八島正知氏(東京工業大学)が
日本金属学会功績賞を受賞されました。

2008年3月27日


 

 東京工業大学・大学院総合理工学研究科・材料物理科学専攻・准教授の八島正知(やしま まさとも)氏が、日本金属学会第66回功績賞(工業材料部門)を受賞されました。この賞は、「金属学または金属工業技術の進歩発達に寄与する有益な論文を発表し、かつ将来を約束されるような新進気鋭の研究者、技術者であって、工業技術部門については満45歳以内の金属学会会員」に授与されるものです。

 今回の受賞は、「高温での構造物性の開拓」に関する業績が高く評価されたものです。八島氏は空気中1600℃程度までの高温に試料を保持して、高分解能放射光粉末回折測定および中性子回折測定を行い,精密結晶構造解析を可能にする,新しい加熱システムをいくつか開発しました。その中にはPFのBL-4B2やBL-6Cの回折計に設置できる試料加熱装置も含まれています。これら開発した加熱装置を活用することによって、同氏は、種々の高速イオン伝導体における可動イオンの拡散経路と不規則構造,および種々の材料における化学結合を可視化することに成功しています。また,電子材料,構造材料,環境・エネルギー材料,触媒等の結晶構造、相転移機構および電子密度を明らかにしています。

 受賞対象となった研究成果のいくつかはPFのBL-6CやBL-4B2における実験と装置開発によるものであり、PFでの放射光利用研究が工業材料分野および材料科学工学分野に大きく貢献していることが、金属学会においても高く評価されました。

 贈呈式は、2008年3月26日に日本金属学会2008年春期(第142回)大会(武蔵工業大学世田谷キャンパス)において行なわれました。

<関連サイト>

日本金属学会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jim/

News@KEK 「加熱中の材料の構造を実況中継」
http://www.kek.jp/newskek/2006/janfeb/heat.html

PFトピックス「1900Kまで試料を高温加熱できる高分解能放射光粉末回折システムを開発」
http://pfwww.kek.jp/topics/041026.html

東京工業大学 八島研究室
http://www.materia.titech.ac.jp/~yashima/Yashima-Jpn.html

 

     

贈呈式にて                  

 


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