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ERLから得られる光の特徴 (2)高輝度性

ERLから得られる光のスペクトル

つぎに、ERLから得られる光のスペクトルを計算してみましょう。
下のスペクトルは、3種類のエミッタンスを用いて、ERLから得られるアンジュレータ放射光の輝度スペクトルを計算したものです。青が14pmrad、赤が140pmrad、緑が1.4nmradの場合で、青の14pmradの場合が、ERLで想定されているほぼ最高性能に相当します。(この計算に用いた電子ビームとアンジュレータのパラメータを、下の表に示します。)スペクトルの形状がエミッタンスに大きく依存することがお分かりいただけると思います。電子ビーム性能が光の回折限界に近づくと、アンジュレータのスペクトル形状は、本来のsinc関数の形状に近づき、その平均輝度のピーク値は、10の22乗のオーダーに近づきます。また、ERLの場合、3次光、5次光になっても、輝度がほとんど低下しないことも特徴であり、これは高エネルギーX線の利用にも有利な点です。

ERL_1.png

Parameters
Energy 3 GeV
Ring Current 100 mA
beta functions (x,y) 3 m
K-value 1.74
Energy spread 4x10-4
Undulator total length 6 m
Undulator period length 18 mm

1次光のエネルギー付近を拡大してみると、以下の図のようになります。上の図が対数表示、下の図は線形表示です。

ERL_2.png

ERL_3.png

以前に検討していた5GeV ERLのスペクトル計算例はこちらLinkIcon