放射光科学

光が照らす物質の世界

 

KEK放射光科学研究施設 (Photon Factory, PF)

放射光科学研究施設のPFリング(25〜30億電子ボルト)は,紫外線からX線までの光が利用可能な,わが国最初の専用光源として1982年に完成し,フォトンファクトリー(光の工場)という愛称で呼ばれています。この20余年間に2度にわたり高輝度化改造を行い,最新の研究に対応した高性能の光を安定に供給しています。
また,1987年からは,よりエネルギーの高いPF-AR(60〜65億電子ボルト)でも放射光利用実験が始まりました。PF-ARは,1999年度から行われた高度化改造により,世界でも類を見ない大強度パルス放射光としてうまれかわりました。


フォトンファクトリーの特徴

  1. PF, PF-ARの2つのリングがあり,幅広い波長領域で,それぞれ特色ある光を利用することができます。

  2. PF, PF-AR合わせて70以上の実験ステーションがあり,広汎な広範な分野において基礎から応用まで多種多様な研究が行われています。

  3. 大学共同利用機関として,国公私立大学,国立研究機関の研究者に広く公開されており,年間2500名もの共同利用者が来所し,実験を行っています。また,民間企業等の研究者も利用研究を行っています。専用の実験ステーションを設置しているオーストラリアをはじめ,海外の研究者にも広く利用されています。

  4. 異なる専門分野の研究者の共同作業によって,境界領域の開拓的な研究がすすめられています。特に,2003年に設置された構造生物学研究センターでは,さまざまな分野の研究者や技術者により,高度な生命科学研究が展開されています。

  5. 光源加速器専任の研究系があり,放射光利用研究者との密接な連携によって,極めて安定な放射光ビームを利用することができるなど,放射光発生や利用の技術開発が行われています。

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