放射光研究者コミュニティの皆様へ

平成23年4月8日


  このたびの東日本大震災に際し、KEKに対して皆様から数々のご支援および、励ましのメッセージを戴き感謝いたします。KEKでは、つくば地区と東海地区ともに大きな被害が出ましたが、皆様の応援に支えられ復旧に全力を挙げているところです。

  さて、KEKにおける放射光研究の再興に向けて、加速器と実験装置の復旧とその予算措置を急いでいます。しかし、これを早期に実現するには、放射光研究者コミュニティ全体としての研究再開への取り組み姿勢が重要と考えます。また、東京電力の電力供給事情を鑑みると、それ相当の電力使用許可を得るには、自助努力が大きな要素となります。既に皆様が努力されている、予定されていたKEK放射光共同利用研究課題に対する、(1)SPring-8をはじめとする、日本の各放射光施設のビーム提供、(2)アジアを中心とする国外放射光施設利用の確保は、大きな支援となっています。このような放射光研究者コミュニティの自助努力を背景に、KEK放射光施設の復興経費、旅費、使用電力の確保に全力を尽くし、秋以降の共同利用開始を目指したいと考えております。皆様にはご不自由をおかけすることになりますが、日本の科学・技術の発展のためにご協力・連携をお願いします。

 

 

高エネルギー加速器研究機構長
鈴 木 厚 人