磁性薄膜・多層膜を究める

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プログラム

【研究会の報告と今後に関するお知らせ】

　本研究会は2011年3月11, 12日の両日，小林ホールにて開催される予定でしたが，3月11日の午後，講演の最中に東日本大震災に見舞われ，中断を余儀なくされました。この地震よって会場も停電になりましたが，自動的に非常灯が点灯し，落下物もありませんでしたので，参加者は全員，安全に屋外に避難することができました。当日は，交通機関の混乱より帰宅できずにホテルや避難所で一夜を過ごした方も多く，帰宅できた方も長い時間がかかったとのことです。自然災害とはいえ申し訳ありませんでした。
　
　結果的に研究会は1/4も終わらないうちに中断されてしまいましたが，年度末の慌ただしい時期にもかかわらず，事前登録63名に加えて当日参加も13名いらっしゃいました。お忙しい中講演を引き受けて下さった皆様を始め，多くの参加者の熱意に応えるべく，可能であれば今秋にでも再度，研究会を開催したいと考えておりますので，その際には再びご参集のほどをよろしくお願いします。

　最後になりましたが，今回の東日本大震災で被災した皆様に心よりお見舞い申し上げます。なお，研究会の中断によって懇親会も中止になりましたが，すでに会費を支払われていた参加者の皆様から有志を募り，懇親会費の一部を震災の義援金として日本赤十字社に寄付させていただきました。今後の復興に少しでも役立てば
幸いです。

【プログラム】

特別講演 (50音順)

小野輝男（京都大学化学研究所）

「スピントロニクス研究の進展と放射光への期待」

柿崎明人（東京大学物性研究所）

「スピン分解光電子分光による磁性薄膜の研究」

齊藤英治（東北大学金属材料研究所）

「モット絶縁体のスピントロニクス」

高梨弘毅（東北大学金属材料研究所）

「磁性多層膜とスピントロニクス」

中尾裕則（KEK-PF）

「マンガン系人工超格子における電荷・磁気状態の研究」

藤森淳（東京大学大学院理学系研究科）

「XMCDを用いた磁性薄膜，ナノ構造の研究」

3月11日(金）
10:00-	受付
10:30-10:40	はじめに
磁気異方性の制御　座長：酒巻真粧子
10:40-11:00	深さ分解XMCD法で切り開く分子吸着Fe/Cu(001)の磁気構造-EXAFSによる薄膜構造解析と併せて- 阿部仁(KEK-PF)
11:00-11:20	ナノ構造の磁気異方性と電界効果小田竜樹（金沢大学大学院自然科学研究科）
11:20-11:40	スピネルフェライトエピタキシャル薄膜の垂直磁気異方性柳原英人（筑波大学大学院数理物質科学研究科）
11:40-12:40	昼食
12:40-13:00	写真撮影
スピントロニクスの最前線　座長：壬生攻
13:00-13:30	特別講演磁性多層膜とスピントロニクス高梨弘毅（東北大学金属材料研究所）
13:30-14:00	特別講演モット絶縁体のスピントロニクス齊藤英治（東北大学金属材料研究所）
14:00-14:20	休憩
PFの現在と未来　座長：阿部仁
14:20-14:50	PFにおけるVUV・軟X線を用いた磁性薄膜・多層膜研究雨宮健太（KEK-PF）
14:50-15:20	PFの将来計画　-エネルギー回収型ライナック(ERL計画)- 河田洋（KEK-PF）
15:20-15:40	休憩
ユニークなプローブを活かす　座長：中尾裕則
15:40-16:00	J-PARC偏極中性子反射率計による磁性薄膜・多層膜の磁気構造解析の展開武田全康（日本原子力研究開発機構量子ビーム応用研究部門）
16:00-16:20	ミュオンスピン緩和で見た希薄磁性半導体の強磁性後神達郎（コロンビア大学）
16:20-16:40	メスバウアー分光法を用いた磁性薄膜のキャラクタリゼーション -放射線源実験と放射光実験- 壬生攻（名古屋工業大学電気電子工学科）
16:40-17:00	時間分解XMCD-PEEMによる磁気渦構造のダイナミクス測定福本恵紀（東京工業大学大学院理工学研究科）
17:00-17:20	休憩
近未来のスピントロニクス　座長：柳原英人
17:20-17:40	高周波スピントロニクスと磁化ダイナミクス鈴木義茂（大阪大学大学院基礎工学研究科）
17:40-18:00	強磁性ナノ狭窄構造薄膜を用いたスピントロニクスデバイスの提案今村裕志（産業技術総合研究所ナノ理論グループ）
18:00-18:30	特別講演スピントロニクス研究の進展と放射光への期待小野輝男（京都大学化学研究所）
19:00-	懇親会
3月12日（土）
8:40-9:30	PFツアー(希望者）
放射光を用いたキャラクタリゼーション　座長：山崎裕一
9:30-10:00	特別講演マンガン系人工超格子における電荷・磁気状態の研究中尾裕則（KEK-PF）
10:00-10:20	放射光電子分光法によるLa_0.6Sr_0.4MnO₃/SrTiO₃スピントンネル接合界面の電子状態解析組頭広志（東京大学大学院工学系研究科）
10:20-10:40	共鳴X線磁気散乱による間接交換結合多層膜の非磁性層の誘起磁性細糸信好（奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科）
10:40-11:10	特別講演 XMCDを用いた磁性薄膜，ナノ構造の研究藤森淳（東京大学大学院理学系研究科）
11:10-11:30	休憩
次世代の新奇材料を求めて　座長：村上洋一
11:30-11:50	ペロブスカイト鉄酸化物エピタキシャル薄膜の秩序構造と磁性大友明（東京工業大学大学院理工学研究科）
11:50-12:10	シアノ錯体薄膜の深さ分解XAFSと放射光への期待守友浩（筑波大学大学院数理物質科学研究科）
1210-12:30	磁気円二色性で探る分子・ナノ炭素-磁性金属系のスピン状態松本吉弘（日本原子力研究開発機構先端基礎研究センター）
12:30-13:30	昼食
ナノ構造の表面科学　座長：細糸信好
13:30-13:50	表面ナノ構造の作成と磁性小森文夫（東京大学物性研究所）
13:50-14:10	スピン偏極SEMによるナノ積層構造の実空間分析甲野藤真（産業技術総合研究所エレクトロニクス研究部門）
14:10-14:30	表面吸着分子の超構造形成に伴う二次元近藤格子の形成とその磁気的性質塚原規志（東京大学大学院新領域創成科学研究科）
14:30-14:50	表面修飾によるFe₃O₄最表面ハーフメタル性回復現象倉橋光紀（物質・材料研究機構量子ビームセンター）
14:50-15:20	特別講演スピン分解光電子分光による磁性薄膜の研究柿崎明人（東京大学物性研究所）
15:20-15:30	おわりに