2014S2-006
高効率時間分解X線吸収分光法を用いた光機能性材料におけるダイナミクス研究

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関連サイト:
 ●文科省「光・量子融合連携研究開発プログラム」レーザー・放射光融合による光エネルギー変換機構の解明
 ●JST「先端的低炭素化技術開発」(ALCA)
 ●科研費新学術領域研究「人工光合成による太陽光エネルギーの物質変換」(AnApple)
 ●JSTさきがけ「光エネルギーと物質変換」

●基本情報
 ●実験責任者:野澤 俊介(PF)
 ●課題有効期間:2014/10〜2017/9
 ●実験ステーション:AR-NW14A, AR-NW10A, 12C, 9A
 ●関連課題:2009S2-001(物質・生命科学における実時間構造ダイナミクス研究)
       2004S1-001(非均衡強相関材料開拓に向けたサブナノ秒分解X線回折ビームラインの建設と利用)

●課題の概要
 本研究は光触媒や人工光合成システム等、クリーンイノベーション関連物質に対して、放射光を用いたX線時間分解計測により、レーザー光励起による反応開始直後の光触媒反応のダイナミクスを精密に計測することを目的としている。放射光が得意とする物質構造の可視化能力と元素選択的な電子状態の検出能力を最大限に利用して、時々刻々と変化する過渡的情報を計測することにより、光エネルギーの変換効率向上の妨げとなっている様々な因子の実時間直接観測を実現し、その情報を元に、よりエネルギー変換効率の高い光触媒開発に資する研究を推進することを目指す。
 本課題の共同研究者は、現在継続中のプログラムである、文科省新学術領域、文科省光・量子融合連携研究開発プログラム、JSTさきがけ、JST先端的低炭素化技術開発において、世界をリードする新規光触媒反応系の開発を強力に推進しているメンバーで構成される。本課題は上記のプログラムと強く連携して実施され、これらのプログラムで開発された均一系溶液光触媒や固体光触媒系について、過渡的な構造および電子状態変化を本課題において可視化し、その情報を上記プログラムにフィードバックすることで、光触媒による高効率な水分解反応、二酸化炭素還元反応プラントの実用化に向けた研究開発に活用する。
 均一系光触媒による水の分解反応や二酸化炭素還元反応は、再生可能なエネルギーキャリアである水素や化学原料・燃料になりうる炭素化合物を製造するための反応として近年非常に着目されている。本課題ではルテニウム、レニウムなどの重金属錯体を光触媒とする水分解反応、二酸化炭素還元反応を対象として、XAFSとX線散乱の時間分解計測によって光触媒反応の初期に生成する光励起状態が示す構造と電子状態の変化を捉え、光物性・光触媒機能との相関関係を明らかにし、光触媒反応の初期素過程の理解に基づく新規光触媒の設計指針を導出することを目標とする。

●成果発表
 ●論文


 ●PF Activity Report

 ●PFシンポジウム