AR-NE7A X線イメージングおよび高温高圧実験ステーション

担当者: 兵藤 一行
(PHS:4374)
kazuyuki.hyodo@kek.jp


1.概  要

NE7Aは、PF-AR偏向電磁石から発生する放射光を利用できる実験ステーションです。
実験ハッチ上流側のメインハッチ内には二結晶分光器が設置され、実験ハッチ内では25-55keV程度のエネルギー範囲の単色X線または白色X線を利用することができます。
実験ハッチ上流側はフリースペースとなっていて、持ち込み実験装置、またはPFに用意されている実験用定盤を利用することができます。ここでは吸収コントラストを用いたX線イメージングに関する研究等が実施されています。
実験ハッチ下流側には高圧実験装置(MAX-III)が常設されていて、単色・白色X線を用いた高温高圧下での回折・透過・吸収等の実験を行うことができます。

2.単色X線の特性

分光素子 Si(111)
X線エネルギー 25-55 keV
エネルギー分解能 ΔE/E=10-3
典型的な単色X線サイズ 横 30mm × 縦 3mm
X線強度(30keV) 約108-9 photons/mm2/s

3.実験ハッチの配置

  実験ハッチへのユーザー用出入口は2ヶ所あり、リング側の出入口1は医学応用を含むX線イメージング実験ユーザー等が利用し、実験ホール外壁側の出入口2は高圧実験ユーザーが利用できるように、実験機器、制御機器が設置されています。
 
図1-1. NE7Aハッチ平面図


図1-2. NE7A実験ハッチ及び実験フロアの様子




図2. NE7A実験ハッチ内部の様子。右側が光源側で、放射光はHe置換されたパイプ内を通り、写真左側に設置された高温高圧実験装置(MAX III)に導かれる。パイプ奥にイメージング実験用定盤が退避している。


4.実験について

両方の実験ハッチ出入口で利用するユーザーキーは1種類ですが、それぞれの出入口に ビームシャッターを開閉するためのユーザー用インターロック制御盤が設置されています。ユーザーはどちらかのインターロック制御盤を用いて放射光を実験ハッチに導くことができます。その切り替えはステーション担当者もしくは代行者がビームライン制御盤から行いますので、切り替えが必要な場合は担当者にご相談ください。 大型定盤等を実験ハッチに搬入するための搬入大扉は出入口1側に設置されています。この大扉の開閉についても担当者にご相談ください。

ビームシャッターの開閉手順は、他のX線用実験ハッチと同等です。MBS(Main Beam Shutter)、BBS(Branch Beam Shutter)は、ハッチ内の退室制御盤上の退室ボタンを押した後で、ブザー停止に合わせて電気錠を閉にすることで開くことができます。BBSを閉じれば電気錠を用いて扉を開くことで実験ハッチに入室できます。現在、PF-ARは基本的に1日2回の電子ビーム入射が行われています。このときには、自動的にMBS、BBSが閉じます。入射時間の詳細については、担当者、運転当番にご確認ください。

ビームラインの最下流部、実験ハッチの最上流部にはベリリウム板を装着したフランジが設置されていてビームライン真空を封止しています。放射光ビーム通過部のベリリウム板の酸化を防ぐために、その部分にはヘリウムガスが流されビームラインインターロックに取り込まれています。ベリリウム板付きフランジは、発光点から約20 mの位置に設置されています。白色X線の水平方向取り出し角度は約4mradです。

NE7A実験ハッチは、白色X線および単色X線を利用するためにハッチ壁にはメインハッチと同様に10mm厚の鉛を装着しています。


5.実験装置

5−1.X線イメージング関係

5−2.高温高圧実験装置(MAX-III)

この装置は放射光を利用した高圧地球科学研究を主な目的として、1998年度に八木研(東大物性研)により整備されたもので、その後大谷研(東北大)による改良が加えられて現在に至っています。

6.典型的な研究例

6−1.X線イメージング関係の研究

6−2.白色・単色X線を用いた高圧研究



Last modified : 2012-09-18