PF研究会「X線非弾性散乱を用いた物性研究III」 X線非弾性散乱は、原理的には遠赤外から軟X線に至る全ての光吸収測定を代行するだけでなく、可視光域では不可能な運動量移行をパラメータとした測定も可能な実験手法です。従来その信号強度が弱すぎてあまり物性研究手段として利用されていませんでしたが、近年の高輝度放射光の出現により物性研究への応用が可能となってきました。PFの運転開始初期から研究が始まり物性研究への応用の面で先行しているコンプトン散乱やX線ラマン散乱のみならず、ここ10年ほどの間に発見され研究が進んだ共鳴X線発光や核共鳴非弾性散乱なども散乱現象そのものの基礎研究から物性研究への応用へ歩を進めようとしています。このように各種X線非弾性散乱の基礎が固まり応用の機が熟している状況を鑑み、X線非弾性散乱の物性研究への応用を主題とした研究会を企画致しました。 参加申込み:下記参加申込みフォームよりお申込み下さい。 懇親会:1月17日(火)夕刻より懇親会を予定しておりますので、ふるってご参加下さい。 提案代表者:河田洋(KEK-PF)、櫻井吉晴(SPring-8) 現地世話人:岩住俊明(KEK-PF)
プログラム(タイトルにリンクがあるものは、アブストラクト(PDF)をご覧いただけます。) 1月17日(火)
「高感度・高分解能「共鳴X線非弾性散乱」測定による、新しい「X線吸収」分光」 13:30-13:55 小谷章雄(SPring-8/PF) 「La2CuO4のCu Kα 共鳴X線発光の実験と理論」 13:55-14:20 石井啓文(SPring-8台湾) 「遷移金属酸化物の共鳴非弾性X線散乱」 14:20-14:45 五十嵐潤一(茨城大) 「遷移金属化合物における共鳴非弾性散乱の理論」 14:45-15:00 休憩
「Ti酸化物のX線発光」 15:25-15:50 中村 仁・山田修義(電通大) 「軟X線発光・吸収分光による、超伝導ボロンドープダイアモンドの電子構造の研究」 15:50-16:15 徳島 高(理研) 「液体、溶液試料のための軟X線分光装置の開発と現状」 16:15-16:30 休憩
「磁気コンプトンプロファイルの二次元再構成で観た層状Mn酸化物の電子・軌道状態」 16:55-17:20 桜井 浩(群馬大) 「垂直磁化膜の磁気コンプトンプロファイルの異方性」 17:20-17:45 水崎壮一郎(青山学院大) 「コンプトン散乱による水素吸蔵物質の研究」 17:45-18:10 伊藤真義(JASRI) 「高エネルギーX線非弾性散乱BLの高度化」 18:10- 櫻井吉晴(JASRI) 18:30- 懇親会 1月18日(水)
"Electron-Phonon Coupling in High-Tc Superconductors:The Phonon Viewpoint" 9:25- 9:50 乾 雅祝(広島大) 「非弾性X線散乱実験による液体セレンの動的構造」 9:50-10:15 筒井智嗣(JASRI) 「充填スクッテルダイト化合物のX線非弾性散乱」 10:15-10:30 M. Hoesch(原研) "Phonon softening in Boron-doped diamond from semiconductor to superconducting metal" 10:30-10:45 田中良和(理研) 「高分解能X線非弾性散乱によるBaVS3のフォノン分散」 10:45-11:00 休憩
「放射光核共鳴非弾性散乱の現状と展開」 11:25-11:50 小林寿夫(兵庫県立大院、CREST) 「CuFeS2の高圧力下核共鳴非弾性散乱」 11:50-12:50 昼食
「辺共有型と角共有型の一次元系銅酸化物のCu-1s RIXS」 13:15-13:40 石井賢司(原研) 「共鳴非弾性X線散乱による銅酸化物高温超伝導体の電荷励起」 13:40-14:05 岡田耕三(岡山大) 「1次元強相関系の共鳴非弾性X線散乱の理論」 14:05-14:20 休憩
「高圧鉱物科学におけるX線非弾性散乱の応用:水の局所構造変化」 14:45-15:10 八木健彦(東京大) 「鉄のスピン状態と高圧地球科学」 15:10-15:35 並河一道(学芸大) 「X線レーザーを用いた強相関系の2ホール分光」 15:35-16:00 野澤俊介(ERATO-JST) 「X線吸収及び共鳴X線非弾性散乱を用いた量子常誘電体SrTiO3の光誘起効果の研究」 2013-08-28 by pfw3-admin@pfiqst.kek.jp |