2015S2-006
高強度レーザー誘起衝撃圧縮下における構造・反応ダイナミクス

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●基本情報
 ●実験責任者:一柳 光平(KEK-PF)
 ●課題有効期間:2015/10〜2018/9
 ●実験ステーション:AR-NW14A

●課題の概要
 本課題は、ARのシングルバンチのX線パルスと高強度ガラスレーザーを用いたシングルショット型の時間分解X線回折・散乱測定の計測基盤技術を確立し、衝撃圧縮下のような歪み速度が速い領域で起こる弾性限界(Hugoniot Elastic Limit; HEL)での1軸-等方圧縮への転移過程から始め、10-30 GPa以上の高圧構造ダイナミクスや高圧反応ダイナミクスの時間スケールを明らかにする。
 ビームライン内に16 J/pulse、パルス幅11 ns、波長1064 nmの高強度ガラスレーザーをビームラインハッチ内に整備し、最大到達圧力30 GPaでのレーザー衝撃圧縮下における高圧構造ダイナミクスのシングルショット型のサブナノ秒時間分解X線回折・散乱実験の測定基盤を整備する。
 SiやAl2O3単結晶ではHELの面依存性があり衝撃圧縮で約9 GPaである。衝撃圧縮下における弾性限界でのナノ秒応力緩和現象の観測は、これまで速度干渉計を用いた音速測定だけであり、精密な圧縮性などを議論し静的圧縮実験と比較検討した例はない。本課題でレーザーを用いた衝撃圧縮による高圧物性研究の発展のためにはサブピコ秒からナノ秒領域における圧縮性と応力緩和の検証から、偏差応力や静水圧性を3次元の動的構造について議論をする。衝撃圧縮下における圧縮性を明らかにした後、高圧の衝撃波が2波構造になる構造相転移ダイナミクスや、30 GPa程度で起こる炭酸カルシウムなどの衝撃誘起分解反応ダイナミクスと脱ガス機構を明らかにしたい。
 世界中の放射光施設で次期計画のメインストリームの一つに時間分解測定が位置づけられている。申請者らのグループは、先駆けてシングルショット型時間分解X線回折の実験を行てきた。本研究課題では、高強度レーザーとシングルバンチの放射光X線パルスの研究基盤を整備し、レーザー衝撃圧縮下における3次元の高圧構造ダイナミクスを明らかにし、衝撃誘起相転移・反応ダイナミクスを研究を立ち上げ静的圧縮実験と比較・検討し高圧科学における時間スケール研究へと展開する。

●成果発表
 ●論文


 ●PF Activity Report

 ●PFシンポジウム

●その他