これまでのPFトピックス(2005年)
                                                    
                                                                   
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2005.12.8
   ナノサイズのあなを見る〜 陽電子と小さな原子ポジトロニウム 〜



陽電子は電子の反粒子で、電子がマイナスの電荷を持つのに対して、陽電子はプラスの電荷を持っています。この陽電子、KEKでは、放射光や中性子、ミュオンなどのように、物質の性質を見るプローブとしても使われているのです。

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2005.11.17
   コンピュータを高性能に〜 半導体素子の界面反応を探る 〜



放射光を使って半導体素子の高性能化の研究に取り組まれている東京大学の尾嶋正治(おしま・まさはる)教授に研究成果についてご紹介します。

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2005.10.20
   新しくなったフォトンファクトリー 〜 リニューアルして運転を再開 〜



2005年の3月から9月までの期間、PFリングをシャトダウンして大きな改造が行なわれていましたが、当初の予定通り9月20日より改造後の調整運転が行なわれ、10月18日に放射光利用実験が再開されました。

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2005.10.17
   乳ガン早期診断をめざす2次元、3次元X線屈折画像化技術の開発



PFの安藤正海教授を代表とする研究グループが、神戸大学、国立がんセンターと共同で、PFと高輝度光科学研究センターのSPring-8の放射光を用いて乳ガンを2次元および3次元描画する技術開発に成功した。

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2005.10.14
   佐賀県及び財団法人佐賀県地域産業支援センターとの協力協定



10月11日(火)、KEKと佐賀県及び財団法人佐賀県地域産業支援センターは、放射光に係る加速器科学の技術開発等を推進することにより国内放射光施設の発展に寄与することを目的とし、協力協定を結びました。

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2005.10.14
   加速器で心臓診断 II 〜 より鮮明な画像に 〜



PF-ARを使って心臓の冠動脈を診断するプロジェクトについては以前にもご紹介しましたが、最近では、放射光加速器と撮影システムの改良、新しい撮影方法の導入などで、より実用的な医用画像診断を行うことができるようになりました。

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2005.9.15
   ヤグルマギクの青色の秘密 〜 花の色の謎を解いた放射光 〜



ヤグルマギクは、赤いバラと同じ色素をもっているのに、花の色が青いのはなぜでしょうか。この論争に決着をつけるため、武田幸作(たけだ・こうさく)東京学芸大名誉教授は、九州大学理学部の塩野正明(しおの・まさあき)博士、KEK放射光科学研究施設の松垣直宏(まつがき・なおひろ)博士と共同で、ヤグルマギクの色素を再合成し、結晶化することに成功しました。

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2005.9. 15
   放射光科学第二研究系の安藤正海教授らが応用物理学会論文賞を受賞



PFの安藤正海(あんどうまさみ)教授を代表とする研究グループが2005年度の応用物理学会(JJAP)論文賞を受賞しました。

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2005.8.8
   放射光源研究系の宮島司氏、日本加速器学会奨励賞を受賞



放射光源研究系の宮島司さんが日本加速器学会奨励賞を受賞されました。受賞の対象となった論文は「垂直3次共鳴近傍における位相空間中でのベータトロン振動の測定」(加速器Vol.1 No.2, 2004 p.98-108)です。

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2005.7.13
   ショウジョウバエのペプチドグリカン認識タンパク質の構造をBL-5で解析 〜自然免疫系における異物認識に新しいメカニズムを提案〜



テキサス大学の張崇毅(Chung-I Chang)博士と、1988年に膜タンパク質のX線構造解析の研究でノーベル化学賞を受賞したJohann Deisenhofer(ダイゼンホーファー)教授、KEK構造生物学研究センターの若槻壮市(わかつき・そういち)教授と伊原健太郎(いはら・けんたろう)博士らは、ショウジョウバエの自然免疫系に関わるタンパク質PGRP-LCaの結晶構造をPF, BL-5のタンパク質結晶構造解析装置を使って明らかにしました。

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2005.7.12
   poly-Si電極とハフニウム酸化膜ゲート絶縁膜界面の化学反応機構を解明



東京大学大学院工学研究科の尾嶋正治(おしま・まさはる)教授,岡林潤(おかばやし・じゅん)助手のグループと半導体理工学研究センター(STARC)は,PF, BL-2Cの高分解能光電子分光装置で,LSI用高誘電率(high-k)ゲート絶縁膜のひとつであるハフニウム酸化膜と電極界面の化学反応過程を初めて明らかにしました。

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2005.7.7
   電子軌道の強的秩序状態を発見



高温超伝導銅酸化物や巨大磁気抵抗マンガン酸化物で代表される、遷移金属や希土類元素を主体とする酸化物エレクトロニクス材料は、今後のエレクトロニクスの発展のブレイクスルーを生み出す舞台を兼ね備えています。久保田正人(高エネルギー加速器研究機構)、村上洋一(東北大学、日本原子力研究所)、水牧仁一朗、大隅寛幸、池田直(高輝度光科学研究センター)、中辻知、深澤英人(京都大学理学研究科)、前野悦輝(京都大学国際融合創造センター)らは、「共鳴X線散乱干渉法」という新たな測定手法を開拓することにより、ルテニウム元素のK-吸収端近傍(E=22.1keV)の入射エネルギーを持つSPring-8の高輝度X線を用いた、4d 遷移金属酸化物(京都大学で開発・育成された金属・絶縁体転移系ルテニウム酸化物の単結晶)での4d 電子の強的軌道秩序状態(結晶全体に渡り電子雲が一つの対称性を持つ状態)の直接的観測に世界で初めて成功しました。

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2005.6.17
   SUMO化による構造変化がタンパク質の機能をスイッチ〜SUMO化したチミンDNAグリコシラーゼの構造解析に成功〜



京都大学大学院工学研究科の白川昌宏(しらかわ・まさひろ)教授のグループは、PFのBL6Aを用いて、ユビキチン様タンパク質SUMO(スモ、Small ubiquitin-like modifier)が結合したDNA修復タンパク質、チミンDNAグリコシラーゼの構造解析に成功しました。

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2005.5.20
   ディスク状ナノ磁石の磁化をPEEMで観察・磁化の回転の制御に成功



東京大学大学院工学系研究科尾嶋正治教授のグループは、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の小野寛太助教授、独立行政法人産業技術総合研究所【理事長吉川 弘之】ナノテクノロジー研究部門【部門長 横山 浩】秋永広幸主任研究員と共同で、放射光を使った光電子顕微鏡(PEEM)技術を開発し、次世代の超高密度磁気記録デバイスとして期待されるディスク状ナノ磁石の磁化の様子を明らかにし、磁化の回転方向(カイラリティ)を制御することに成功しました。

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2005.4.8
   遺伝子のスイッチを入れるタンパク質


生命を形作るための「設計図」をすべて納めている遺伝子。生命活動を担うタンパク質を作りだす時、遺伝子は「転写」という仕組みを用いて自らの設計図の情報をメッセンジャーRNA(mRNA)に複製します。転写は、タンパク質が正しく作り出されるために必要な最初のステップで、あらゆる生物に共通の重要な過程なので多くの研究者の興味を集めています。 この転写を調節するしくみの一つが最近、KEKのフォトンファクトリーを使って明らかになりました。


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2005.3.3
   物質構造科学研究所がnano tech 2005 に出展


2005年2月23日〜25日の3日間にわたって、東京ビッグサイトで行われた国際ナノテクノロジー総合展・技術会議「nano tech 2005」にKEK物質構造科学研究所として出展しました。


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2005.2.21
   開口C60に閉じ込められた水素分子の放射光による直接観測


PF澤 博助教授らのグループは京都大学の小松紘一教授らとの共同研究により、この開口C60分子に閉じ込められた水素分子をPFを用いたX線精密構造解析によって世界で初めて直接観察することに成功しました。

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2005.1.7
   有機超伝導候補が室温超高速光応答材料に変身


JST戦略的創造研究推進事業・総括実施型研究ERATOタイプ「腰原非平衡ダイナミクスプロジェクト」(研究総括:腰原伸也、東京工業大学教授)は、有機電荷移動錯体((EDO-TTF)2PF6)結晶が、超高速、超高感度の光応答を室温付近で示すことを発見しました。

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2005.1.4
   世界初・室温でのアイスナノチューブの構造をBL-1BにおけるX線回折実験により解明



東京都立大学の真庭豊(まにわ・ゆたか)助教授,および独立行政法人・産業技術総合研究所の片浦弘道(かたうら・ひろみち)主任研究員らのグループは,PFのBL-1Bを用いた高精度のX線回折実験により,単層カーボンナノチューブ内に吸着した水の構造を詳細に調べることに成功しました。アイスナノチューブの融点はその直径に依存して大きく変化することを見いだし,世界で初めて,27℃という極めて高い融点のアイスナノチューブが単層ナノチューブ内に成長していることを発見しました。

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