2016S2-002
STXM炭素学: 局所化学種解析による有機物の進化と機能の解明

Last modified 2020-05-13 by s-proposalpfiqst.kek.jp


●基本情報
 ●実験責任者:高橋 嘉夫(東大理)
 ●課題有効期間:2016/4〜2019/3
 ●実験ステーション:13A/B, 15A1
 ●関連課題:2013S2-003(走査型透過X線顕微鏡(STXM)を用いたサステナブル科学の推進)

●課題の概要
 STXMは、50 nm以下の空間分解能で炭素の局所状態分析(官能基マッピング)が可能な手法である。我々は、炭素の科学が包含する重要な課題にたいして、最も有効な手法であるSTXM法を適用し、「人類に夢を与える科学」と「将来の安全安心を構築するための科学」を発展させることを目指す。その目的のために、STXMを用いた局所化学状態分析に基づいて有機物の進化と機能を追求する科学を「STXM炭素学」と呼び、関連のある第一線の研究者の参画を得て、学際的な本S2型課題を提案するに至った。これらの研究は、以下の3つに分けられる。
【研究1】地球惑星環境における有機物の起源と進化: 宇宙空間には初期的に多くの有機物が存在し、それらは様々な化学変化を受けて多様化している。一方、地球上の有機物は、生命の進化とも関連するだけでなく、その生成物の一つである化石燃料は人間にとって重要なエネルギー源となっている。これらの有機物の進化に関わる課題として、「太陽系に初期的に存在する有機物の特徴とその役割の解明」と「地層中での有機物の変化と化石燃料の生成過程の考察」にポイントを絞って、STXM研究を展開する。
【研究2】有機物と現在の地球環境:天然有機物は、現在の地球環境においても非常に重要な意味を持つ。まず、土壌や堆積物中の有機物は地球全体の中で最大の炭素貯蔵庫であり、その増減は大気中の二酸化炭素濃度と直結する。一方、こうした有機物は、環境中に存在する様々な物質の挙動にも大きな影響を与える。以上から研究2では、地球表層の有機物の循環、固定化、溶解性、他の物質との相互作用の理解を進めるために、STXM研究を展開する。
【研究3】炭素物質を用いたサステナブル科学: 人工的に合成した炭素物質も、サステナブル社会を構築する上で無くてはならない。また、このような高機能な炭素物質は、微生物や植物も生産しており、これらの物質の活用も、サステナブル社会の構築において重要である。ここでは、有機薄膜太陽電池の開発や燃料電池の炭素系負極活物質の最適な物質の探索」や「鉱物資源の開発において有用な微生物による鉱物溶解の機構解明」を扱う。
【研究4】上記研究の進展を支えるために、「多様なニーズに対応したcSTXM分析の高度化」として、BL-13AのcSTXMの高度化とBL-15AでのcSTXM(2号機)の運用・活用を図る。

●成果発表
 ●論文


 ●PF Activity Report

 ●PFシンポジウム

●その他