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ますます進むcERL開発棟の作業
*放射線シールドのシールドブロックの設置
昨年度末から建設を開始していたcERLの放射線シールドのシールドブロックの設置が9月末に全数完了した。途中、以前に東カウンターホールで使用していた放射線シールドを一部に利用する目論見が崩れたが、機構長を初め、財務、主計、契約の多くの方々の力添いを頂き、大幅に遅延することなく完成した。今後、東西の出入口扉の設置と、塗装の仕上げを行い10月末には完成予定である。 遮蔽体設置の完了を待って、施設部の方々との協力の元、空調機・排気設備・排水設備工事、電気関連工事(照明、交換機、火災報知器、拡声器等)、インターロック関連機器設置及びケーブル敷設工事が開始されている。12月からの主加速空洞のパワーテスト開始に向けて、11月中のそれらの工事完了を目指して、毎週月曜日に工程調整会議を開催している。 |
図1 設置完了した放射線シールド |
*第1回冷却試験を無事に完了 前回、加速器第6系の加古准教授のグループによって製作された前段加速空洞クライオモジュールに加速器第3系の仲井准教授のグループのよって2Kのコールドボックスへの接続が完了したことを報告した。いよいよ冷却試験が9月12日から開始された前段加速空洞クライオモジュールは、21日の夕方には2Kまで予定通りに到達した。引き続き、24日(月)から低電力RF試験を開始し、昼夜に渡って28日(金)まで5日間大きなトラブルなく実施することができ、深夜11時に冷却を停止して、第1回冷却試験を無事に完了した。この間、当初予定していた試験項目をほとんど実施することができ、満足のいく測定結果を得て、重要な開発項目であったそれぞれのハードウェアーが十分に機能していることを確認した。図2は2K冷却後の低電力RF試験の様子である。この試験によって、運転周波数を制御するためのチューナーの動作特性を確認した。一方、インプットカップラーの室温真空窓周辺での結露などが発覚し、次回試験へ向けてのいくつかの改善点も見いだされた。 |
図2 低電力RF試験の様子 |
*主加速部超伝導空洞作業状況 加速器第3系古屋教授のグループで進められている主加速部超伝導空洞も、9月に超伝導空洞の温度センサー、磁気シールド、各種配線の整理、そして各温度の熱アンカーの設置が行われ、9月末に無事にクライオモジュールへの導入が完了した。10月15日にクライオモジュールの現場据付作業を行い、引き続いて2Kコールドボックスへの接続、高圧ガスの完成検査を経た後、カプラーエージングを11月中旬までに行い、11月下旬から冷却を開始し、12月にパワー試験を行うべく他の現場作業との調整を行なっている。 (図3) |
図3 主加速空洞クライオモジュールの組立の様子 |