2013S2-004
外的要因による磁性薄膜の特性制御を目指した軟X線XMCDを中心とする相補的研究

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→関連サイト:PF研究会「磁性薄膜・多層膜を究める:キャラクタリゼーションから新奇材料の創製へ」(2011/10/14,15)

●基本情報

 ●実験責任者:雨宮 健太(PF)
 ●課題有効期間:2013/10〜2016/9
 ●実験ステーション:16A, 7A
 ●関連課題:2010S2-001(軟X線偏光スイッチングを用いたスピントロニクス材料の探求)

●課題の概要
 本研究の全体としての目的は、構造歪み、界面効果、電界効果といった外的要因によって様々な興味深い特性を示す磁性薄膜に対して、軟X線XMCDを中心とした、EXAFS、偏極中性子反射率なども含めた相補的な実験を行うことで、スピン磁気モーメント、軌道磁気モーメント、電子状態、結晶構造を、それらの異方性や深さ方向の分布も含めて明らかにし、外的要因によって磁性薄膜が示す特異な性質がどのようにして発現しているのかを解明するとともに、その情報を新たな試料の作製にフィードバックして、磁性薄膜の特性を制御することである。
本申請課題は、その中で放射光を用いた測定の部分に相当する。したがって、単に測定を行って磁性や構造を調べて特性の発現機構を解明するだけでなく、その情報をもとに新たな物質をデザイン・作製し、予想したような特性が得られるかどうかを検証するとともに、その試料に対して再び各種の測定を行うことで、特性の発現についてのより深い理解を得たうえで、さらに新たな試料の作製へとつなげていくことを常に意識して研究を行う。
本研究の特色をまとめると以下のようになる。
(1) 申請者らが開発した軟X線XMCDを中心とした測定手法を駆使し、他の手法も相補的に用いることで磁性薄膜の磁気状態、電子状態、結晶構造を調べて、特性の発現機構を明らかにする。
(2) 単に測定・解析を行うだけでなく、その情報をもとに新規物質を設計してフィードバックする。
(3) 新規物質を作製するグループの一部はPF内や筑波大学にあるため、S課題の柔軟性と相まって高速なフィードバックが期待できる。
(4) In situ実験を行う金属薄膜・多層膜に関しては、測定した結果をもとに翌日の試料を作製することができるため、さらに高速のフィードバックが可能になる。

●成果発表
 ●論文


 ●PF Activity Report

 ●PFシンポジウム