、計測機器、パソコン、パルスモータコントローラなど)。
利用実験については、あらかじめ担当者にご相談ください。
最新情報はホームページを参照してください。