放射光科学

光が照らす物質の世界

 

放射光ってどんな光?


高エネルギーの電子が磁場の中を運動するとき,電子は円運動の中心に向かって力を受け,軌道が曲げられます。このとき,電磁波が円軌道の接線方向に放射されます。
この電磁波を放射光(Synchrotron Radiation)と言います。電子の軌道を曲げて放射光を取り出すための磁石を偏向電磁石(Bending Magnet)と呼んでいます。


また,特殊な配列の磁石の装置を用いると,よりすぐれた性質の光を得ることができます。この装置を挿入光源(Insertion Device)と呼びます。
磁場が比較的弱い時には,細かく蛇行した電子から放出される光同士が干渉して、エネルギーのそろった強力なX線を得ることができます。このような挿入光源をアンジュレータ(Undulator)と呼びます。また磁場が強い時には、偏向電磁石よりもエネルギーや強度の高い連続光が得られます。これをウィグラー(Wiggler)と呼びます。

アンジュレータの光は完全に連続光ではありませんが,エネルギーによっては偏向電磁石からの光に比べて1万倍以上も輝度の高い光が得られるので,最先端の物質・生命科学研究には欠かせない光源となっています。

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放射光ってどんな光?
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