ビームラインの再編・統廃合について9
2011年10月18日 PFでは、2005年度に行われたPFリング直線部増強に基づきビームラインの再編・統廃合を進めてきました。この間のビームライン戦略については前回の記事にまとめさせていただいているとおりですが、直線部の最大有効活用がこの間のビームラインの再編・統廃合においては重要なポイントでした。2005年4月の実験ステーション数は72でしたが、2011年10月現在52となっています。この数字は、2005年のPFレビュー委員会で推奨されたPFに適切な実験ステーション数30−40の数字までには溝がありますが、2011年10月6、7日に開催されたPF-SAC(Science Advisory Committee)ではこの減少は評価されました。
現在、BL-15には3つのHX領域を利用するビームラインが設置されています。BL-15AはX線小角散乱ステーション、BL-15B1は白色X線トポグラフィおよび汎用X線実験ステーション、BL-15B2は表面界面X線回折実験ステーション、そしてBL-15Cは精密X線回折実験ステーションが設置されてきました。そのうち、BL-15AについてはすでにBL-6Aへの移設が2011年夏のシャットダウン中に終了して、現在BL-6Aでは新実験ステーションの立ち上げ調整が行われ、10月中旬からは共同利用実験が開始されます。BL-15B1、BL-15B2そしてBL-15Cのアクティビティーは、2013年以降にBL-20Bへ移設されることになっています。現在、BL-20Bには多目的単色・白色HXステーション(Australian Synchrotron)が設置されていますが、協定は2012年12月末までとなっていますので、BL-15B1&2、BL-15Cの移設は2013年夏に行う予定です。 そのほか、いくつかのビームラインで統廃合について検討を始めております。このような議論を進めるにあたり、対象となるビームラインを使用されているユーザー、該当ユーザーグループおよびメタユーザーグループ、さらにはPF懇談会メンバーの方々にご理解とご協力をいただく必要があります。ビームラインの再編・統廃合はPFを最大限に活用することを目的としています。PFスタッフの適切な配置、予算の効果的な集中によりアクティビティーの最大化を図ることを目指すものです。したがって、現在あるいは直近ではなく将来を見据えた議論が求められます。PF-SACでの議論も踏まえて、現在52ある実験ステーションを2、3年後には45程度にまでにして行くことが必要であると考えています。厳しい議論も当然行われると思いますが、ユーザーの方々がこれらの議論に積極的に関わっていただくようお願いします。
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