PF研究会「生体や環境研究に対するXAFSを中心とした
放射光の応用と進展」開催のお知らせ

- 2010年7月2日(金)〜3日(土)-



趣旨:XAFS法は、測定対象の物質について、物質中の特定原子種から見た局所的な構造に関する情報を与えるため、物質科学の重要な研究手法として発展してきた。XAFS法の大きな特徴として、原理的には試料の状態(気体/液体/固体や結晶/非晶質、結合の種類、等)に依らず測定可能で、その時、測定対象の原子種の周辺局所局所構造に関する予備知識が少なくても結果が得られることや、測定自体が元素検出の側面を持ち、特定の元素の有無を検出しつつ局所構造を測定できることなどがある。この様な特徴を生かして、近年XAFS法は生体や環境の研究に応用されるようになった。また、XAFS法以外でも放射光を用いた測定手法、研究手法は生体や環境の研究に大きく貢献している。本研究会では、まず放射光を用いた測定が生体や環境の研究にとってどの様なメリットを持ち、どの様に利用されているのかを明らかにする。さらに、放射光を用いた研究と連動して当該の分野で期待される研究の広がりについて、あるいは放射光が将来どのように利用される可能性があるのかを明らかにし、分野を横断する研究者との議論の中で新たな応用の可能性についても議論を行うことを目的とする。

会期:2010年7月2日(金)・3日(土)

会場:
高エネルギー加速器研究機構 4号館2階輪講室1 (茨城県つくば市大穂1-1)(4号館の場所

交通:
 車  常磐自動車道「桜土浦」インターより東大通りを筑波山方面へ20分
 電車 ○JR常磐線「ひたち野うしく駅」よりバスで「つくばセンター」へ25分、
     「つくばセンター」より「高エネルギー加速器研究機構」へバスで20分
     ○つくばエクスプレス「つくば駅」下車、隣接の「つくばセンター」より「高エネルギー加速器研究機構」へバスで20分。
       つくばエクスプレス時刻表
       つくば駅・KEK間のバス時刻表
       つくばエクスプレスのホームページ
 バス  東京駅より「つくば号」で「つくばセンター」下車(約1時間)、
     「つくばセンター」より「高エネルギー加速器研究機構」へバスで20分
 詳しくは「KEKまでの交通」をご覧下さい。

参加費:無料

提案者: 田渕雅夫(名古屋大学大学院工学研究科)
      野村昌治(KEK-PF)

世話人:仁谷浩明(KEK-PF) hiroaki.nitani@kek.jp

参加申込み:下記の参加申込みフォームよりお申込みください。
         旅費、宿舎の伴わない参加については当日まで受け付けますが、
         旅費のサポート、共同利用者宿泊施設(ドミトリー)の希望は6月18日で締切ました。
         宿舎をご希望の方は共同利用者支援システム
より直接お申込み下さい。
         講演者の方もこちらの参加申込みフォームよりお申込下さい。

         <旅費の支給について>当研究会では講演者と遠方からの参加者を優先に予算の範囲で旅費の支給を計画しています。
         講演者以外には確約はできませんが、旅費の支給のご希望を お聞かせください。締切後に旅費の有無についてご連絡させていただきます。
         

要旨提出:講演者の方にはアブストラクトの提出をお願い致します。
       形式自由、A4 1枚を6月25日(金)までに高橋(tyoshimi@post.kek.jp)までお送り下さい。
       届き次第順次HPに掲載させていただきます。
       また当日配布します要旨集と終了後に発行されます報告集にも使用させていただきます。

懇親会:7月2日(金)の講演終了後に開催します。どうぞご参加下さい。
      場所:研究本館小林ホール前ラウンジ  会費:3000円

プログラム: **KEKのデータベース「KISS」にプロシーディングスが掲載されています。**

7月2日(金)
14:00〜14:25 塩素のNEXAFSによる環境分析: ダイオキシン類などの生成機構への適用例 国立環境研究所 藤森 崇
14:25〜14:50 水田土壌とイネの根の周辺のヒ素の化学形態 農業環境技術研究所 山口紀子
14:50〜15:15 マンガン酸化菌が生成したマンガン酸化物による元素の価数変化 日本原子力研究開発機構 田中万也・大貫敏彦
15:15〜15:40 バルクXAFSおよびマイクロXAFS法を組み合わせた有害元素の土壌挙動メカニズム解明 静岡県立大学 光延 聖
15:40〜16:05 海洋生物や環境試料に高濃度に濃縮した元素に対する非破壊状態分析 徳島大学 沼子千弥
16:05〜16:15 休憩
16:15〜16:40 衛生陶器や建材に対するXAFSの応用研究 INAX 井須紀文
16:40〜17:05 腐植物質中の鉄の存在状態の違いによる腐植物質と微量元素の錯生成の変化 日本原子力研究開発機構 山本祐平
17:05〜17:30 アンチモンの河川水中での存在化学形態と環境化学同位体トレーサーとしての可能性 海洋研究開発機構 谷水雅治
17:30〜17:45 ヒ素のスペシエーションと安定性解析に基づくカルサイトへのヒ素の共沈挙動解明 広島大学 横山由佳
  懇親会  
 
7月3日(土)
9:00〜9:25 蛍光XAFSによる植物の重金属蓄積機構の解明 東京電機大学 保倉明子
9:25〜9:50 ヒト試料中金属のスペシエーションにおけるXAFSの有効性 愛媛大学 板井啓明
9:50〜10:15 蛍光XAFS法による堆積物中に含まれる硫黄の化学状態分析 東京大学 松尾基之・小豆川勝見
10:15〜10:40 逐次溶解法とXAFS法を併用した重金属元素の形態分析 産業技術総合研究所 太田充恒
10:40〜11:05 XAFSによるAs(V)の水酸化物共沈機構の解明 早稲田大学 所千晴
11:05〜11:10 休憩
11:10〜11:45 ERLから得られる光の性質と利用研究 KEK/PF 足立伸一
11:45〜12:45 昼食
12:45〜13:10 エアロゾル中の元素の化学変化と環境影響 広島大学 高橋嘉夫
13:10〜13:35 下水汚泥および焼却灰に含まれる微量有害金属の挙動 京都大学 高岡昌輝

13:35〜14:00

地球深部の酸化還元状態 東京大学 鍵 裕之
14:00〜14:25

地球工学技術における化学スペシエーションの重要性
−地球工学技術者のニーズと分析化学者への要望−

北海道大学 佐藤 努
14:25〜14:50 二酸化マンガンへの金、白金の吸着挙動:鉄マンガンクラストへの微量元素の濃縮機構 九州大学 横山拓史
14:50〜15:05 モリブデンおよびタングステンの鉄マンガン酸化物への吸着構造と同位体比変動の関係 広島大学 柏原輝彦
15:05 閉会

 

2013-08-27 by