文部科学省「先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業」

 

 

 

 

フォトンファクトリーの産業利用促進

 

平成27年度利用課題募集要項

 

 

 

平成27年4月2日

 

 

大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構

物質構造科学研究所 放射光科学研究施設

 

 

 

 

 

「フォトンファクトリーの産業利用促進」

平成27年度トライアルユース課題募集要項

フォトンファクトリー(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 放射光科学研究施設)は、文部科学省の補助事業「先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業」の一環として実施している「フォトンファクトリーの産業利用促進」事業において、産業利用促進のためトライアルユースによる課題を募集します。応募締め切りは平成27年10月14日(水)17時です。より良い課題申請書作成のために事前打合せを行っております。事前打合せを行うには課題応募する旨平成27年9月24日(木)までに共用促進リエゾンにご連絡ください。これ以後でも受け付け可能ですが、関係者の日程調整が難しくなりますことをご了解願います。応募課題は審査委員会での審査に基づき採否が決定され、採択された課題は平成28年1月からフォトンファクトリーの放射光研究施設を利用して実験することが可能になります。なお随時募集も受け付けておりますので、早急に利用を開始されたい場合にはご相談ください。

 

 

以下の要項に沿って、産業界からの応募を歓迎します。

(連絡先: 共用促進リエゾン mailto:pfkyoyo@pfiqst.kek.jp、電話:029-864-5298)

 

 

1.事業の概要

「フォトンファクトリーの産業利用促進」事業は、フォトンファクトリーが培ってきた放射光による材料評価・解析技術を、エネルギー、環境、情報通信、創薬等の広範な産業分野における企業の研究開発に活用していただくことを目的としています。

特に、これまで放射光利用に馴染みがなかった企業の方にも容易にご利用いただけるよう、専任のスタッフによる事前の技術相談や、実験計画、実験操作、データ解析・解釈等を支援する体制を充実させ、フォトンファクトリーの知恵と技術を産業界の技術課題の解決に活用していただくことを目指します。

トライアルユースでは、このような支援および研究施設の利用に関し利用者の費用負担はありませんが、利用報告書は原則公開となります(特許出願等の理由がある場合は、最長2年間の公開延期が可能です)。なお、成果非公開を希望される場合は有償利用制度を利用していただくことになり、申請手続き等が異なります。上記連絡先にお問い合わせ下さい。

 

「先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業」は、平成25年度から文部科学省が開始した事業で、大学・独立行政法人等が保有する先端研究施設・設備について、産業界をはじめとする産学官の研究者等への共用を促進するとともに、多様なユーザーニーズに効果的に対応するプラットフォームの形成を促進し、もって科学技術イノベーションによる重要課題の達成、日本企業の産業競争力の強化、並びに研究開発投資効果の向上に貢献することを目的としています。詳しくは当事業のホームページをご覧下さい。トライアルユースは、産業界の利用ニーズの掘り起こしを目的とした無償利用枠で、その要件等については「4.利用の方法」をご覧下さい。なお、平成27年度の事業予算あるいは事業形態の状況によって研究計画等についての変更もあり得ますのでご注意ください。

 

2.フォトンファクトリーの概要

フォトンファクトリーはその名の通り光の工場で、PF(蓄積電子エネルギー2.5 GeV)とPF-AR(同6.5 GeV)の二つの放射光源により、10 eV程度の真空紫外光から100 keV程度の硬X線までの広いエネルギー領域の放射光を利用できる放射光研究施設です。50以上の実験ステーションがあり、硬・軟X線XAFS、イメージング、単結晶構造解析、粉末X線回折、高圧下でのX線回折、X線小角散乱、光電子分光、光電子顕微鏡、磁気円二色性分光等、バラエティに富んだ実験を行うことが可能です。詳しくはフォトンファクトリーのホームページをご覧下さい。

フォトンファクトリーは大学共同利用施設であり、大学等による共同利用課題が年間約800件実施されています。産業利用は、これまで有償の共同研究制度、あるいは施設利用制度により年間約50件程度実施されてきました。本事業では、無償のトライアルユースにより産業界の利用ニーズに応え、産業利用を促進することを目指しています。

 

3.本事業で使用する主な実験手法

本事業で使用する主なツールは硬X線XAFS(X線吸収微細構造分光法)、イメージング(トポグラフィー、位相・屈折・吸収イメージング)、軟X線XAFS、光電子分光、粉末X線回折、X線小角散乱等です。これらの概要を以下に示します。

 

【硬X線XAFS】 PF: BL-9A, -9C, -12C, -15A1, PF-AR: NW2A, NW10A

原子の吸収端近傍のX線吸収スペクトルの微細構造を解析することにより、対象原子の化学形や近傍の原子との結合状態に関する情報を得る手法です。元素や、試料の状態・雰囲気等の選択の自由度が大きく、様々な化学・材料研究の有用な手段となっています。

PFの放射光は、比較的低エネルギー領域でも大強度が得られるので、S, Cl, K, Caなどの軽元素の測定にも十分対応できます。動的な変化を時間分解観測する技術も開発されています。特にDXAFS(Dispersive XAFS)は、入射X線の波長分散を角度分散に変換し位置敏感検出器で検出することにより、XAFSスペクトルを一度に測定できるユニークな手法で、触媒金属の高温ガス中での反応のミリ秒オーダーでの実時間追跡などに威力を発揮しています。

蛍光X線でXAFSを測定すると、ppmから10ppmオーダーの微量成分の解析が可能になります。また、放出電子で測定すると、表面近傍の情報を得ることができます。

 

【トポグラフィー】 PF: BL-3C, -14B, -20B

結晶内部の2次的構造(転移、欠陥、格子歪み等)の分布をブラッグ反射を利用して画像化して観察することにより、結晶の完全性を評価する手法です。結晶であれば、無機、有機を問わず適用可能です。結晶歪みに対する感度は大変高く、他に追随する方法がないといえます。空間分解能はX線CCDカメラでは6ミクロン程度、原子核乾板では1ミクロン程度、さらに拡大光学素子を用いることによりサブミクロンの領域も可能となります。大強度の放射光を線源として利用することにより、動的な変化を実時間で観測することも可能になっています。

 

【位相・屈折・吸収イメージング】 PF: BL-14B, -14C, PF-AR: NE7A

試料によるX線の位相シフト、屈折、あるいは吸収を利用して、試料内部の構造を画像化する手法で、工業材料や生体軟組織などの非破壊観察に役に立ちます。トモグラフィ(CT)と組み合わせることにより、試料の断層像や三次元像を得ることができます。有機材料や生体軟組織など、X線の吸収では充分なコントラストが得られない試料に対しては、X線の位相シフトや屈折を利用して可視化する方法(X線位相コントラスト・屈折コントラストイメージング) が威力を発揮します。放射光は実験室X線源より数千倍以上輝度が高いため、画像の空間分解能、時間分解能、濃度分解能などを飛躍的に向上させることができ、この方法の有用性を高めています。

 

【軟X線XAFS】 PF: BL-11A, -11B

軽元素のX線吸収端は3 keV以下の軟X線領域にありますので、その周辺の電子状態や局所構造をXAFS法で解析する場合、軟X線分光ビームラインを利用することになります。軟X線は、硬X線に比べて物質との相互作用(吸収)が大きいため、試料の状態や測定手法には多少の制約がありますが、C, N, O, F, Na, Mg, Al, Si, P, S, Clなどの軽元素について、電子収量法もしくは蛍光X線収量法による測定が可能です。

 

【光電子分光】 PF: BL-13A, -13B

光電子分光法は、光電効果により物質の表面から飛び出してきた電子の運動エネルギーを測定することにより、物質中の化学状態や電子状態を調べる手法です。非破壊で、元素選択的な化学状態及びその表面・界面からの深さ分析が得られるという特徴があります。この方法は従来より半導体デバイスの表面・界面分析を含め、あらゆる材用の分析に用いられています。X線管を線源とする市販装置が普及していますが、励起光として放射光を用いることで、高エネルギー分解能でかつ高効率・高精度な分析が可能になります。

 

【粉末X線回折】 PF: BL-8A, -8B

X線回折(X-ray diffraction, XRD)は、規則的に並んだ結晶格子面にX線を入射すると、特定の方向に強いX線が散乱される現象(回折現象)を利用した測定法です。回折X線の位置や強度、ピークの線幅などから結晶固有の規則性に関する情報が得られ、結晶中の原子の位置、結晶性(結晶粒のサイズ)、結晶の配向性(結晶方位の分布)などの解析が可能です。X線管を利用した測定装置でもおなじみですが、放射光を使った回折実験では、入射X線の強度が強く、ごく微量での測定が可能なことはもちろん、分解能が高く、測定波長が変更可能などの特徴があります。フォトンファクトリーでは、二次元ディテクタを用いた微少量試料での迅速な測定に加え、温度・圧力など外場による試料環境の制御を行った測定も可能です。試料空間は比較的自由度が高く、粉末試料以外に、単結晶、薄膜試料などにも対応可能です。

 

【X線小角散乱】 PF: BL-6A, -10C, -15A2

X線小角散乱(Small-Angle X-ray Scattering, SAXS)は、物質にX線を透過させた時、およそ5度以下の散乱角度領域に現れる散乱を小角散乱と呼び、その散乱角度に対応する数ナノ〜数百ナノメートルの空間スケールの物質の構造情報を解析する手法です。測定試料は、有機・高分子薄膜、結晶性高分子、ブロック共重合体、金属材料、生体高分子、脂質、繊維など多岐に渡り、それらの分子サイズ、形状はもちろん、周期構造、配向性などの情報を得ることが可能です。一方、散乱角10度以上、すなわち0.1ナノメートルスケールの空間情報を計測する高角散乱(回折)(Wide-Angle X-ray Scattering(Diffration), WAXS(WAXD))をSAXSと同時に計測するSAXS/WAXS(WAXD)同時測定が一般的であり、電子密度レベルからナノ・メソスケールまでの構造・物性評価を行い、ソフト&ハードマテリアル分野における新規材料創成・開発に活用されています。

 

上記手法以外の利用も可能です。各実験ステーション(ビームライン)で行える研究内容や、その機能・性能についてはフォトンファクトリーホームページの実験ステーション・実験装置紹介ページをご覧下さい。

 

4.応募要件、利用の方法

(1)利用者、利用課題の要件

・利用者は、企業等(単独の企業、複数企業の共同、業界コンソーシアム、地域公設試験所等)とします。共同研究者として大学や独立行政法人等を含むこともできますが、主たる利用者は企業等であるものとします。

 

・利用課題は、平和利用を目的とし、かつ企業等(業界コンソーシアムまたは地域公設試験所等の場合はその参画企業)が将来の産業利用のため、産業技術上の課題解決に取り組むものとします。

 

(2)トライアルユースの要件、利用期間

・トライアルユースは新規利用ニーズの掘り起こしに資するという制度上の趣旨に鑑み、利用者がPFの新規もしくはそれに近い利用者であるか、あるいは対象技術(現象や測定・解析手法等)が新規であるものとします。さらに、将来的にPFを利用することを視野に入れ、そのためのフィージビリティ・スタディと位置づけられるような実施内容とします。

 

・トライアルユースの利用は、同一部署による利用又は同種の課題に関する利用については2利用単位までに限ることとします。この2利用単位までという制限は、同種の課題についてPF以外の研究機関等において先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業によるトライアルユースの利用がある場合は、その期間も通算して適用するものとします。

PFにおける1利用単位の具体的期間は、最長1年の範囲内で、課題審査委員会において個々の課題ごとに利用者や課題の性格・内容等を総合的に判断して決めるものとします。

 

・トライアルユースによる利用終了後、さらにPFの利用を希望される場合は、有償利用に移行していただきます。

 

・1利用単位のトライアルユース利用を終了後、さらにトライアルユースによる利用を必要とする場合は、改めて課題申請をし、課題審査委員会での審査を受けていただきます。

 

・トライアルユースによる無償利用の場合、利用報告書は公開とします。ただし、特許出願、論文発表等、妥当な理由がある場合は、最長2年間の公開延期が認められます。非公開(成果専有)を希望される場合は、有償の施設利用制度を利用していただきます。

 

(3)利用形態

・利用形態は、利用者とフォトンファクトリーの共同研究、もしくは利用者の単独利用によるものとします。両者の違いは、主要な研究部分にフォトンファクトリーのスタッフが参画するかしないかで、いずれの場合も必要な技術支援は行います。

いずれの利用形態とするかは利用者の選択によるものとします。成果の帰属や守秘等に関し明確な約定等が必要な場合に対しては、対応する契約書雛形等を用意しています。

 

(4)利用可能な時期

放射光源の稼動期間は、年度によって多少の前後はありますが、概ね以下の通りです。

4月初旬からから6月下旬

10月初旬から12月下旬

1月中旬から3月上旬

上記期間中、1日24時間、週7日体制で連続運転されます。通常、木曜日は加速器の調整等に当てられ、金曜日朝から翌週木曜日朝までが放射光利用実験に当てられます。

上記(2)項記載の利用期間中は、上記光源稼働期間毎にビームタイムの配分希望を提出することにより、ビームタイムの配分を受けることができます。

運転スケジュールはホームページの長期運転スケジュールページに掲載されています。

 

   (5)支援内容

利用者は、提案課題の研究実施に適した既存の実験ステーションを利用でき、そのためのビームタイムが配分されます。

本事業遂行のため、専任の共用促進リエゾン、および共用技術指導研究員が配置されています。共用促進リエゾンは、産業界への相談窓口として、企業等のニーズを把握し、フォトンファクトリーの技術シーズとのマッチングを図るとともに、共用技術指導研究員やフォトンファクトリーの教員と相談し、提案課題の実施方法を調整します。

共用技術指導研究員は、フォトンファクトリーの教員・技術職員とともに、利用形態や利用者の必要に応じて、実験計画の策定、測定手法の選択・最適化、試料作製、試料環境準備、実験装置操作、測定、データ解析・解釈等を支援します。

 

(6)知的財産権の取り扱い

利用者が単独でなした特許等の知的財産権は利用者帰属とします。フォトンファクトリーとの共同による知的財産権については、利用者の単独利用の場合、“大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構知的財産取扱規程(平成16年4月1日 規程第16号)” に基づき対応します。共同研究による利用の場合、知的財産権の取扱いは共同研究契約書等で規定することとします。

 

(7)利用成果の報告

利用成果が特許出願、特許取得、製品化、論文、外部での発表等につながった場合は、速やかにその概要を報告していただきます。

利用有効期間終了後60日以内を目処に、利用報告書(A4用紙 2頁~6頁程度、和文ないし英文)を提出していただきます。報告書の様式や記載内容については、添付の「利用報告書様式」に従って下さい。 この報告書は公開とし、次項記載の終了後の評価が確定後、文部科学省やフォトンファクトリーの関係ホームページ等に掲載されます。ただし、利用者が外部発表や特許出願等の理由により公開の延期を希望する場合には、理由の妥当性の審査を経て、最長2年間の公開延期が認められます。 報告書に記載された内容は、啓蒙・宣伝活動等に利用させていただくことがあります。

適宜、利用報告会を開催させていただきます。

 

(8)終了後の評価

利用を終了した課題は、フォトンファクトリー内に設ける評価委員会において技術的評価を行います。評価基準は別途規定しますが、研究が順調に進捗して所期の目標を達成し、放射光技術適用の有効性が確認されたか、産業技術上意義のある成果が得られたか、ということが評価の主点となります。また、利用報告書の公開延期の希望がある場合はその妥当性についても評価します。この評価結果は、事業の実施マネジメントの実績とともに外部の中立的有識者委員よりなる事業評価委員会に報告され、技術評価やマネジメントの妥当性について評価いただいた後、確定されます。

 

5.募集の概要、採否の決定

(1)募集時期

・定期募集

応募のための相談は常時受け付けています。年3回募集を締め切り(1月、6月、10月の各中旬の予定)、その都度審査をして採否を決定します。募集締め切りから実験開始まで、最短で2.5ないし3ヵ月程度です。
今回の募集の締め切りは、平成27年10月14日(水)17時です。採択された課題は、平成28年1月から実験可能となります。

 

・随時募集

ビームラインによっては、緊急の利用に充てるべく予め留保ビームタイムを確保しており、課題申請を随時受け付けることにより、実施までの時間短縮を図ります。受付から実験開始まで、最短で1ヶ月程度とすることも可能です。早急に利用を開始する必要がある場合は、ご相談下さい。

 

(2)応募方法

添付の「課題申請書様式」に記入し、下記連絡先の共用促進リエゾン宛てに電子メール添付ファイルにより提出して下さい。そのほか、申請者の組織、業務等の概要を説明する資料を提出して下さい。「会社案内」のような既存のものがあれば、それで結構です。印刷物の場合は10部郵送下さい。電子媒体の場合は、共用促進リエゾン宛てに電子メール添付ファイルによりお送り下さい。

 

応募に先立ち、先ず共用促進リエゾンにご連絡下さい。

共用促進リエゾン連絡先

E-mail: mailto:pfkyoyo@pfiqst.kek.jp、電話:029-864-5298

 

課題申請書の作成に当たっては、添付書類3「課題申請書作成ガイドライン」をご参照下さい。このガイドラインは、放射光利用による研究手法や、フォトンファクトリー実験施設の機能・性能等について十分な知識がある場合を想定しています。

これらに関する知識が十分でない場合は、共用促進リエゾンにご相談下さい。解決しようとする技術課題に対する有効な研究手法や実験の進め方等の検討、およびそれに基づく課題申請書記載内容の具体化について、フォトンファクトリーのスタッフがお手伝いします。

より良い課題申請書作成のために事前打合せを行っております。事前打合せを行うには課題応募する旨平成27年5月25日(月)までに共用促進リエゾンにご連絡ください。これ以後でも受け付け可能ですが、関係者の日程調整が難しくなりますことをご了解願います。

 

(3)応募課題の審査

フォトンファクトリー内に設ける課題審査委員会にて応募課題の選定を行います。

審査委員会は、外部の中立的有識者委員とフォトンファクトリー側委員より構成されます。

審査委員は、審査を通じて知り得た情報に関し、守秘義務を負います。

申請者には、審査に必要な追加情報の提供をお願いすることがあります。

審査に当たっては、課題申請書について以下の各点、およびこれらを総合した観点から評価します。
1) 技術開発上の価値、産業育成上の価値、社会的なニーズ
2) フォトンファクトリー利用の必要性、技術的な実行の可能性

3) 合目的性(平和目的、応募要件特にトライアルユースの趣旨との整合性等)

    4) 実験内容の安全性
そのほか、実験組織の能力や意欲も、採択の要件として考慮されます。また、採択件数は、フォトンファクトリー全体としてのビームタイムの需給関係や、本事業の予算規模等も勘案して決定されます。

 

(4)審査結果の通知、採択後の手続き

審査の結果は、採否に係わらず、速やかに申請者に通知されます。

採択の通知を受けた申請者は、ビームタイムの配分希望(実験計画書)を提出していただきます。これは、直近の放射光源稼働期間にビームタイムの配分を受けるために必要な手続きです。通例時間的余裕が少ないことが多く、速やかに対応していただく必要があります。

 

(5)守秘義務

フォトンファクトリーの本事業関係者は、応募課題や審査に関わる情報に関し、守秘義務を負います。また、提出いただいた課題申請書および関連資料は、審査の目的のみに使用し、公表することはありません。

ただし、採択された利用課題名および利用者名は、文部科学省に報告するほか、当機構やフォトンファクトリーのホームページに掲載する等により、公表させていただくことがあります。

 

6.その他

 

1) フォトンファクトリーで実験を実施される方は、機構およびフォトンファクトリー所定の管理規程等に従っていただきます。

2) フォトンファクトリーで実験を実施される方は放射線業務従事者となっていただく必要があり、そのために必要な特別健康診断等の費用は利用者にご負担いただきます

3) 実験実施者への旅費・宿泊費等の補助はありませんが、構内にある共同利用研究者宿泊施設を利用することができます。

4) 本事業への応募により提供された個人情報は、審査その他の本事業実施のためにのみ使用し、それ以外の目的に使用することはありません。


★申請・報告書関係書類

1: 利用報告書様式

2: 課題申請書様式

3: 課題申請書作成ガイドライン