2016S2-006
低速陽電子回折法による表面構造解析

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●基本情報
 ●実験責任者:兵頭 俊夫(KEK-PF)
 ●課題有効期間:2016/10〜2019/9
 ●実験ステーション:低速陽電子

●課題の概要
 低速陽電子回折(LEPD)実験では,低エネルギー(50 eV - 500 eV)の高輝度陽電子ビームを試料に垂直に入射し,その回折パターンを観測する.そのためには,高強度の低速陽電子ビーム及び非磁場領域にて高輝度化した低エミッタンスビームが必要となる.この目的には,原子炉もしくは加速器ベースの高強度低速陽電子ビームの大型施設の利用が適している.ただし,パルス運転加速器ベースのビームの場合には,検出器として用いるDLDでパイルアップすることなく測定するためにパルスストレッチシステムも必要となる.また,高輝度化した後のビームをグランド電位で輸送できると利便性が高い.世界の大型低速陽電子実験施設の中で,現時点でこれらの条件を満たしているのは,KEKの低速陽電子実験施設のみである.基本的に既に開発済の既存のビームラインを用いて実験を遂行することが可能であるが,ビームの高度かつ難易度の高い調整や装置類の整備が必要であり,KEK外部の研究者にも,併任あるいは客員といった身分でPF職員と同等にかなりの時間をPFでの実験に割いてもらえるだけの体制を構築する必要がある.実験は,ビーム調整と新規に開発する装置類の調整,必要な統計精度を確保するために測定時間等を鑑み,年3期のビームタイムのうち,1期ごとに約2週間のビームタイムを必要とする.また,ビームタイム以外にも装置開発のための作業が必要である.マンパワーに関しては,代表者を含めたKEK職員,量研機構の主幹研究員,産総研の主任研究員,千葉大学教授,東京学芸大学研究員等が参加して実際の作業を行い,実験を遂行することは十分に可能である.

●成果発表
 ●論文


 ●PF Activity Report

 ●PFシンポジウム