これまでのPFトピックス(2009年

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2009.12.21
   誘電体の熱ゆらぎの直接観測に成功




東京学芸大学の並河一道教授,日本原子力研究開発機構の岸本牧副主任研究員,KEK放射光科学研究施設の那須奎一郎教授らは,誘電体の分極状態の微妙な変化のゆらぎを調べる新しい手法を開発し,分極の過剰な状態が平衡状態になるまでの緩和時間を直接観測することに成功しました。

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2009.12.15
   光が一瞬の磁石を作り出す − 100億分の1秒のX線パルスによる分子磁性と分子構造変化の検出に成功 −




JST目的基礎研究事業の一環として、東京工業大学 大学院理工学研究科の腰原 伸也 教授らは、光によって分子内に100億分の1秒の間だけ出現する分子磁性と分子構造の変化を時間分解X線吸収微細構造(XAFS)法※1により直接観測することに成功しました。

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また、このトピックスは2009年12月17日付けNews@KEK「レーザー光が作る一瞬の磁石〜 100億分の1秒の分子の動きを見る 〜」でも紹介されています。

2009.12.16
    星から生まれる次世代磁気デバイス − ナノテクと惑星科学の融合した未来志向のものづくり −



高輝度光科学研究センター(以下「JASRI」 理事長 白川哲久)、広島大学、高エネルギー加速器研究機構、東京大学らは共同で、隕石から次世代磁気デバイスに有用な新磁性材料を発見しました。

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2009.12.3
   「ナノ空間」の結晶 〜 ネットワーク状分子で化学反応を捉える 〜



 みなさんは理科の授業で、化学反応式を見たり書いたりしたことが1度はあるかと思います。化学反応式では、矢印の前後に反応前の物質と反応後の物質が記されていますが、魔法のように一瞬で物質が変化するわけではないのはもちろんです。化学反応はふつう、多くの段階を経て起こり、途中にはさまざまな反応中間体が存在します。多くの研究者が、このような途中の段階を含めた化学反応の全容を捉えようと、いろいろな試みをしています。

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2009.11.26
   物構研シンポジウムが開催されました。



2009年11月17、18日の2日間、「物構研シンポジウム」がつくば国際会議場、エポカルにて開催されました。このシンポジウムは昨年度の第1回に引き続き、今後毎年度開催が予定されている物質構造科学研究所(物構研)全体のシンポジウムです。今回は特に「放射光・中性子・ミュオンを用いた表面・界面科学の最前線」と題しまして、最近世界的に注目されている物質の(空気や真空に接している)表面や(物質と物質の境界である)界面にスポットが当てられ、137人の参加者の間で活発な議論が行われました。

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2009.10.28
   PF-ARでの研究成果を紹介する記事が Physical Review Focusに掲載




KEK加速器研究施設の谷本育律研究機関講師、本田融准教授、坂中章悟准教授の研究チームによる最新の研究成果が10月26日付けで Physical Review Focus に紹介されました。Physical Review Focus は全 Physical Review 誌に新規に投稿された論文の中から、教育的価値や一般的興味の高い論文を抜粋して紹介するオンライン誌です。

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また、このトピックスは2009/11/26付けのNews@KEK「見えない「ちり」を捉えた!〜ダストトラッピングの撮影に初めて成功 〜」でも紹介されています。

   
2009.10.23
    エイズに立ち向かう新しい薬〜 ウィルス表面の糖鎖をブロックする仕組み〜



エイズ(AIDS)という病気、そしてその原因はHIVと呼ばれるウィルスです。免疫力が低下するAIDSは、特に若い世代で発症し、死に至ることも少なくないので、人類の社会生活に深刻な影響を与えうる恐ろしい病気です。土壌細菌から発見された小さなタンパク質が、このAIDSの特効薬として大きな可能性を秘めていることが、最近のフォトンファクトリーによる構造解析で明らかになりました。


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2009.10.16
   PFと2009年ノーベル化学賞 − リボソームの結晶構造解析とアダ・ヨナット教授の業績 −




2009年のノーベル化学賞はリボソームの構造機能解析を行ったVenkatraman Ramakrishnan(ベンカトラマン・ラマクリシュナン)博士(英国:MRC分子生物学研究所)、Thomas Steitz(トーマス・スタイツ)博士(米国:エール大学)、Ada Yonath(アダ・ヨナット)教授(イスラエル:ワイツマン研究所)の三氏が受賞しました。受賞者の中の一人、Ada Yonath教授は、リボソームの構造解析に必要な精製、結晶化に長年取り組み、KEKのフォトンファクトリーなどを利用して大きな貢献を果たしてこられました。

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2009.10.1
   遺伝情報を正しく読む 〜 tRNAの「L字型」を見極める酵素 〜



すべての生物には遺伝子DNAに記された遺伝情報を読み取って、タンパク質を作り出す「翻訳」システムが備わってます。これは生物にとって最も基本的な生命現象のひとつです。遺伝子に書かれている情報と、タンパク質の部品であるアミノ酸との橋渡しをするアダプターの役割をする分子がトランスファーRNA(tRNA)です。遺伝情報を正しく読み取るには、この小さなアダプター分子tRNAが正確に機能しなければなりません。

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2009.9.18
   加速器科学がつなぐアジア(「アジア加速器プラザ」オープン)



「科学先進国」というと、真っ先にイメージに浮かぶのは、アメリカやドイツなど欧米諸国でしょう。事実、20世紀の基礎科学分野をけん引してきたのは欧米諸国。ノーベル賞が生まれたのも欧米なら、その受賞者数も圧倒的に欧米がリードしています。

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2009.9.11
   「この日限定」を満喫 〜 KEK一般公開 〜




まだまだ日中は暑さが身にこたえるけれど、朝夕のひとときの思いがけない涼しさや晴れた日の空の高さに、ああ夏が終わるなあとふと気付く、今日この頃。あちこちでお祭りも終わったこの時期、KEK構内がどことなくそわそわとし出します。

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2009.9.8
   富田文菜研究員 ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞受賞


平成21年9月7日、東京工業大学の富田文菜博士研究員が、優れた研究成果を挙げた若手の女性科学者をたたえる「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」を受賞しました。授賞式は日本工業倶楽部会館で行われ、富田氏を含む4名の受賞者それぞれに賞状が授与されました。


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2009.8.6
    ミクロな磁石のフシギな姿 〜 X線による磁気八極子の直接観測 〜



N極とS極とが赤と黒二色に塗り分けられた棒磁石を、二つに割るとあらふしぎ、二本の棒磁石にはやがわり。さらに小さく切り分けても、それぞれのかけらは、N極とS極を備えた立派な小さな磁石です。どんなに小さく分割しても必ずN極とS極が一緒に現れるのは、磁石が微小な棒磁石の集まりでできているからです。

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20097.24
   ERLサイエンスワークショップが開催されました。



7月9日(木)〜11日(土)にわたり、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)国際交流センターにて、ERLサイエンスワークショップが開催されました。 (当日の発表資料をプログラムに順次掲載します。)

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2009.7.2
   インド科学技術省による専用放射光ビームラインの運営会議が開催されました。



東京都千代田区のインド大使館にて6月25日(木)、高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所 放射光科学研究施設(フォトンファクトリー:PF)に設置されたインド政府科学技術省科学技術局(DST)のビームラインBL-18Bの運営委員会が開催されました。

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2009.6.26
   八島正知氏(東京工業大学)が日本セラミックス協会賞(学術賞)を受賞




東京工業大学・大学院総合理工学研究科・材料物理科学専攻・准教授の八島正知(やしま まさとも)氏が,第63回(平成20年度)日本セラミックス協会賞(学術賞)を受賞されました.

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2009.6.11
   入射器はおお忙し 〜 3つのリングへの同時入射に成功 〜



KEKには入射器と呼ばれる全長600メートルの線形の加速器があります。この加速器は、電子を静止した状態から光速の 99.9999998%まで加速して、KEKB加速器と2種類の放射光実験施設に供給したり、陽電子を作り出して供給する役割を持っています。

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2009.6.4
    光でつくるダイヤモンド 〜 光誘起相転移のしくみにせまる 〜



地下深部で生み出される、希少な宝石ダイヤモンド。人間は自らの手でこれを作りだすために、高温高圧や衝撃波などを用いたさまざまな方法を開発してきました。最近になって、わずかな可視光を照射するだけでグラファイトをダイヤモンドに変えることができるという、まるで魔法のような方法が発見されました。

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2009.5.29
   インフルエンザウイルスのRNAポリメラーゼの構造を解明 〜新型インフルエンザウイルスに対する画期的な薬剤設計に期待〜



 横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科の朴三用准教授らおよび筑波大学大学院人間総合科学研究科の永田恭介教授らの共同研究グループは,インフルエンザウイルスの複製に中心的な役割を果たしているRNAポリメラーゼのサブユニット間の構造を,short-gapアンジュレーターを光源とした微小集光ビームラインBL-17Aにおける構造解析により解明しました。この研究は,2008年に同グループより解明された構造と合わせ,インフルエンザウイルスに対する新規薬剤設計・開発に向けた非常に重要な成果です。


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2009.5.21
   加速器は夢の顕微鏡〜 構造物性研究センター設立 〜



世界で初めて顕微鏡が作られたのは、16世紀末のことだったといわれています。当初はレンズを組み合わせただけの単純なものだったようですが、人類はこの発明によって、新しい科学のフロンティアを手に入れました。ミクロの世界です。以降、人類はより微小な世界へと版図を広げるために、電子顕微鏡やX線回折装置などさまざまな道具や装置を発明してきました。その最も大きなものが、加速器です。KEKの物質構造科学研究所(物構研)では、加速器を用いて、原子や分子のスケールでの物質の構造と機能の解明を行っています。

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またこのトピックスは、4月1日付けのKEKプレスリリース「物質構造科学研究所・構造物性研究センターの設立について」でも取り上げられています。

   
2009.5.21
   ERATO腰原プロジェクトの記事がJST Newsに掲載されました。




ERATO「腰原非平衡ダイナミクスプロジェクト」に関する記事が,独立行政法人科学技術振興機構出版のJST News 2009年5月号に掲載されました。JSTのウェブサイトでも記事を読むことができます。

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2009.4.27
   冨田雅典氏(電力中央研究所)が平成20年度日本放射線影響学会奨励賞を受賞



財団法人電力中央研究所・原子力技術研究所の冨田雅典(とみた・まさのり)主任研究員が,平成20年度日本放射線影響学会奨励賞を受賞されました。本賞は,日本放射線影響学会会員のうち,放射線影響研究において顕著な成果を発表し,将来の発展が期待し得る満40歳未満の研究者個人に授与されるものです。


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2009.4.27
    組頭広志氏(東京大学)が第3回日本物理学会若手奨励賞を受賞



東京大学大学院工学系研究科の組頭広志(くみがしら・ひろし)准教授が,第3回(2009年)日本物理学会若手奨励賞を受賞されました。本賞は,社団法人日本物理学会によって,将来の物理学を担う優秀な若手研究者の研究を奨励し,学会を活性化するために設けられました。2007年から実施され,今回の受賞は第3回目(2009年)にあたります。

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2009.4.21
   田中健一郎氏,河野正規氏が平成20年度日本化学会学術賞を受賞



 日本化学会の平成20年度学術賞を,フォトンファクトリーと関係の深い2名の方が受賞されました。日本化学会学術賞は,化学の基礎または応用のそれぞれの分野において先導的・開拓的な研究業績を挙げた者に対して贈られる賞です。


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2009.4.20
   創薬に威力を発揮する新しいビームラインが稼動



大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(以下、KEK)物質構造科学研究所 放射光科学研究施設(以下、フォトンファクトリー)が、アステラス製薬株式会社(以下、アステラス製薬)の受託研究により開発を進めてきたタンパク質X線結晶構造解析用ビームライン(AR-NE3A)が、2009年4月20日より稼動を開始する。

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2009.4.16
   水分子が生みだす電子の波紋〜 電子回折で開くピコ・ワールド観測への道 〜




すべての物質は粒子でもあり、同時に波でもあります。このことが私たちの日常的な感覚とかけ離れているのは、私たちが生きている時間や空間のスケールでは、物質の粒子としての性質が圧倒的であるためです。原子や分子などのスケールでは、それらは粒子やその集合として存在すると同時に、波やその重ね合わせとしてふるまいます。

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2009.4.9
    第26回PFシンポジウムを開催しました



PFシンポジウムは、KEK物質構造科学研究所 放射光科学研究施設(フォトンファクトリー、PF)とPF懇談会の主催により年1回開催されるもので、26回目となる今回は、所外参加者の交通の便とシンポジウム活性化向上のため、KEKつくばキャンパスから、市の中心部にあるつくば国際会議場エポカルに場所を移して開催されました。例年のシンポジウムに比べてサイエンスの議論・討論に一層の重点が置かれ、従来より多い7件の招待講演では、放射光利用に関連した内容だけでなく、光源・加速器や、既に始まりつつあるJ-PARCでのミュオン科学研究分野に関する講演も行われました。また、ポスター発表については昨年に比べ2倍強に達する286件の発表があり、更に主催者側による施設報告に関しても、質疑・討論の時間を十分に確保することで議論の活性化が図られました。

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2009.4.9
   次の3年は「新基軸!」 〜 鈴木厚人機構長第二期就任インタビュー 〜




4月1日付で次の3年間の任期に就任された鈴木厚人機構長に今後の抱負について伺いました。

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2009.4.1
   物質構造科学研究所・構造物性研究センターの設立について



大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構(機構長 鈴木厚人、以下「KEK」)物質構造科学研究所(所長 下村 理、以下「物構研」)は、平成21年4月1日より、構造物性研究センター(CMRC:Condensed Matter Research Center)を設立しました。構造物性研究センターは、物構研がもつ放射光・中性子・ミュオン・低速陽電子という4種の量子ビームの総合的な利用と、KEK外部の研究者との密接な研究協力を二本柱とすることにより、独創的かつ先端的な研究を展開し、物性科学分野の世界的研究拠点となることを目指します。

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2009.3.27
   屈折コントラストX線CT法で信号ケーブルの内部を可視化



株式会社日立製作所,KEK,九州シンクロトロン光研究センター,筑波大学,日立電線株式会社は,高エネルギーの放射光X線を用いた「屈折コントラストX線CT法」により信号ケーブル内部の立体構造を可視化することに成功しました。

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2009.3.26
   免疫のスイッチNEMO 〜 目印は直鎖型ユビキチン 〜




毎年春になると、くしゃみや目のかゆみで悩まされる人が多いですね。花粉症が起こる仕組みは、体内に侵入しようとする異物を排除しようとする免疫反応が深く関わっていて、つらい症状は免疫反応に伴う炎症反応によるものです。
この免疫反応のスイッチを入れる仕組みとして注目を集めているのが、炎症反応や細胞死(アポトーシス)の抑制、がん細胞増殖などに関わる「NF-κB(エヌエフ・カッパービー)」と呼ばれるDNA転写因子です。抗炎症剤、抗がん剤のターゲットとしても注目されているNF-κBの活性化には、「NEMO(ニモ)」というらせん状のタンパク質と目印タンパク質ユビキチンが重要な役割を果たしていますが、最近KEKのフォトンファクトリーで解明したその仕組みは、世界中の研究者を驚かせるものでした。

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またこの研究成果は、3月20日付けのKEKプレスリリース「らせんタンパクに目印タンパクが結合するしくみを初めて解明− NEMOタンパク質とポリユビキチン鎖の構造解析に成功 −」でも取り上げられています。

   
2009.3.18
   放射光源研究系技師補の野上隆史氏が、超伝導ウィグラー全般の保守・運転管理の功績で平成20年度業務表彰を受けました。


3月6日、KEK国際交流センターラウンジにおいて、平成20年度業務表彰が執り行われました。これは、KEKの業務において業務成績の向上に多大な功労があった、または業務上有益な発明や顕著な改良をした職員に対し、その功績を表彰するものです。今年度表彰されたのは、物質構造科学研究所放射光源研究系技師補の野上隆史氏と、共通基盤研究施設計算科学センター先任技師の押久保智子氏の2人です。


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2009.3.12
    30億年前からの「翻訳」のしくみ 〜 古細菌のアミノ酸のtRNA合成酵素 〜




細胞は、その生命活動に必要な設計図を、遺伝子DNAとして持っています。この設計図は、コンパクトに折り畳まれて細胞核の中に格納されています。設計図に従ってタンパク質が作られる場は、細胞内のタンパク質の工場であるリボソームですが、いちいち膨大な設計図を工場に持って行くのは面倒で効率があがりません。細胞は、設計図に記された情報のうち、必要な部分だけをメッセンジャーRNA(mRNA)という分子にコピーして、リボソームに持って行きます。リボソームでは、mRNAに写し取られた暗号に対して、正しいアミノ酸をひとつひとつ当てはめ、アミノ酸が鎖のようにつながったタンパク質が作られます。

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2009.2.12
   タンパク質の「深呼吸」 〜 かたちを変える分子を動画で撮影 〜



ある種のタンパク質は、酸素のような小さな気体分子を外界から分子内部に取り込んで貯蔵することが知られています。気体分子をタンパク質が取り込む際には、タンパク質分子が酸素分子を吸い込んだり、吐き出したりするというダイナミックな動きを伴っているはずですが、これまでこのような動きを直接間近に見た人はいません。「タンパク質が酸素を吸ったり吐いたり「深呼吸」するところを直接見てみたい!」多くの研究者が願っていたその夢が、放射光を用いた新技術でまさに現実になろうとしています。

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またこの研究成果は2月10日付けのKEKプレスリリース「たんぱく質分子内を小分子が移動する様子の動画撮影に成功 − たんぱく質機能解析を実現する新技術 −」でも紹介されています。

   
2009.2.5
   「入射」をシンプルに、安定に 〜 パルス四極電磁石による新しい入射法 〜



KEKのフォトンファクトリーは、名前のとおり、光(フォトン)を作る工場(ファクトリー)です。工場では品質の良い商品が効率良く生産されることが大事ですが、フォトンファクトリーでも、品質の良い光が十分に得られ、多くの科学者に供給することができるように、光源加速器の専門家が絶え間ない研究開発を続けています。そして、その光の品質は、研究成果を左右するとても重要な要因です。本日のニュースは、フォトンファクトリーで考案され、最近注目を集めている光源加速器の新しい技術についてご紹介します。

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2009.1.15
   原田健太郎氏、唯美津木氏が日本放射光学会奨励賞を受賞




物質構造科学研究所・放射光源研究系の原田健太郎(はらだ・けんたろう)助教、およびフォトンファクトリーのユーザーである自然科学研究機構・分子科学研究所の唯美津木(ただ・みづき)准教授が、第13回日本放射光学会奨励賞を受賞しました。この賞は、日本放射光学会員である35歳未満の若手研究者を対象に、放射光科学に関する優れた研究成果に対して授与されるものです。

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2009.1.15
   続「運び屋」キネシンの動くしくみ 〜 頑丈な鍵で歩みを制御 〜



キネシンは、細胞内の線路である微小管上を一方向に移動する事により、生命活動に必須なさまざまな物質を輸送する「運び屋」分子モータータンパク質です。KEKのフォトンファクトリーを使ってわかったキネシンの立体構造から、キネシンが線路の上を動くしくみを調べた研究を2004年の記事で紹介しました(「運び屋」キネシンの動くしくみ)。今日のニュースはその続編にあたります。昨年の10月に、同じ研究グループから研究成果が発表され、「運び屋」キネシンの動くしくみの全容が明らかにされました。


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