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主催

日本結晶学会

 

 はじまり

2014年が世界結晶年(IYCr2014)に制定され、その記念イベントとして結晶学に関係する対称性・群論の基礎知識を集中して勉強する講座を企画したのがはじまりでした。

 対称性や群論は、結晶学の基礎となる知識ですが、結晶学を基盤とする研究に従事する方々でも、「対称性と構造や物性との関連に関する自身の知識が表面的であり、系統的な群論の側面から議論を掘り下げることが難しい」という感想をしばしば聞きます。多くの方が学部や大学院で結晶学の講義を受けており、結晶学に関連する対称性や群論については基本知識として知っています。しかし、本格的に利用しようと思うと、なかなか手が出せないという経験をお持ちの方は多いと思います。そこで、改めて結晶学の基礎をより深く理解していただくことで、みなさんの研究を更に一歩深めるきっかけになれば、という想いから 「対称性・群論トレーニングコース」を計画しました。しかし、会場等の都合から会期は夏休み・お盆休みと重なる日程となり、プログラムも3日間にわたって朝から晩まで合宿形式で勉強するハードなものでしたので、本当に参加申込があるか、半信半疑でもありました。ところが、参加申込を開始してみると、予想を大きく覆して、申込開始から1週間で定員超過の好評をいただき、改めて対称性や群論について勉強する機会への潜在的なニーズは大きいのだということを実感しました。

 計画段階で、海のもの、山のものともわからないトレーニンゴグコースの講師を引き受けてくださったのが,フランス・ロレーヌ大学結晶学教室のネスポロ・マッシモ(NESPOLO Massimo)教授でした。ネスポロ先生は結晶学に関係する対称性や群論の講義をされた経験を多くお持ちで,2014年8月まで9年間,国際結晶学連合数理結晶学委員会の委員長(現在は顧問)も務められた方です。また,東京大学で学位を取られ,講義はすべて日本語で行われ、資料も全て日本語で作成されています。

 その後、参加者からのリピート要望や参加できなかった方からのご要望に後押しされ、第2回、第3回、と回を重ね、2016年8月には初めてのアドバンストコースも開催しました。主催・共催機関をはじめ、多くの方々からのサポートに支えられ、開催を続けてきた本トレーニングコースの参加者は2017年5月現在でのべ250名を超えました。大学院生から大学教授、国立研究所や民間の研究者まで幅広い層の方々から参加をいただき、トレーニングコースで勉強したことが役立ったとのお声をいただく度、実行委員一同大変うれしく思っております。本講座が皆さんの研究の一助となれば幸いです。

2017年5月
実行委員一同