2016S2-001
多次元マルチスケール計測による航空機用構造材料の耐熱性・耐環境性向上のための材料へテロ構造因子の解明

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→関連サイト:戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)革新的構造材料

●基本情報

 ●実験責任者:木村 正雄(KEK-PF)
 ●課題有効期間:2016/4〜2019/3
 ●実験ステーション:7A, 8A, 9A, AR-NW10A, 12C, 15A2, 10C, 11B, 14B, 14C, 15A1, 16A, AR-NW2A, 13A/B, 低速陽電子
 ●関連課題:2015S2-002(航空機用構造材料の耐熱性・耐環境性向上のための材料へテロ構造因子解明)

●課題の概要
 次世代航空機用材料の中で特に高機能と信頼性を必要とする機体構造材やジェットエンジン用ガスタービン部材では高温長時間使用時の環境下において物理的、化学的な要因が組合わさり劣化が進行する。部材としての供用時間を推定するためには、材料の劣化、亀裂や破壊にいたるメカニズムの考察とその発生にいたる時間の考察が重要となる。
 そこで、ボイド生成→亀裂発生・進展→破壊にいたる現象の解明と制御に必要な計測技術を航空機材料に適用する技術開発を行い、従来の分析技術では得られなかった材料へテロ構造の新視点からのプロセス指針を提示する、ことを目標として研究を行う。
 具体的な実施内容は下記の通り。
(1)全視野型X線顕微鏡(XAFS-CT)の導入・立ち上げと微細組織と化学状態の5次元構造観察
 全視野型X線顕微鏡(XAFS-CT)をPF-ARのNW2Aに導入・設置し、複合材料の結合を支配する化学状態の観察を5次元(= 空間 + in situ + dynamic)での構造解析法の実現を目標とする。目標分解能は50nm@10 keV。
(2)マルチスケール&相補的な放射光技術の活用による亀裂進展メカニズム解明
機体構造材としての繊維強化複合材料(FRP)、および耐環境性コーティング(EBC)で保護した軽量セラミックス部材(SiC/SiC)を対象として、新設するXAFS-CTを初めとした放射光技術を総括的に活用して研究を行い、その亀裂進展メカニズムを解明することを目標とする。単に個々の手法の足し合わせではなく、本提案では、相補的かつスケールの異なる観察法を複合活用した研究を行う
。 目標とする現象解明は、(1) 原子レベルでの格子欠陥の生成、(2) それが凝集し異相界面での結合弱化(数10nmレベル)、(3) 初期のミクロクラック生成(μmレベル)、(4) ミクロクラックが亀裂へと進展(数100μmレベル)、(5) 亀裂のnetworkがマクロレベルで合体 (数100μm~mm)し部品の破壊につながるメカニズム、である。得られた結果は、 (a)マテリアルズインテグレーションでの基礎データとして供与し、総合プロセス設計推進に資するだけでなく、(b)構造材料の基礎学理の面での大きな寄与が期待できる。

●成果発表
 ●論文


 ●PF Activity Report

 ●PFシンポジウム

 ●その他