PF将来計画に関する研究会1
「フェムト秒パルス放射光源の開発と新しいサイエンスの展開」
現在PFでは、将来計画としてエネルギー回収型ライナック(Energy Recovery Linac, ERL)と蓄積リングを組み合わせた光源を検討しております[1,
2]。ERLでは、
1) 100fsオーダーのパルス幅を持つ放射光が得られる、
2) 低エミッタンスを実現できるため輝度とコヒーレンスを上げられる、
3) 丸い小さな電子ビームが得られるため、縮小光学系を用いることによって50nmφのビームも期待できる、
などの従来の放射光源では不可能であった性能が期待できます。
新光源が実現すれば、光励起後の化学反応や構造変化などの超高速現象を内殻励起分光やX線回折などの手法を用いて実時間測定する研究、コヒーレンスの良さやナノビームを利用した研究など、新しい放射光利用研究分野が拓けると期待されます。そこで、PF将来計画に関する一連のPF研究会を企画することにいたしました。
第1回目として本研究会では、X線、軟X線、真空紫外領域での超短パルス光源の開発とその利用研究に焦点を絞り、この分野で活躍されている研究者の方々にお集まりいただき、最先端の研究を報告していただくことにいたしました。また、この研究会を通して、新光源開発や測定技術面における課題と解決の見通しを整理するとともに、さまざまな新しいサイエンスの可能性を検討し、より豊かな分野に育ててゆくための具体案を探究することを予定しております。(PF将来計画に関する研究会2、3の詳細については次の2つのお知らせを参照ください。)
研究会の開催日、場所、講演者案などは下記のとおりです。参加を希望される方は、下記「参加申込みフォーム」より手続きを行なってください。参加申込み締め切りは10月2日(水)です。プログラムの詳細なども随時掲載いたします。
開催日:平成14年10月3日(木)、4日(金)
場 所:高エネルギー加速器研究機構、4号館セミナーホール
交 通:
車 常磐自動車道「桜土浦」インターより東大通りを筑波山方面へ20分
電車 JR常磐線「ひたち野うしく駅」よりバスで「つくばセンター」へ25分、
「つくばセンター」より「高エネルギー加速器研究機構」へバスで20分
バス 東京駅より「ニューつくばね号」で「高エネルギー加速器研究機構」下車(約1時間30分)
東京駅より「つくば号」で「つくばセンター」下車(約1時間)、
「つくばセンター」より「高エネルギー加速器研究機構」へバスで20分
詳しくは「KEKまでの交通」をご覧下さい。
旅費のサポートはできる限り行ないます。
宿泊施設:KEK内共同利用者宿泊施設 (宿泊申し込み締め切りは9月13日(金)です。)
KEK周辺宿泊施設
プログラム案:(タイトルのリンクをクリックすると要旨(pdf)がご覧いただけます。)
10月3日(木)
(1)PFの将来計画
13:30 「はじめに」 飯田厚夫(物構研)
座長:春日俊夫(物構研)
13:35 「PFの将来計画の概要」 野村昌治(物構研)
14:15 「エネルギー回収型ライナック(ERL)の現状」 諏訪田 剛 (KEK、加速器施設)
14:55 「PFにおけるERLの検討(ラティス設計)」 小林幸則(物構研)
-- コーヒーブレーク(25分) --
16:00 「PFにおけるERLの挿入光源の特性」 山本 樹(物構研)
(2)短パルスX線を利用した研究
座長:平野馨一(物構研)
16:40 「X線放射光・短パルスレーザー光の同期特性と超高時間分解測定技術」 田中義人(SPring-8)
17:20 「アバランシェ・フォトダイオードによる原子核励起現象の観測」 岸本俊二(物構研)
18:00 「レーザープラズマ/逆コンプトン散乱X線の生命科学応用」
上坂 充 (東大原子力施設)
18:50 懇親会(100分) レストラン「くらんべりぃ」
10月4日(金)
座長:河田 洋(物構研)
9:00 「非平衡協力現象の解明と物質開発に向けたフェムト秒パルス放射光源への期待」
「光誘起共同現象研究の将来・展開」
腰原伸也(東工大理工)
9:40 「光誘起構造相転移の理論、−将来計画が実現したときどのようなサイエンスが期待できるか−」
「「光誘起構造相転移の理論」の将来展望」
那須奎一郎(物構研)
-- コーヒーブレーク(30分) --
10:50 「ピコ秒パルスX線の発生と時間分解型X線回折」 弘中陽一郎(東工大応用セラ研)
(3)短パルス軟X線・真空紫外を利用した研究
座長:柳下 明(物構研)
11:30 「超短パルスXUV,軟X線光源と固体分光」 渡部俊太郎(東大物性研)
-- 昼食(60分) --
13:10 「高輝度高次高調波の発生とその応用」 緑川克美(理研)
13:50 「放射光とレーザーの組み合わせによる固体表面研究と将来への試み」
「将来展望」
鎌田雅夫(佐賀大)、東 純平(京大院理)
14:30 「極紫外励起分子ダイナミクスの現状と将来展望」 見附孝一郎(分子研)
15:10 「おわりに」 野村昌治(物構研)
(東京行きバスのKEK出発時刻:16:03)
希望者のPF見学(40分)
問合せ先: 物質構造科学研究所、PF 間瀬一彦
E-mail: kazuhiko.mase@kek.jp、TEL:
0298-79-6107、FAX: 0298-64-2801
引用文献
[1] 小林幸則、山本樹、第19回PFシンポジウム報告、p.51(2002).
[2] 野村昌治、Photon Factory
News, 20 (2) 7 (2001).
超短パルスX線関連リンク
・ALS: Workshop
on Femtosecond X-Ray Science (Oct. 17-18, 2000)
・ALS:
Ultrafast X-ray Science Facility計画の提案
・ELETTRAサテライトワークショップ:
"Ultrafast
Phenomena by Synchrotron Radiation"
ERL関連リンク
ERL検討会(Design
Reports of Energy Recovery Linac)
CHESSのERL計画のレポート
NSLSのPhotoinjected
ERLのページ
ダレスベリー(UK)のFEL・ERL計画
Friedrich-Alexander
University of Erlangen-Nurnberg (FAU)のERL計画
(PFの計画と最も似ている)
LBNL,
Berkeleyの計画(Synchrotron Light Source for Ultrafast X-ray)
(短パルス放射光利用専用計画)
FEL関連リンク
ドイツDESYのTESLA
Test Facility
米国SLACのLCLS
Last modified
2002-11-13
by pfw3-admin@pfiqst.kek.jp
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