Last modified 2018-11-12 by s-proposalpfiqst.kek.jp
→関連サイト:PF研究会「シリコン単結晶:理想品質へのあくなき追求:半導体産業の米と放射光X線光学素子として」(2012/5/26,27)
●基本情報
●実験責任者:早稲田 篤(産総研)
●課題有効期間:2012/10〜2015/9
●実験ステーション:3C
●課題の概要
我々はこれまで、X線結晶密度法によるアボガドロ定数決定に関する研究を行ってきた。アボガドロ定数決定では、密度、格子定数、モル質量の精密測定を行うとともに、用いる単結晶シリコンの結晶完全性、欠陥評価が必須である。日本は密度の絶対測定と比較測定、結晶評価の役割を担っており、KEKでの結晶格子面間隔の一様性評価、新潟大学における低温超音波実験による欠陥評価、SPring-8におけるコヒーレントX線による欠陥評価など、国内の諸研究機関の協力を得ながらプロジェクトを推進してきた。
結晶格子面間隔測定については、我々はいち早く超精密計測への放射光利用のポテンシャルに着目して、自己参照型格子コンパレータを考案した。従来型のものに比べて新たに考案した方法では、試料周りの空間が広く取れ,大型のスキャンステージが利用できることから、大きな試料も測定可能である。放射光のX線の強度が格段に強くなり,一回の計測時間が短く,マッピング測定も可能になった。28Si結晶の結晶評価については、2010年7月まで課題「アボガドロ定数決定のための同位体濃縮単結晶シリコンの結晶評価」(2008G689)、さらに「アボガドロ定数決定のための単結晶シリコンの結晶評価」(2010U001)で、X線干渉計用素子等の結晶評価などを行ってきた。PFリングのトップアップ運転により格段に向上した安定度にも助けられ、現時点で3×10-9の分解能が達成されており、更なる装置の改良により近い将来には2×10-9の分解能での計測が実現できる見通しを得ている。
本研究課題では(1) 同位体濃縮単結晶シリコンの結晶の一部、(2) X線干渉計用に加工された同位体濃縮単結晶シリコン素子と、(3)これまで日本がアボガドロ定数決定に用いてきた自然同位体単結晶シリコンの結晶評価を行うことを提案する。
●成果発表
●論文
G Bartl, P. Becker, B. Beckhoff, H. Bettin, E. Beyer, M. Borys, I. Busch, L. Cibik, G. D'Agostino, E. Darlatt, M. Di Luzio, K. Fujii, H. Fujimoto, K. Fujita, M. Kolbe, M. Krumrey, N. Kuramoto, E. Massa, M. Mecke, S. Mizushima, M. Müller, T. Narukawa, A. Nicolaus, A. Pramann, D. Rauch, O. Rienitz, C. P. Sasso, A. Stopic, R. Stosch, A. Waseda, S. Wundrack, L. Zhang and X. W. Zhang
Metrologia, 54 (2017) 693.
Atsushi Waseda, Hiroyuki Fujimoto, Xiao Wei Zhang, Naoki Kuramoto, and Kenichi Fujii
IEEE Trans. Instrum. Meas., 64 (2015) 1692.
Y.Azuma, P.Barat, G.Bartl, H.Bettin, M.Borys, I.Busch, L.Cibik, G.D'Agostino, K.Fujii, H.Fujimoto, A.Hioki, M.Krumrey, U.Kuetgens, N.Kuramoto, G.Mana, E.Massa, R.Meeß, S.Mizushima, T.Narukawa, A.Nicolaus, A.Pramann, S.A.Rabb, O.Rienitz, C.Sasso, M.Stock, R.D.Vocke Jr, A.Waseda, S.Wundrack and S.Zakel
Metrologia, 52 (2015) 360.
●PF Activity Report
Photon Factory Activity Report 2015 #33 (2016) 389
Photon Factory Activity Report 2014 #32 (2015) B 282
Photon Factory Activity Report 2013 #31 (2014) B 327
Photon Factory Activity Report 2012 #30 (2013) B 162
●PFシンポジウム
●その他