2016S2-005
新規スピントロニクス材料の薄膜・界面が示す特異な物性の多自由度軟X線分光

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●基本情報
 ●実験責任者:藤森 淳(東大理)
 ●課題有効期間:2016/10〜2019/9
 ●実験ステーション:16A,7A,12C,4C
 ●関連課題:2013S2-004(外的要因による磁性薄膜の特性制御を目指した軟X線XMCDを中心とする相補的研究)
       2010S2-001(軟X線偏光スイッチングを用いたスピントロニクス材料の探求)

●課題の概要
 本課題は、スピントロニクス材料としての応用が期待される新規磁性薄膜・多層膜について、軟X線XMCDを中心とした複数の相補的な実験手法を組み合わせることによって、磁気モーメントの異方性や空間分布といったミクロな磁気状態を多面的に明らかにすること、さらにそれを手掛かりに磁気特性の発現メカニズムの解明や磁気特性の制御につなげていくことを目的とする。試料作製グループと緊密に連携し、単に分光測定を行うのみならず、そこから得られた情報を基に狙った磁気特性を示す新たな試料の作製へとつなげていくことを重視して研究を行う。特に、外的要因を変化させた場合のミクロ磁気状態の変化を詳細に調べることにより、磁性薄膜・多層膜の物性の制御方法に関して重要な手掛かりが得ることを狙っている。
 本研究は以下の特色を持つ。
(1)深さ分解XMCD・ベクトル磁場XMCDなど、申請者らが開発した独自性の高い実験手法を駆使し、従来のXMCD実験やその他の分光手法では得られなかった磁性に関する情報を明らかにする。
(2)S課題の長いビームタイムを活用し、1つの試料系に対しなるべく多くのプローブを相補的に用いて、磁性薄膜の磁気状態、電子状態、結晶構造を総合的に明らかにする。その情報を用いて、磁気特性の発現機構をも明らかにする。
(3)単に測定・解析を行うだけでなく、その情報をもとに新規物質を設計してフィードバックする。特に申請者の一部は物質作製に精通しており、かつ実験グループがPF内や筑波大学にあるため、S課題の柔軟性と相まって高速なフィードバックが期待できる。
(4)In situ実験を行う金属薄膜・多層膜に関しては、測定した結果をもとに翌日の試料を作製することができるため、さらに高速のフィードバックが可能になる。

●成果発表
 ●論文


 ●PF Activity Report

 ●PFシンポジウム

 ●その他