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●基本情報
●実験責任者:早稲田 篤(産総研)
●課題有効期間:2016/4〜2019/3
●実験ステーション:3C
●関連課題:2012S2-004(アボガドロ定数決定のための単結晶シリコンの結晶評価)
●課題の概要
我々はこれまで、X線結晶密度法によるアボガドロ定数決定に関する研究を行ってきた。アボガドロ定数決定では、密度、格子定数、モル質量の精密測定を行うとともに、用いる単結晶シリコン の結晶完全性、欠陥評価が必須である。日本は密度の絶対測定と比較測定、結晶評価の役割を担っており、KEKでの結晶格子面間隔の一様性評価、新潟大学における低温超音波実験による原子空孔評価、SPring-8におけるコヒーレントX線による欠陥評価など、国内の諸研究機関の協力を得ながら プロジェクトを推進してきた。
結晶格子面間隔測定については、我々はいち早く超精密計測への放射光利用のポテンシャルに着目して、自己参照型X線格子比較器を考案した。従来型のものに比べて新たに考案した方法では、試料周りの空間が広く取れ、大型のスキャンステージが利用できることから、大きな試料も測定可能である。放射光のX線の強度が格段に強くなり、一回の計測時間が短く、マッピング測定も可能になった。28Si結晶の結晶評価については、2010年7月まで課題「アボガドロ定数決定のための同位体濃縮単結晶シリコンの結晶評価」(2008G689)、さらに「アボガドロ定数決定のための単結晶シリコンの結晶評価」(2010U001、2012S2-004)で、X線干渉計用素子等の結晶評価などを行ってきた。PFリングのトップアップ運転により格段に向上した安定度にも助けられ、現時点で3×10-9の分解能が達成されており、更なる装置の改良により2×10-9の分解能での計測の実現をめざしている。
本研究課題では(1) X線干渉計用に加工された同位体濃縮単結晶シリコン素子を含む同位体濃縮単結晶シリコンと、(2)本技術の応用として、空孔等欠陥の評価された自然同位体単結晶シリコンの結晶評価を行うことを提案する。
●成果発表
●論文
J. Yang, T. Li, Y. Zhu, X. Zhang, A. Waseda and H. Fujimoto
J. Synchrotron Rad. 27 (2020) 577.
Junliang Yang, Lingfei Hu, Ye Zhu, Qianshun Diao, Zhen Hong, Xiaowei Zhang, Atsushi Waseda, and Hiroyuki Fujimoto
AIP Conf. Proc. 2054 (2019) 060016.
Atsushi Waseda, Hiroyuki Fujimoto, Xiao Wei Zhang, Naoki Kuramoto, Kenichi Fujii
IEEE Trans. Instrum. Meas., 66 (2017) 1304.
G Bartl, P. Becker, B. Beckhoff, H. Bettin, E. Beyer, M. Borys, I. Busch, L. Cibik, G. D'Agostino, E. Darlatt, M. Di Luzio, K. Fujii, H. Fujimoto, K. Fujita, M. Kolbe, M. Krumrey, N. Kuramoto, E. Massa, M. Mecke, S. Mizushima, M. Müller, T. Narukawa, A. Nicolaus, A. Pramann, D. Rauch, O. Rienitz, C. P. Sasso, A. Stopic, R. Stosch, A. Waseda, S. Wundrack, L. Zhang and X. W. Zhang
Metrologia, 54 (2017) 693.
●PF Activity Report
Photon Factory Activity Report 2018 #36 (2019) 216
Photon Factory Activity Report 2016 #34 (2017) 256
●PFシンポジウム
●その他