ビームラインの再編・統廃合について11

2013年11月1日


 ビームライン再編・統廃合の現状についてお知らせします。

1.BL-15

 2005年の直線部増強により、PFリングには4か所の短直線部が新たに作り出されました。すでに、3か所(BL-1、3、17)には短周期アンジュレータ(short period undulator, SGU)を光源とするX線ビームラインを建設し、稼働しています。最後の短直線部BL-15には、2013年夏のシャットダウンに合わせて短周期アンジュレータを設置し、実験ホール側では新しいビームラインの建設を進めました。新しく生まれ変わったBL-15は、アンジュレータを光源とする高輝度X線ビームラインで、高分子フィルムや生体膜などの多様な膜構造、天然物や工業材料など不均一な分布をもった物質構造をSAXSやXAFS/XRFなどの実験手法により解明する研究を実施していく予定です。今秋の運転から光学調整、コミッショニングを進め、2014年の共同利用開始を目指しています。BL-15の詳細はWEB( http://pfweis.kek.jp/~protein/BeamLine/BL15/bl15.html )をご参照ください。

2.BL-2

 BL-2はPF創設時からSX領域の挿入光源ビームラインとして整備してきました。9mの長直線部をもつBL-2をより有効に利用するために、そのアップグレード計画についてユーザーの方々と検討を進め、アンジュレータ2台をタンデムに設置することにより、広いエネルギー範囲をカバーするVUV-SXビームラインを建設することになりました。
 現在、光学系の全面更新を行っており、2013年11月より光学系の調整を開始する予定です。さらに、2014年春に設置予定の新規アンジュレータ(VUV)と既存アンジュレータ(SX)との併用により、元素戦略等の研究に必要なエネルギー領域(30-4000eV)をカバーし、表面・界面物性、機能性材料、環境材料などの評価・開発研究を推進する予定です。

3.BL-13

 BL-13は、角度分解真空紫外光電子分光、高分解能内殻光電子分光、高分解能軟X線吸収分光を駆使して、有機薄膜・分子吸着系の表面科学、有機デバイス科学、触媒化学に関する研究を行うために、分光ビームラインの整備を行ってきました。光電子分光器用光学系(BL-13B)の整備が終了し、2013年10月から共同利用を開始しました。またBL-13では2014年夏のシャットダウン中に50-1500 eVのエネルギー領域をカバーする可変偏光アンジュレータを設置する予定です。

4.BL-28

 BL-28は高性能角度分解光電子分光により、強相関物質の3次元フェルミオロジー、軌道選択的バンド構造決定、トポロジカル絶縁体の探索などの研究を推進するために整備してきました。BL-28では1次光で30-300 eVをカバーする可変偏光アンジュレータを2014年夏のシャットダウン中に設置する予定です。

5.BL-20B

 オーストラリア・ビームラインの運用は2013年3月で終了しました。現在、X線トポグラフィー実験を実施するためのBL整備を行っています。2013年10月より立ち上げ調整を開始し、その後、共同利用を開始する予定です。

 




<<ビームラインの再編・統廃合に関するこれまでのお知らせ>>

2012年10月 お知らせ10

2011年10月 お知らせ9

2011年1月 お知らせ8

2010年5月 お知らせ7

2009年2月 お知らせ6

2008年4月 お知らせ5

2007年9月 お知らせ4

2007年2月 お知らせ3

2006年7月 お知らせ2

2005年6月 お知らせ1