2014S2-004
全反射高速陽電子回折を用いた最表面構造決定

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●基本情報
 ●実験責任者:深谷 有喜(日本原子力研究開発機構)
 ●課題有効期間:2014/10〜2017/9
 ●実験ステーション:低速陽電子

●課題の概要
 本研究では、最近、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の低速陽電子実験施設(SPF)にて開発した全反射高速陽電子回折(TRHEPD)装置を用い、実際の表面超構造の原子配置を決定することと、最表面の原子配置の直接決定に応用することを目的とする。実際の表面超構造の原子配置の決定では、基礎・応用の両面から重要な、結晶表面上に構築したナノワイヤーなどの一次元物質、グラフェンに代表される二次元物質、巨大ラシュバ表面の原子配置の解明にTRHEPD法を適用する。これらの物質は、最表面の原子配置がその物性を決定する重要な役割を果たしている。最表面の原子配置の直接決定では、シミュレーションとの比較なしに、実験データから表面超構造の原子配置を直接的に決定することを試みる。この手法の利点は、モデルフリーに最表面の原子配置を決定できる点にある。これらを実現するためには、表面超構造からの弱い反射スポットを多数測定することが必要となる。これは、KEK-SPFにおいて開発した高輝度・高強度陽電子ビームを用いることにより、十分に実現可能であると考えられる。陽電子の最表面敏感性と、陽電子と原子との相互作用の単純さを最大限に利用することにより、これまで複雑で解析が困難であった未知の表面超構造であっても、その原子配置を解明することが可能であると考えられる。

●成果発表
 ●論文


 ●PF Activity Report

 ●PFシンポジウム

●その他