2012S2-006
エネルギー変換材料の表面界面物性:VUV/SX放射光分光による研究

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●基本情報
 ●実験責任者:吉信 淳(東大物性研)
 ●課題有効期間:2012/10〜2015/9
 ●実験ステーション:13A
 ●関連課題:2009S2-007(有機分子−電極系の構造・電子状態と電荷移動ダイナミクス)
       2006S2-002(コインシデンス分光による内殻励起、オージェ緩和、イオン脱離の研究)

●課題の概要
 本申請では,数10eVから約1000eVまでのVUV/SX領域をカバーするBL13Aアンジュレーター光を励起光とした角度分解光電子分光(ARPES),高分解能X線光電子分光(HR-XPS),軟X線吸収分光(XAS)およびオージェ電子-光電子コインシデンス分光法などを用いて,エネルギー変換材料の表面・界面の物性(化学状態や電子状態)を明らかにすることを目的とする.
 近年,低炭素社会への取り組み,自然エネルギー利用の拡大,エネルギーのより効率的な利用などの観点から,高性能触媒,エネルギー効率の良い発光素子やデバイス,有機材料をベースとした太陽電池,可視光応答光触媒による太陽光と水からの水素発生および水素吸蔵材料などが,研究対象として極めて重要視されている.さらに,これらのエネルギー変換材料において物質変換や光電変換,電荷移動などが起こる場所は,材料の表面や複合化された材料の界面である.よって,新しい材料の表面や界面の物性つまり化学状態や電子状態を解明することは,高性能・高機能の材料を開発するために不可欠である.
 具体的には,以下のような材料系の表面界面物性を明らかにするために,高輝度放射光を励起源とするARPES,HR-XPS,XAS,コインシデンス分光を行う.
・光触媒となる酸化物・酸化物薄膜
・有機太陽電池(積層有機薄膜)および有機半導体-電極接合系
・炭化水素の水素化・脱水素化や二酸化炭素活性化のための遷移金属触媒
・排ガス処理触媒
・水素吸蔵材料
・グラフェン,シリセン,トポロジカル絶縁体などの新奇な低次元ナノ電子材料
 また,BL13Aは近い将来に2ブランチ化およびアンジュレーターの更新が予定されており,この機会を活かして,準大気圧光電子分光装置(慶応大学・近藤研究室保有)を準常設ステーションとしてどちらかのブランチに設置したい.表面化学ユーザーグループと表面ARPESユーザーグループの中心的なメンバーから構成される本S2チームは,積極的にPFスタッフと協力して,ビームライン・実験ステーションの立ち上げと最適化を行うことも重要なミッションであると考えている.

●成果発表
 ●論文


 ●PF Activity Report

 ●PFシンポジウム