非平衡ダイナミクス of ERL情報サイト



物質の究極の姿を探る光
エネルギー回収型ライナック光源(Energy Recovery Linac)情報サイト

フェムト秒パルス特性を活かしたサイエンス

非平衡ダイナミクスに基づく物質開拓


 近年、これまでの静的な物質構造に基づく物性研究のパラダイムを超えるものとして、物質の動的な構造変化(非平衡ダイナミクス)と物質機能との関わりを探る物性研究が世界的な潮流となりつつあります。これまで構造研究の手法としては、X線を用いる測定法が王道であり、放射光を用いた構造解析法が進展してきました。また物質構造だけでなく、電子構造を見るためには、軟X線分光や光電子分光が重要となります。今後の展開として、物質構造と電子状態双方の動的変化に迫る為の時間分解放射光測定法の発展が期待されます。フェムト秒パルス光源としての放射光のメリットは、軟X線から硬X線のエネルギー領域で高強度であり、エネルギー可変性を持つことです。放射光の高輝度性を活かした高エネルギー分解能測定、ナノビーム測定は、レーザー光源では実現困難であり、フェムト秒パルス特性を活かした放射光測定法として、今後有望な方向性であると期待されます。